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2024年4月の読書メーターまとめ

たつなみそう
読んだ本
8
読んだページ
1702ページ
感想・レビュー
7
ナイス
91ナイス

2024年4月に読んだ本
8

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

たつなみそう
ネタバレaudibleで。日露戦争後の時代、熊本から東京帝国大学に進学した三四郎の目から、東京、師と学生、上流階級の美禰子への恋など、青年の内面が瑞々しい視点で描かれる。今読んでも決して古臭くないのが驚きである。美禰子のつぶやくstray sheepは、あてどない自分たちの生き方の移ろいをいっているように見える。脇を固める与次郎はいたずら坊主、廣田先生は偉大なる暗闇、野々宮君は理学士のエリート。漱石ゆかりの人たち(小宮豊隆、鈴木三重吉、寺田寅彦、平塚雷鳥)がモデルらしいが、その面々もすごいな。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
7

たつなみそう
ネタバレネコの家系図、ネコジャン、個性的な客たち、不思議な夢ちゃん。苦しくもがいていた時代に出会ったネコたちと夢ちゃんとの密やかな交わりの物語は、唐突に閉ざされてしまう。それから20年、とうとう夢ちゃんと再会する。詩人になった主人公は、夢ちゃんと一緒に作ろうとした詩集を取り出す。温かくしみじみとした光景にジンとくる。「あん」で、月に照らされた木々の姿を見て「生まれてきた意味はここにある」というセリフを思い出す。「どこかに、あなたの居場所は必ずある、だから大丈夫だ」と語りかけ励ましてくれてるみたい。いい小説だった。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレ藩のために鬼になる。その晩年は独りで自らの罪を贖おうと一心に責めを負う。その美学に打たれる。樅ノ木は残ったを彷彿とさせる人物像。あえて詰腹を切らせた部下の娘を手元に置いて、いつでも寝首をかかれる覚悟でいる。しかし、その端然たる蟄居の姿勢に徐々に彼女の復讐心が鎮まっていく経緯にも魅かれる。周五郎の美学が結晶したような短編でした。audibleで。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレ今回は老子の解釈に加えて、著者自身のコメントと経験談が述べられていて、とてもわかりやすく楽しい。目に見えない力もきちんと感じ取り、「見えているものだけでは惑わされない目」を鍛える。「無駄なこと」が荒野のナースログのように、あなたの人生をいたわり、育て、養っていく。無為自然、上善水如など老子の思想が、著者のしんどくてつらい経験となじませるように語られ、じんわり心に響いてくる。「確かなリスの不確かさ」でも動物の目から深い哲学や老荘思想が語られる、詩人の言葉はじんわりと温かだ。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレaudibleで。日露戦争後の時代、熊本から東京帝国大学に進学した三四郎の目から、東京、師と学生、上流階級の美禰子への恋など、青年の内面が瑞々しい視点で描かれる。今読んでも決して古臭くないのが驚きである。美禰子のつぶやくstray sheepは、あてどない自分たちの生き方の移ろいをいっているように見える。脇を固める与次郎はいたずら坊主、廣田先生は偉大なる暗闇、野々宮君は理学士のエリート。漱石ゆかりの人たち(小宮豊隆、鈴木三重吉、寺田寅彦、平塚雷鳥)がモデルらしいが、その面々もすごいな。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレaudibleで。自由からの逃走を読んで衝撃を受けた。自由の獲得を目指した人類が直面したのは、寄る辺ない個人主義と人間のアトム化、そして自由を拘束するナチズムなどの全体主義だった。権威主義を含めた人間の性格分類を行い、誰もが思考停止と責任回避のアイヒマン思考に陥るかを見事に描いている。実存の不安、承認欲求、正義への過度な依存は、総じて自由からの逃走反応に他ならない。まずは孤独を恐れず自立せよ。その後にはじめて「愛」が生まれ、愛を与える存在となることが真の自由と生きがいに通じると説く。まことに見事な分析だ。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレaudibleで。スピノザは全く新しい世界観、神、必然と自由などを描き出した。善悪も関係性で決まり絶対善や悪は存在しないという。コナトウスは現状であり続ける力ということだが、活動性アップがコナトウスに当たるとすれば、人それぞれタイミングによっても変動する。流動的だが現実的な考え方だ。言語による2項対立を逆転しグレーゾーンも認める哲学。デカルトの心身2元論でなく、心身並行論を説く。うーむ、面白すぎる。私たちはデカルト思考が刷り込まれているので、OSを変える覚悟が必要なのだろう。しかし、本当に面白い哲学者だ。
が「ナイス!」と言っています。
たつなみそう
ネタバレaudibleで。以前読んだ時は主人公のエリート意識にうんざりしソーニャの敬虔さにうたれた。今回は、超俗物のルージン、誇り高い妹ドゥーニャ、好人物のラズミーヒン、心理戦で追いつめるポリフィーリー、それぞれがきわだっていた。虱のような老婆を殺しても、自分が社会に貢献できれば十分合理性があるというロージャ、だが人を殺せば自らの罪に苛まれる。苦悩の末、なぜソーニャに救いを求めたのかよくわかる。曲者スヴィドリガイロフもじつに面白い役回りだ。大地に接吻なさいというソーニャに感じ入る、登場人物たちの豊潤さに魅かれた。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/07/15(2492日経過)
記録初日
2010/07/15(5049日経過)
読んだ本
593冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
177318ページ(1日平均35ページ)
感想・レビュー
444件(投稿率74.9%)
本棚
5棚
性別
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