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2024年10月の読書メーターまとめ

空のかなた
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686ナイス

2024年10月に読んだ本
30

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

空のかなた
「火定」にとても魅了されたので、著者2冊目。平安時代の富士山の大噴火がテーマと表紙装丁から想起して購入。良戸、家人(奴隷)、駅舎、駅長、坂上田村麻呂、阿弖流為を通して,、平安時代が蘇る。都からの命で、あの箱根山を越えて都に繋がる新しい官道を人手だけで通す。そんな中二度に渡る富士山爆発(山焼け)は容赦なく故郷も生活も命も一気に奪う。あらゆるものが粉砕、流され、雨露をしのぐ屋根されもない、故郷の土地の灰や泥を掻きだし続ける日々。それでも生きていくしかないのだと家人の鷹取が自分に言い聞かせる。映画のような一冊。
空のかなた
2024/10/13 22:44

山は人が呼べど叫べど動かず、この世の災厄はどれだけの血の涙を流して祈ったとて生ける者も容赦なく襲う。人は不条理にただ耐え、なおも生き続けるしかない。牧の衆も横走のものたちも、浮浪の民も。みなそれぞれのやり方で山焼けに耐え、この二年を過ごしてきた。

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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

空のかなた

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2024年10月の感想・レビュー一覧
30

空のかなた
結末が近づくにつれ禍々しさが増す。怨霊が憑依した呪物、守り刀、晴明桔梗紋五芒星、さかさ磔、霊能者、白魔女と黒魔女等が次から次に出てきて混沌たる闇へ。タイトルの「さかさ星」の意味が視えてきたら、もう読むのを止められない。主人公のユーチュバー亮太が、亡き鬘姫の怨霊と対決するクライマックスは緊張しながら読んだ。亮太が恨みが染みついた能面黒色尉、呪物を付けた途端、屋敷にたむろする魑魅魍魎と怨念の放つ紫色の光、そして5体の遺体が一気に怨霊を迎えるための「お迎え放電」を放ち始める。とにかく怖かった、気持ち悪かった。
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空のかなた
初読み作家。突如現れた100人のコトダマを持つ異能者。コトダマを持つ人間が死ぬと、その能力は地上の誰かに引き継がれるが、誰に引き継がれるのかは予想できない。ただ「真似る」のコトダマ持ちだけは、相手を殺すことによりそのコトダマを所有することができるので地上最強となるのも夢ではない、という設定。コトダマを犯罪に使う者を取り締まるために警察にSWORDというコトダマをもつチームが発足するところから始まる警察小説?そのチームのリーダー三笠課長のキャラクターが妖しく謎めいていてラスボスのよう。面白かった。
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空のかなた
朱理や田中京子さんの不器用なコミュニケーションの取り方が愛おしい。自分のことをなじられているかも、私の居場所が踏み躙られていくような、と息を潜めてしまいそうな田中さんの臆病さを笙野のぶっきらぼうさが包み込む。朱理の天敵進吾と30代広告代理店勤務のチャラそうな小西が妙に意気投合して飲みながら、互いのトラウマのような過去の出来事を分け合うシーンは、本当に巧いなと想う。笙野とのデートにパニックになった田中さんのその先が早く読みたい。幸せになってね。
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空のかなた
「できないことは出来ないと言います。やりたくないことも、やりません」「あなたがやってくれ、と言ったことだけをやります、あなたがしてほしいことを察して行動することはありません。普通はそうするでしょ、というあいまいなルールに従って行動することもありません」雨音という名前は名乗らず名字だけを伝える。主人公三葉は他人に感情移入できない。三葉が請け負う”しごと”とそれを通じて出会う人々との交流が綺麗事ではないところで進んでいく。側面のキーマンは毒母、愛情過多だったり、子離れできなかったりと、読んでいて辛くなる。
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空のかなた
岸先生と円遼の2人の病理に対する軸が溢れ出る。岸先生曰く「病理診断は絶対に正しくなければならない、指針が間違っていればその先の治療もケアも患者の時間も全てが無駄になる。その覚悟のないものが病理医になってはいけない」。ザッキーも旅立つ。臨床検査技師の森井久志君にも旅立ちの予感が。円遼が目指す先に向けて限界まで追い込みつつ楽しみながら実現するそのプロセス。「患者の身体の中の見えない異変を可視化する、診断の精度を護り、患者の治療の未来を作る」、それを切り拓くのが円遼だと宣言するシーンの凛々しさ。素晴らしい。
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空のかなた
2001年に始まったリカ・クロニクル、完結。見事。あとがきを読むと、時系列でこのリボーンの後になる「リメンバー」を再読したくなる。たとえリカが登場しなくても。今回はユタの血筋の宇都子がキーマンに。盲目にも関わらず、リカの悪意の存在を感じ取る。「一度首を突っ込んだら、あれからは逃げられん、あの女は津波と同じです、人間の力ではどうにもなりゃせん」の一言が最後に繋がっていく。宇都子の孫の萌香は、リカが転校してきたあの高校にいたが、転校、転居することでリカから逃れた少女。萌香とリカの対決、リカの娘の里佳の悪意。
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空のかなた
「お金があるほど幸せになるのか」。Z世代は「一定のお金は必要だけれど基本的にはお金に興味がない」「年収800万円を超えると幸福度は頭打ちになる」お金の多寡よりもタイパやQOL生活の質を重視する世代へ。「稼ぐために沢山働くのは嫌だ」「どうせそんなに稼げない」、それはZ世代の半分がハイブランドは買わないという数字にも繋がる。Z世代がお金をかけたいものは生活必需品を除けば推し活とオタ活。自分の好きにお金をかける。キャリア設計にもロールモデルがいないのがZ世代。
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空のかなた
これでJKは完結、「死んでいないよ。今でも僕らと一緒にいる。この先もずっと」と陽葵に植村がかけた言葉で終わったのに。今回は紗奈と同じ顔に整形され、江崎瑛里華として紗奈の代わりに生きてもらうはずの千鶴を軸に展開する。同じ顔でも紗奈と違い孤独は辛いし、誰かと繋がりたい、それを抑えることができない千鶴の自然な感情が惨劇を引き起こす。DNAが取れないほどの殺し方、ドラム缶の中でガソリンかけて燃やす。それを憐憫の感情のカケラもなく遊びのように軽く扱う半グレ。紗奈もギリギリの闘い、ヒリヒリした。ボロボロになった紗奈。
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空のかなた
こんな後味の小説初めて。あり得ない設定なのに読んでいて引き込まれる、ハラハラする展開でもないのに主人公の殺し屋の雨乞が生き延びることが出来るよう、空の上から見守っているような距離感。花時計、煮こごりという殺し屋、そしてその元締めの和尚。拷問や殺し方は残忍すぎるし、雨乞は最後は自分で左手をメスで切り落とすし、あり得ない。表紙の雨乞の表情は殺しの為に心、感情をなくしたから。鎖骨の間の朱鷺の刺青は殺し屋の証、右手だけ描かれているのは小説を書く為には右手を失うわけにはいかないから。面白くて深い一冊になりました。
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空のかなた
5年ぶりだったので嬉しいやら戸惑うやら。「いつか全ての女子がこのまんがと無関係になりますように」の帯が哀しいし、切実すぎて辛い。「性被害」「自分の願望を叶えるために媚びるのが悪い事?」「何が正しいのかわからないまま女を使ってしまった?」「自分で自分を許してもいいの?」等、読み手に投げかけられるメッセージが突き刺さる。光をモノにするため手段を選ばない美玖は嫌いだけどその心の内も知りたいし、アイドルを辞めた花恋が再起する気配もあって応援したいが、まだ追ってが潜んでいる怖さを感じる。広がって欲しい作品。
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空のかなた
小川ハロが描く女性のヌードはなんだかとても余韻と艶があって、どれも魅力満載。ハロの師匠になりそうな、画材屋のお爺さんがいい味を出していく。「ヌードを描くとは、ただ肌を塗るわけじゃあない。その身体を包む森羅万象を描くことなんじゃ」と爺がハロに諭す。なんだか分かりそうで掴めない。爺の娘でみーちゃんママの餡奈さんがまた良いキャラクター。露出の多いようなのに嫌な色気ではなく清々しい。彼女の描く油絵も印象的。益々面白くなってきた。単なる藝大受験ものではない拡がりのせいか。
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空のかなた
心笑会が宗教法人としてどのように拡大してきたのか、そのきっかけと中心人物(笑鴛/光の母)となる女性の歪んだ欲望がまるまる1冊かけて紐解かれている。この号を読んでいないと、この先のスマイリーが理解できなくなるのでは…火事で死んだ赤子「光」と同じところにほくろがある「光一」、光一が唯一その火事で生き延びた赤子。私の子供を取り返し、家族を作り直す、そして私は幸せになる、ことだけに突き進む笑鴛の狂気が爆発。光一(教祖?)が憐れに見えてきた。
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空のかなた
図書館本。1センチにも満たない薄い絵本、1600円。でも宇野亜喜良さんのイラストが心を掴んで何回も最初から読んでしまう。中でも緩くカールした長い髪をなびかせる少女の挿し絵は悪魔のような魅力。その少女の髪は老婆のような白髪、眼の見えない老婆と街外れの古屋に棲みながら、老婆は籠を、少女は宝石にも劣らない鳥籠を編み続ける。千早茜さんの文章も最低限に抑えられ、結末も少女の心の中も、朧げにしか理解できない。宇野亜喜良さんのイラストが素晴らしすぎて現実から離れてしまった。やはり購入しよう。
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空のかなた
油絵の素人にも関わらず東京藝大を目指す高校生男子という設定のコミックは最近いくつかあったけれど「女性のヌード」の美しさに魅入られた主人公小川波路(ハロ)のエピソードや純粋さ、そのきっかけとなった表紙装丁の神生怜准教授の神がかり的な魅力が相まって、1刊目にして虜になった。サクサク進むが、キャラクターが自由自在に動き回り、想定外の動きをしてくれるので面白い。次刊も読む。画も巧いと思う。
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空のかなた
寝る前に読まない方が良かった。ノンフィクションコミック!本当に怖い、怪異の朗読劇のエピソードは目を瞑ったかも。とはいえ、密教ならではの神々やその由来、作法、真言、印、眷属、お祓いに使った黒檀の数珠と悪いものを吸い取るという紫の石等、知識の宝庫のような一冊でした。足が6本ある大威徳明王は水牛に跨っている仏像。日輪の神様でもあり太陽神とも言われる観音菩薩は慈悲深い。陽炎が神格化されたという摩利支天も太陽の力を持つという。前行の大切さはかなりの頁を使って説明してくれた。怖いけれど大切な事を伝えてくれている。
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空のかなた
キャリア官僚。時間外が月80時間を超えると過労死ライン。軽くそれを超える実態。2014年には安倍首相が中央省庁の幹部人事を内閣人事局で一元管理、官邸主導となり、能力や人物本位ではなく、有力政治家との相性が重要視されるようになった。城山三郎著の「官僚たちの夏」は遠い世界に。もはやキャリア官僚はエリートではないと締めくくる。映画八犬伝公開に合わせて、役所広司さんと黒木華さんの対談。滝沢馬琴が28年かけて書き上げたのが「南総里見八犬伝」、正義が勝つと信じきれない世の中だからこそ、八犬士の闘いを伝えたいと。
空のかなた
2024/10/17 17:59

京都大学大学院特定准教授デ・アントーニ アンドレア氏が今回の現代の肖像。憑依や除霊による宗教的治療を研究しているという。その中で賢見神社に触れている。日本三大秘境である徳島県にある、社殿は1500年前に創建されている。犬神憑、もののけ憑を祓うことで知られている神社。現在は年間3万人が参拝するという。イタリアのエクソシストで悪魔祓いをする際も話を聞いてもらう事が治癒のきっかけとなっていると。日本のお祓いでも同様の傾向があるとも。私は霊能者でも宗教家でもなく、医療者でもないと立ち位置は明確。面白いジャンル。

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空のかなた
「爪角」が主人公の”破果”を読んでいないと、この短編(100頁)の醍醐味は感じ取れない。爪角が10代のまだ少女だった時に、殺し屋になるために山で訓練した日々が描かれている。師匠(≒彼)がこの訓練に入る前に、爪角に放つ言葉が鍵に。「この車に乗ったら最後、お前の身体は、一から十まで作り変えられる。頭から始まって手足、胴体、内臓まで、一度全部取り外して付け直しだ。平気か?」この意味が掴めないまま読んでいくが、最後に「なるほど、こうやって爪角が誕生したのか」と強い印象が残っていく。
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空のかなた
「JK」を読み終わってかなり期間が過ぎた状況で「JKⅢ」を読んだら話や登場人物が全く繋がらなくて混乱。で「JKⅡ」を読み始めた。有坂佐奈は死んだことになっている、すなわち「幽霊」、この世には存在しない。前巻では輪姦島で生き残るために殺戮を繰り返したおかげで、指先までが武器と化した佐奈の強さが今回は存分に発揮される。渋谷109を舞台にしたヤクザvs佐奈の闘いは、映画化等無理と思う程残虐で血まみれ。容赦ない殺し方。おかげで一気読みとなり寝不足に。身体に悪いが面白い。
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空のかなた
表紙はチヒロと双城の激闘シーン。二人とも妖刀を所持する能力者同士。画のテイストが好きになれないまま読んでいるが、展開のスピード感と戦うシーンの迫力が素晴らしく、ついつい引き込まれる。この巻も面白かった、普段なら手に取らないジャンルなのに、続きが読みたくなるのは作品の力。タイトルの意味がまだ掴めないが、この先どんどん話題になっていきそうだなと思った。
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空のかなた
「救世主」というタイトルと表紙装丁に魅かれ読み始めた。外国人技能研修生の過酷な労働環境や低賃金、一旦職を失えば、危ない仕事を斡旋するプラットフォーム「ポドイ」に頼り転げ落ちていく顛末。そんな中で雇用主の息子(悪党)が殺される。刑事が追う真相や同郷の技能研修生を守るために嘘をつき続ける友人、白血病の甥を助けるために手段を選ばない産婦人科医、が入り乱れて物語が進む。面白かったとは思うが、詰め込みすぎて筋が拡散してしまい、中途半端な結末になったのが残念。
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空のかなた
埼玉県南部の蕨市で突如クルド人に対するヘイトが昨年春から増加したという記事。クルド人が経営する飲食店には一日中「日本から出ていけ」という嫌がらせ電話や隠し撮りされた映像がネットに。日本に暮らすクルド人は2000〜3000人。ゴミ出しや交通マナーでの近隣住民とのトラブル、クルド人同士の傷害事件が根っこにある。交流の場や対話の場を忍耐強く続けるしかない、共生に向かって、と締めくくられている。蕨市、クルド人に限らない事象だと思う。
空のかなた
2024/10/13 12:19

堂本剛のロングインタビュー。パニック障害を患い、本当に死にたいと思いながら生きていた時代があると。それを生きたいと思わせてくれたのが、ファンクとの出会い。ロックとかパンクだとちょっとした怒りとか悲しみの色合いが強くなってしまう。心の強張りを解きほぐしてくれるのがちょうどファンクというジャンル。荻野直子監督の映画で主演するが、主人公堂本剛が何度も描く◯は調和であり、同時に「檻」のメタファー。社会のルールやシステムにいた方が安心できる人も居れば、自分らしく生きたいともがく人もいる。深いインタビューだった。

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空のかなた
王妃となるべく幼い頃からひたすら教育を受けてきたルクレツィアが表紙の女性。嫁いだ王の心の中には傾城の美女と評されるほどの女性マリーのみ。召使ならがもマリーは側室なり跡継ぎを産む。王に触れられることもなく、気が付いたら国は征服され、王もマリーを伴い自決。残されたのはルクレツィア独り。ここからの過酷な展開とルクレツィアの成長・自律への道筋が、読み手を一気に物語に引き込んでいく。「わたしの幸せな結婚」が好きな方にお勧めしたい。オレンジ文庫とあなどってはいけない一冊。
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空のかなた
「火定」にとても魅了されたので、著者2冊目。平安時代の富士山の大噴火がテーマと表紙装丁から想起して購入。良戸、家人(奴隷)、駅舎、駅長、坂上田村麻呂、阿弖流為を通して,、平安時代が蘇る。都からの命で、あの箱根山を越えて都に繋がる新しい官道を人手だけで通す。そんな中二度に渡る富士山爆発(山焼け)は容赦なく故郷も生活も命も一気に奪う。あらゆるものが粉砕、流され、雨露をしのぐ屋根されもない、故郷の土地の灰や泥を掻きだし続ける日々。それでも生きていくしかないのだと家人の鷹取が自分に言い聞かせる。映画のような一冊。
空のかなた
2024/10/13 22:44

山は人が呼べど叫べど動かず、この世の災厄はどれだけの血の涙を流して祈ったとて生ける者も容赦なく襲う。人は不条理にただ耐え、なおも生き続けるしかない。牧の衆も横走のものたちも、浮浪の民も。みなそれぞれのやり方で山焼けに耐え、この二年を過ごしてきた。

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空のかなた
フェムテック、が流行語大賞にノミネートされたのは2021年。更年期症状は多様で個別性が高いからなのか、職場でも上司や周囲に理解して欲しくても言語化が難しい。配慮してもらったとしても、だから毎日同じパフォーマンスを、と求められても、自分は機械ではないので返す言葉がない。ホットフラッシュ、鬱、冷え症、コレステロール増加、骨粗鬆症等女性外来を受診していない人の方が多い。HRTの受信率は1〜2%とも。車に例えるとホルモン低下はガス欠のようだと。止まりそうになったり、急発進したり、ガタガタ運転の様。
空のかなた
2024/10/05 16:56

巻末にグーシャオガン監督の言葉が。映画「西湖畔(せいこはん)に生きる」が上映中。マルチ商法にのめり込んだ友人を例に出し、どんなに説得してもダメで、この構造は宗教に類似していると。自分の欲望によって本来の自分を見失う、現実の社会では実現できない自分を、その構造の中でなら可能かも知れないと信じてしまう。「人間が真に自立できる基準とはコントロールされないこと、そして依存しないこと」、語っている。

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空のかなた
推理小説にしては静かに進む。昆虫目当てに全国各地を旅する青年が主人公。えり沢泉シリーズ3作目、とは知らずに読み始めた。ぽろっと口から出た言葉の欠片や本人さえも気が付かない記憶の思い込みに違和感を感じ取り、殺人事件を解決したり、心に寄り添ったり。本当に静かに物語が進む。そんなえり沢は「なんだかぼくは、ぼくと関わる人を、みんな不幸にしているような、そんな気がしていて。」「いつからか、物事をわるいほうにばかり。」と消え入るような声で呟く。短編6つの中で「白が揺れた」と「黄色い山」が印象に残る。
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空のかなた
鋼之助と盲目の巫女の明を殺すべく遣わされた虫使いの「斑」。毒虫が鋼之助達を蝕む様子が気持ち悪い程、次から次に続く。毒虫は眼から、鼻から、耳から、穴という穴から身体に入り込む。その苦しみや痛みの描き方が凄まじい。斑(まだら)もその通力が故に、自分を生んだ母は出産時に虫達に侵され死亡、村人たちからも斑は忌むべき存在として、柱にくくられ火あぶりとなる。そして鋼之助の覚醒。唸る。
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空のかなた
表紙は土御門晴雄。この巻では、この晴雄の幼少期から土御門家跡取りとして目覚めるまでのプロセスに費やされている。陰と陽を反転することができる通力、しかも恐ろしく巨大な力を有するあまり制御不能となり、周りの人と世界を破壊することに抗えない。「幼少期に一度死にかけた?」「一度死んだ?」の微妙な違いが彼の闇、残酷さを解明する鍵になるようだ。殺生石と晴雄の因縁、そして晴雄の身体に巣食う怪物のような不気味な存在。ラスボス感満載のキャラクター登場。鋼之助、太刀打ちできるのか。
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空のかなた
冒頭のサイコっぽい手記が苦手で辛かった。そこを抜けると推理編に入るのだけれど、人物相関図が複雑で頭が混乱してしまい、途中で脱落。
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空のかなた
「組織を守る」ことを是としてきた人事部が、ターニングポイントに置かれている事を理解するには丁度いい切り口。職務定義書(JD)という制度はあるがきちんと定義されていないために、JDを加味しながらの「人事異動」になっていない企業。逆にジョブ型が浸透したが故に、それを無視した強制的な人事異動が命じにくくなった企業。この先「HRBP(人事ビジネスパートナー)を導入し経営戦略に人事を組み込む経営」と「CHRO(最高人事責任者)の人選」がキーになる。とくにCHROは人事部生えぬきよりも事業部からの選出が望ましいと。
空のかなた
2024/10/03 14:07

人事業務(労務管理、制度設計)と人財・組織開発(人材育成、組織開発、新規ビジネス立ち上げ時の人材選定、ミッション策定等)を分けて考えること。みずほFGでは「人事異動」に人事部は権限を発動しないフレームに進化している。社員が職場で作成するキャリアシートをベースに、社員は希望する事業部に応募する/事業部はキャリアシートDBから欲しい人材をスカウトする。全ては「キャリア自律」のため。1998年の「人事部はもういらない」(労働経済学の八代尚宏上智大学教授著)は終身雇用と年功序列の不合理を予見している一冊。

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空のかなた
この展開と描かれる女性の眼の強さが心を揺さぶる。松浦だるまさん凄いと思う。一巻で夜刀川に連れ去られた月様が今回は出番が少ない。その代わり盲目の巫女の明が掻き回しながらさながら主人公のように動き出す。月様も何か強い力を秘めた人ではないモノらしい。鋼之助も現世は下級武士の姿だがこちらも通力が封じられているらしい。そこに未来が視える明や封印されたが関わってくる。そして未来の鋼之助の無惨な最後の姿が明の眼を通して映し出される。タイトルの太陽、月、鋼が暗号のように登場人物三人に絡みつく。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/10/04(2608日経過)
記録初日
2017/04/02(2793日経過)
読んだ本
1965冊(1日平均0.70冊)
読んだページ
447451ページ(1日平均160ページ)
感想・レビュー
1789件(投稿率91.0%)
本棚
14棚
性別
職業
事務系
自己紹介

集団でワイワイ過ごすよりも、独りで街を歩いて周りをみたり、美容院や入浴でおもいっきりリラックスすることが、自分に必要な時間なんだなと、最近切に感じています。
悩み事は、これ以上積読本を増やしてどうするのかと自問自答。
それでも書店に寄ってしまい、呼ばれている本を購入してしまうことの繰り返し。
1冊が終わってから次の書籍を手に取るというより、様々なジャンルを並行しながら読んでいます。入浴の友、眠る前用、移動の際のサクッと読める用、ビジネス・心理学関連の好きな分野などなど。
小学生のときはギリシャ神話や空想の物語(ナルニア国等)にどっぷりはまりました。本なしの人生は、たぶん自分には想像できないと思っています。

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