年間・読書メーターまとめ

年間でナイスが多かった感想・レビュー

2022/06/22

戦争を題材にした映画は色々観たけれど、その中でも女性を描いたものは自分は知らないと思う。本屋大賞受賞、に惹かれて読んだ。故郷も親も焼き払われた少女が復讐に燃え狙撃手となる。読みやすい、というと語弊があるが、彼女たちの行末が気になって夢中でページをめくる。しかし、戦争を知らない平和な生活を送る自分がこの小説を楽しんでいいのだろうか、という気持ちもある。戦争の中の女性という存在は戦う兵士も虐げられる民間人も、人として認められないのか、と思うとやりきれない。

が「ナイス！」と言っています。

「9歳の女の子が19歳の男性に誘拐され、2ヶ月間監禁されていた」という事件が起こる。小児性愛者が起こしたおぞましい犯罪、と世間は当然思うだろう。しかし「事実と真実はちがう」ということが描かれる物語。更紗と文の傷ついた心は、二人が巡り合ったことではじめて安らぎをえた。他の誰にも理解してもらえないかたちで。それは流浪の人生かもしれないけれど、どうかその手を離さないで。薄っぺらな善意は、知らぬ間に誰かを傷つけているのかもしれない。とにかく文のイメージは私の中で米津玄師だった…。

2022/08/28 23:40

同じ方がいてうれしいです。体つきや表情が見えない所(イメージですが)が米津玄師だと思いました。

kino06

2022/08/29 01:23

嬉しいです。ファンの人に怒られるかと思いました（私もファンですけど！笑）くるぶしの骨でわかる、とかも。カフェでのエプロン姿は「ポッピンアパシー」のMVそのまんまです。

が「ナイス！」と言っています。

kino06

2022/01/19

新作が楽しみな作家さんのひとり。今回は絵画をモチーフにした短編集…ですが、さすがです。ページをめくり返しました。やはり、私はこういう、心が柔らかくなるような物語がとても好きだなぁと思う。現実の生活には辛いことやがんばっても報われないことも多くて、幸せな偶然も運命の出会いも滅多にないけれど、誠実に生きていれば良いこともあるかな、と思わせてくれる。

が「ナイス！」と言っています。

異性に恋愛感情を抱いて結婚して家庭を作って子どもを産んで、という大多数の人にとって当たり前のことが果てしなく遠い、特殊な性的指向をもつ人たち。多様性を認めよう、他者を理解し受け入れよう、なんて多数派が上から見下すキレイごと。じゃあどうしたらいいんだろう…。その世界に生きる人たちを見て見ぬふりをしていたらいいのか…。主人公たちの対象が水だったから読めたけれど、ペドフィリアやネクロフィリアなどやはり、とても許容できるものではないと思う。「フェチ」や「性癖」なんて言葉を安易に使うべきではないと思った。