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2024年4月の読書メーターまとめ

空のかなた
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2024年4月に読んだ本
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2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

空のかなた
サイコホラー?犯人がシリアルキラーだと半ばから繰り返し出てくるけれど、一体どの登場人物がシリアルキラーなのか、迷いに迷わされ一気読み。エンディングで犯罪の全体像が見えて、そのたたみかけるような展開に息を止めて読んでいた。犯罪者にはその生育環境が大きな影響を与えたとコメントするのは分かりやすく、聞き手も成程と安堵するので多用されているが、果たしてそうなのか?悪を内在したような遺伝子(黒い糸?)、遺伝的特性のほうが強い影響をあたえている、事が繰り返し暗示される。とにかく追い詰められていく様が怖すぎた。
空のかなた
2024/04/21 19:08

実写化、続編の発行等、この書籍はまだまだ発展していきそう。読んで良かった作品。

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

空のかなた

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2024年4月の感想・レビュー一覧
28

空のかなた
カルト教団に入信した妻の意図がおぼろげながら見えてきたことで、新たな展開へ。「ファミリー」だからというカルト教団の笑顔と、ファミリーを害するものは抹殺するのは正義であると微笑みながら語る教団幹部の不気味さが交じり合う。主人公は一体いつからこの教団に目を付けられ、我が子を事故で失うという罠をしかけられていたのだろう。闇が深まっていく。
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空のかなた
ネタバレ次刊で完結。アンナの最愛父(皇帝)が逝去。まだ息も引き取っていないにも関わらず、アンナの弟ヨハネスは皇帝の指輪をくすね即位を宣言する。そして聖書を引用し「女性は目立たず慎ましく生きるべし」と説き、アンナは異教の徒であると暗示する。そうなればアンナの命は危ない。哲学から医学にも通じ軍事の才も有するアンナは皇帝に策を授ける程の天賦の才。アンナが生きていては自分が皇帝になる際の障壁となりかねないと考える、弟とアンナの闘いはもう避けられない。女性は男性以下の存在と位置付けられていた時代であったことを痛感する物語。
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空のかなた
ネタバレ芸能界だから尚更、人の欲望や歪んだ自己意識が増長していく様があらわになっていく。マネージャーを手放したくない、一生私のものにするというアイドルが仕組んだ数々の罠。そこには罪悪感のかけらもないモンスターのようなアイドルの姿が。そしてピークを過ぎた女優がSNSを始めて、加工で10も20も若く見える自分の姿や、いいねの数にズブズブ溺れていく様、そしてアカウントを消されて狂ったように叫ぶ結末の作品。過去に結婚詐欺を重ねた女性プロデューサーが自分好みの俳優にハマり、無理矢理主役に抜擢した後の結末、どれも怖い。
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空のかなた
近藤史恵さんの「ここにいるぼくら」は登場人物の心の機微の描写が見事。34歳の売れない役者が2.5次元のキャストの代役に選ばれる。声優を完コピするだけの2.5次元という偏見、キャス変に対するネガティブなSNSの嵐。結末ではそれを一掃する景色へ。白尾悠さんの「おかえり牛魔王」も素晴らしい。派遣さんと名前でも呼ばれない、会議で発言しようものなら次からは呼ばれなくなった、それも仕方がないと諦めていた主人公が、牛魔王として蘇るその瞬間を捉えた短篇。「見ておれよ」と声をあげて舞台に向かった小学生だったあの瞬間へ。
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空のかなた
短篇「とこよだけ」。読み終わって真琴と会えなくなるのかと哀しさが募る。琴子が野崎を救いに来た時に伝えた言葉は「真琴が呼んでいる気がした、というか。もう、あっちに行ってしまったようです、冥界、常世、黄泉、本来なら簡単に行き来出来る場所ではない」。この島で野崎は確かに真琴を見て、声を聞き、後ろから抱きしめられたのに。それは感じるはずのない温かさだというのかと。ばくうどの悪夢を読み返したい。「戸栗魅姫の仕事」も好きだ。比嘉姉妹が現れると話が締まる。小ぶりのスーツケースと黒い手袋が描かれると、もう琴子の世界。
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空のかなた
近藤房子、逮捕され過酷な状況で取り調べが続いても完全黙秘。独房でも姿勢を正して座ったまま取り乱すこともない。検察はメンツのためにも近藤夫妻の事件の全容を明らかにしたいが、近藤房子相手では検察官位では到底不可能。物語はシリアルキラー、オレオレ詐欺グループ、中国ギャング、カニバリズム等次々と畳みかける。今回も近藤房子の殺し方は見事というか惨い。脳漿に届くまで眼からボールペンを突きさす、SRO副室長の麗子の心理的トラウマを暴き出しながらの拷問。助け出された麗子が狂ってしまったのかと心配になるエンディング。見事。
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空のかなた
1刊も引き込まれるほど面白かったけれど、2刊はそれを上回る展開と登場人物の設定。不良少年がピアノに出会って「世界と繋がる」ことの醍醐味に引き込まれていくという、良くある設定をぽーーーんと軽く超えていく。主人公の高校生寅彦や芸大の表紙に登場する天才ピアニストにして教授の兎山先生が奏でる曲の旋律やピアノの荒々しい音、繊細で緻密な音等、誌面から聞こえてきたような錯覚に陥る。マンガ大賞に推薦したい。
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空のかなた
今回も情報密度が濃く、著者の知識に敬服。今回は丸ごと忌部神南女史が主人公。ホノニニギが身ごもったコノハナサクヤヒメに「自分の子ではないのでは」と疑義を持ったところから始まる。「火中出産の神話-身に罪あれば焼け死ぬ-という捨て身の誓約(うけい)」のエピソード。宮崎県西都市の都万神社はコノハヤサクヤ姫を祀る。蛇神、神が隠れ住む場所という意味のカムナビ、祭祀氏族である忌部氏、祭祀とは切り離せない大麻。大麻の学名もカンナビス、という偶然。そして神も死から逃れられないことを伝える古事記が担う意味も含めて凄い一冊。
空のかなた
2024/04/23 15:48

日本書紀に残される猿田彦大神は天界と地上を照らす神。その姿は背も高く鼻は異常に長い。一方、天岩戸で踊りアマテラスを引き出したアマノウズメは、サルタヒコを伊勢まで送り神婚したという。しかしサルタヒコは伊勢の海で比良夫貝に手を挟まれそのまま溺れ死んでしまう。アマノウズメにより天と地を照らすサルタヒコは海に沈み、アマテラスは岩陰から朝日の如く姿を現す。つまり新旧の太陽神をすり替える重要な役割を果たしたのではと解釈している。サルタヒコは天狗、アマノウズメ(=サルメ)はお多福として伊勢に浸透していったという。深い。

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空のかなた
サイコホラー?犯人がシリアルキラーだと半ばから繰り返し出てくるけれど、一体どの登場人物がシリアルキラーなのか、迷いに迷わされ一気読み。エンディングで犯罪の全体像が見えて、そのたたみかけるような展開に息を止めて読んでいた。犯罪者にはその生育環境が大きな影響を与えたとコメントするのは分かりやすく、聞き手も成程と安堵するので多用されているが、果たしてそうなのか?悪を内在したような遺伝子(黒い糸?)、遺伝的特性のほうが強い影響をあたえている、事が繰り返し暗示される。とにかく追い詰められていく様が怖すぎた。
空のかなた
2024/04/21 19:08

実写化、続編の発行等、この書籍はまだまだ発展していきそう。読んで良かった作品。

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空のかなた
「不妊治療は男女不平等な医療」、採卵のスケジュール1つとっても直前まで仕事とのの調整になる、復興庁の女性が仕事を諦める決断をするシーンから始まる。しかも上司の男性は「ピルや薬で治療のスケジュールを仕事とかぶらないようにコントロールできないものか」と簡単に言葉を発する。無知から来る罪。胚培養士の水沢の台詞も気づきが多い。「患者は辛い。努力が必ずしも結果に結びつかない。さの中で患者本人が周りに説明し説得しなきゃいけない、自分でも葛藤を抱えているにも関わらず」、夫もさえも「そこまでやって子供はできるの?」と。
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空のかなた
ここぞという場面で頁、見開きを使って、登場人物が吐露する言葉と表情の使い方は格闘技のようで凄い迫力。今回は梨園に嫁いだ香奈子さんが「胎児の心拍がない」と診断された時の滝のような涙、絶望の表情がまさにそれ。治療に臨む親の「願い」と背負う水沢と、夫に親子連獅子を舞わせたいと願う香奈子さんの「覚悟」、二人が見開きで「背負っているものが重すぎて(それでも背負う)」と前を向く見開き頁が素晴らしい。更に、あと一回不妊治療に挑戦しなければ「女がすたろうというものです」と片膝立てて見栄をきる香奈子さんのシーンも凄い画力。
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空のかなた
主人公が初めてピアノに触れて奏でる曲、自転車でリサイタルに向かっている最中に事故に合い、頭から血を流しながらも「手は、指は無事だ」と呟く。そして観客もまばらな会場で「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏する。どちらも、ピアノの音そのものが聴こえてくるようなエネルギー。天才と言われるピアニストとは96%が技巧、残りの4%がそれを超越する何かを有するという。その96%を習得していないにも関わらず、得難い4%を既に体得している主人公が、この先どのようにピアノと向き合っていくのか。まんが大賞を取ってほしい作品。
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空のかなた
映画宣伝プロデューサーの甲音々(きのえねね)、剣道部での猪突猛進な動きの様から「ウリ坊」と親しみを込めて、業界の皆々から声をかけられる存在。でも裏の顔、というかプロデューサーとしてswitchが入った瞬間に「鬼」となる。一方八海さんが何にもまして最優先のさくらが甲に仕掛ける罠?この2人の火花散る闘いが始まった。さくらさんが「ヘドがでる正論だ」と甲に対して吐き捨てる、静かな怒りのシーンは見事な山場。次刊で2人が正面からぶつかる!6月まで待てない。ミワさんも当然巻き込まれてる!
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空のかなた
よろず建物因縁帳、完結。素晴らしいファイナル。穏温羅流の因縁をひも解き、それに抗い、恋しい人を死の淵から連れ戻す。主人公(仙龍と春菜)だけではなく、登場人物ひとりひとりが、個々の力を振り絞って仙龍を忌まわしい因縁から助け出す。このシリーズを実写化して欲しい。
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空のかなた
どの短編もぶっとんだ設定で全く理解できない。でも著者にはちゃんとそのビジュアルも科白も当たり前に進んでいるのだと思うと、まさに鬼才だと思う。出会ったことのない小説だからこそ、読者を選んでしまい、ベストセラーにはならないのだろう。最初の短編は、回転草(=タンブル・ウィード)が主人公で、しかも人間(=俳優)として、現実に生きている。その視点から物語が進むので、植物≠ヒトではない、とバイアスをもっていたらなんのことやら分からない。キリンのざらっとした舌や軟体動物の内臓のような生臭さ、どれもが視覚化不能。
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空のかなた
「売上至上主義」の経営のリスクを分かりやすくまとまっている。新規顧客を得るためのコストは、既存顧客のリピートに掛かるコストの5倍かかるという「1:5の法則」。また少額の取引だからという売り上げの観点からだけで判断する売上至上主義のリスク。それを粗利会議に変貌させる。まず現状の粗利獲得額を確認し、残りの期間でどれだけの粗利が必要になるのか意識統一する。今後9割の確率で獲得できる取引なら粗利獲得実績に計上する。7-5割の確率の取引、5割以下の獲得可能性の取引に分け期末までにどれを優先するか絞り込む。
空のかなた
2024/04/16 14:38

粗利で判断する企業、限界利益で判断する方がいい企業に分かれる。「粗利のみに絞る経営」は社員にとっても分かりやすいだけではなく、薄利多売や赤字を出しながらの売上拡張を回避することにも繋がり、必要経費をどう上回るかという視点に転換させることができる。数か月前の売上実績を資料でを基に「何故、販売が伸びないのか」と何故を繰り返す会議に意味はないとも。

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空のかなた
映画毒娘、を観てから「ちーちゃん」へ。どちらも重なっていながらも、違う世界を描いているので、濃密な後味。ちーちゃんの「またね」というセリフが、映画のその声として誌面から聞こえてくるよう。鋏、の開く〆る、刺す、その軋む音さえ聞こえてくる感触が迫る。映画の中にあった「ちーちゃんはかつて同級生を失明させた」という事件が映画では分からなかった部分。その前日譚がこのコミックのクライマックス。観てるだけで痛い、痛い、怖い。ちーちゃんの哀しさもちゃんと描かれていて、もう一回映画「観に行きたくなった。さすが押見作品。
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空のかなた
この刊は何度読んでも感慨深い、時代の変遷を先取った物語だったと思う。ケンジの家族と食事会のシーン。フラットにシロさんを受け入れてくれるケンジの家族と無理やり感はなく、シロさんとケンジが大切に積み重ねてきた日々が、一区切りついたような、小休止でもあり。次刊から2人の関係がどんなふうに変わっていくのか楽しみ。
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空のかなた
我が友、スミス、が的を得ている。自己肯定感の低い地味な事務職の主人公がレジェンドO島のNジムに出会い、導かれ、トレーニングを通じて存在の意義のような領域へ開眼していく展開の面白さ。「勝ちたい、この身体で、勝ちたい」と鏡に映った自分の姿を見て発した瞬間が映像で見えてくるよう。筋繊維の破壊と再生を幾度となく繰り返すことで変貌した自分の身体に感じた自己愛の瞬間。また一線を超えたトレーニーは、誰にも頼まれていないのに余人の預かり知らぬ目標に対峙し、日々の鍛錬に励む、そして謙虚さと哲学者のような人格となるとも。
空のかなた
2024/04/13 10:58

著者の視点、書き始めた物語がもつ緻密な下調べ?膨大な専門知識?平伏してしまうよう、素晴らしい逸材。ポージングの技を極め、背中の筋肉まで鍛え上げるプロセス、人工の笑顔とまで主人公が表現する表情筋への意識。BB大会が近づくにつれ、読み手の自分まで緊張が高まっていく。鍛え上げた身体を見せる、12センチのハイヒールや日焼け、歌舞伎役者かのようなメイク、そこには羞恥心との闘いがあった主人公の葛藤。

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空のかなた
NEO、のタイトル通り新たなSROが始まった。近藤房子が殺人に纏わる技術を教え込んだ後継者のキャラクターがなかなか面白い。生まれながらのサイコパスではないはずが、追い詰められ人を殺め、その流れで近藤房子を師と仰ぐこととなり見事な才能開花。一方、もう人1人の殺人鬼というか常軌を逸した女優と執事のストーリーも絡んできて一気に読んだ。科捜研からSROに出向してきた巨漢の夏目さんと、せん滅されたはずの光教団、木戸沙織、公安と様々な角度から物語が進む。書き下ろし、面白かった。
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空のかなた
人間とは違う能力を持つ主人公朝名は人魚の末裔、手首には鱗のような醜い痣、その血は一滴で猛毒となり、ろ過すると万能の治療薬となる。そのせいで薬問屋を営む父親と兄に、注射針で倒れる寸前まで血を抜かれるシーンは惨い画となる。首を一刀両断でもされない限り死ねない身体の秘密。その上八つ当たりのように家族から暴力の数々を受けるが、翌日には治癒する繰り返し。そこに現れる御曹司の庶子咲弥。結婚を申し込まれるが、咲弥にも心臓のあたりに鮮やかな痣が。秘密が隠されているような終わり方。不遇な少女と王子様の物語。
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空のかなた
書籍、ならではの構成のトリックが仕掛けられていて、読後にヤラレタ感。それ以外に書き手は一体誰だったのか、呪いとは実在するのか、惨殺の未解決事件が呪禁に繋がるのか等、混乱したまま読み終えてしまったので、直ぐに再読。そうしなければ、気持ちが収まらないようなざわざわとしたミステリー。怖い場面は少なく、理解できないものに対峙させられているような感触のまま最後まで一気に読まされてしまった。藤村朔というキーになる女性の人生をもう少し書いて貰えればスッキリ理解できるのに、書きすぎないところが著者の意図かもと思う。
空のかなた
2024/04/09 10:41

後半の惨殺のシーンで「命あるものが迎えている断末魔は、すさまじいい迫力だ。古代より人々は、悶え苦しむ贄(にえ)の姿に、神をみたという。まさに今、私はその瞬間を実感している。」この言葉の主語は曖昧にぼかされている。そのせいか、一度目と二度目に読んだときは受け取る「主語」が違った。不思議な感じ。

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空のかなた
流石小野不由美作品。残虐な殺し方、ホラーとミステリーと土着の信仰がミックスされたようなどんよりと重い展開。馬頭信仰、カイチ、座敷牢、血縁同士の結婚の果てに生まれるサイコパス?等、誰が犯人なのか、単なる信仰なのか、根付いた黒祠の裁きなのか、凄い密度だった。最後の告白のシーンが圧巻。「罪なきものは殺してはいけない、罪あるものは殺してもいい、それが私への報酬」、いたぶりながら殺す過程に喜びを見出す嗜虐的シーンの描き方を二度読み。
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空のかなた
母親に対する愛情とそれと拮抗する程の葛藤&嫌悪の物語。突き詰めると無数の矛盾を孕みながら生きていくしかない女性の業を書くことになるかと。娘とは自分とは異なる人格である事を受け入れがたい母親は、理不尽な仕打ちが止められなくなっていく。大人になる前の娘は厳しい母親に褒めてもらえるためには何でもしようと思う余り、自分を押し殺している。だから悪い事はぜんぶ隠れてする、過剰な位慎み深く振る舞うというアンビバレントな日々。そして救いが訪れる。強い牡から身も心もよこせと求められることの甘美な沼へ。
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空のかなた
諸葛孔明が魏呉蜀のバランスを保ち天下泰平のため設立したのが「天機府」。この天機府の大将軍である孔明の子孫--諸葛永継が表紙イラストの武者。謀反で殺されたはずが復活?いわくありげな曲者、孔明の玄孫の諸葛敦に取り憑かれ、敵をなぎ倒しつくすあたりから俄然面白くなる。霊が永継の身体を操っている際の「眼」の書き方が巧い。魅力は先の展開が読めないことと、永継を守る二人の少女戦士「寸呂」「寸爻」が文句なしに強くキュートで先が楽しみ。ただひたすら生き延びろ、このフレーズがこだまする。
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空のかなた
糖尿病になる、もしくは予備軍として指摘されたら、その後は一生治療が続くか、予備軍のレベルにまで戻るよう取り組むかという恐ろしさ。要は「寛解」はあっても「完治することはない病気」だと。失明、透析、認知症の発症率が高まるというエビデンスが並ぶ。著者は予防として「SGLT2阻害薬」の服用で、腎臓に作用し、尿から糖を強制的に排出し、体重コントロールを行っていると記載している。若くても生活習慣と食生活、ストレスの具合で発症する可能性があるだけに、早めに知識をつけておくにこしたことはないと実感させられた1冊。
が「ナイス!」と言っています。
空のかなた
SMAPとマネージャー、ジャニーズ事務所の主が「カタカナ表記」ではあるが、あの人だと分かる形で登場する。鈴木おさむという脚本家が絆を結んだ人達と、あの「結婚会見・解散・生謝罪」の裏で、どのような思惑があったのかを暴露ではなく、ここで世に残しておかなければ自分は脚本家を引退はしてはいけないのだと、ある覚悟を持って出したノンフィクションだと受け取った。タクヤと表記されたあの人への見方が大きく変わった、そしてイイジママネージャーの決断力の凄さと、生謝罪の際には蚊帳の外だった(だろう)悔しさが染み出す一冊だった。
空のかなた
2024/04/03 12:20

あのバケモノ視聴率を維持してきた月曜夜のバラエティ番組で「”生放送”でメンバーが解散報道に対して冒頭にコメントする」と決めた後、「放送1時間前に、強烈な指示、いや、指令が下りてきたのだ。この一文を入れることでどうなるのかは、簡単に想像出来た。(中略しその指令は絶対だった)」のシーンは読みながら悔しくて仕方がなかった。双方に異なる正義があった、とあるが、全てを飲み込んでそのコメントを引き取った「ツヨシ」の存在に、言葉をなくす。

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空のかなた
Amazonジャパンが配送を委託する個人事業主AmazonFlexのドライバーが労組を設立、荷量と配送先はAIのアルゴリズムを通じ指示される。与えられた荷量をこなすには食事や休憩、トイレの時間さえない。しかしノルマをこなす程AIによる荷量が増える。その上配送ミスや遅延が続くとアカウントが停止され、次回から仕事が回ってこないが、その基準は開示されず、ドライバーのプレッシャーは想像を超えるという職場風土に驚く。しかしAmazonは労働者には該当しないので団体交渉、労災適用には応じないと言う。AI対ヒト。
空のかなた
2024/04/01 16:52

日本生産性本部理事長の前田和敬氏のコメント。幅広い関係者の利害が絡む中、合意形成を図るには「自分のためにやらない」、それは虚栄心や功名心は改革の害悪にしかならいから。また改革を成し遂げるには「捨て石となる覚悟」で臨むこと。一番基礎となるのは「私個人を信頼してもらうこと」にあると。理解が追い付かないのは、時間をかけてネットワークとインテリジェンスと企画力を築き、適切に組み合わせていく「編集力」が必要だったという下り。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/10/04(2407日経過)
記録初日
2017/04/02(2592日経過)
読んだ本
1766冊(1日平均0.68冊)
読んだページ
405172ページ(1日平均156ページ)
感想・レビュー
1596件(投稿率90.4%)
本棚
14棚
性別
職業
事務系
自己紹介

集団でワイワイ過ごすよりも、独りで街を歩いて周りをみたり、美容院や入浴でおもいっきりリラックスすることが、自分に必要な時間なんだなと、最近切に感じています。
悩み事は、これ以上積読本を増やしてどうするのかと自問自答。
それでも書店に寄ってしまい、呼ばれている本を購入してしまうことの繰り返し。
1冊が終わってから次の書籍を手に取るというより、様々なジャンルを並行しながら読んでいます。入浴の友、眠る前用、移動の際のサクッと読める用、ビジネス・心理学関連の好きな分野などなど。
小学生のときはギリシャ神話や空想の物語(ナルニア国等)にどっぷりはまりました。本なしの人生は、たぶん自分には想像できないと思っています。

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