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2025年1月の読書メーターまとめ

shikada
読んだ本
8
読んだページ
2370ページ
感想・レビュー
8
ナイス
205ナイス

2025年1月に読んだ本
8

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

shikada
大学などの研究機関に属さず己が決めたテーマの研究や論文執筆を行う「在野研究」について、当事者たちの事例を集めた1冊。「週末学者」とも。本業があるので収入面の不安がなく好きな研究ができる、本業と研究領域が重なる場合はミクロな理解が深まるなどといったメリットがある一方、研究者としての所属・肩書がない、資料集めに私費を投じる必要がある、大学図書館などを使えずまとまった文献調査が難しいなどのデメリットがある。言葉を選ばず言えば「物好き」の一言なんだけど、研究せずにいられないテーマの研究に時間を費やすのは幸せそう。
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2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

shikada

2024年の読書メーター 読んだ本の数:60冊 読んだページ数:16991ページ ナイス数:1609ナイス ★去年に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/796595/summary/yearly

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2025年1月の感想・レビュー一覧
8

shikada
求人を出す会社にインタビューを行い、そのインタビュー記事を求人ページにするユニークな求人サイト「日本仕事百貨」のバックボーンを綴った一冊。「用意した質問だけを聞かない」「読み手(求職者)を徹底的に想像する」「文章はペアで確認する」あたりは聞き書きをするときの心構えとしてとても参考になった。本書にもインタビューがいくつか載っていて、本文の聞き手の言葉が入る行間がちょうどよく、会話のタイミングをつかみやすく作られていた。「聞く」ことで話し手側も用意していなかった言葉がするりと出るのが醍醐味なのではと思った。
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shikada
大学などの研究機関に属さず己が決めたテーマの研究や論文執筆を行う「在野研究」について、当事者たちの事例を集めた1冊。「週末学者」とも。本業があるので収入面の不安がなく好きな研究ができる、本業と研究領域が重なる場合はミクロな理解が深まるなどといったメリットがある一方、研究者としての所属・肩書がない、資料集めに私費を投じる必要がある、大学図書館などを使えずまとまった文献調査が難しいなどのデメリットがある。言葉を選ばず言えば「物好き」の一言なんだけど、研究せずにいられないテーマの研究に時間を費やすのは幸せそう。
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shikada
本の印刷所を舞台にした小説。印刷所のお仕事の詳細は知らないことが多く、読んでいて楽しかった。映画のエンドロールで流れるのと同じように、本を作るのにはたくさんの人が携わっていることに気づかせてくれる1冊だった。作中に、本は印刷所じゃなく「自分が作った」とのたまう作家が出てくるんだけれど、それはものづくりを軽視した傲慢なんじゃないかと思った。
shikada
2025/01/25 19:16

作品内の印刷所では校正やDTPまでやっているので、若干出版社の機能も受け持っている印象があった。

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shikada
高騰を続ける都市部の住宅事情を整理して、将来的な姿とあるべき政策を解説する1冊。再開発によるタワマンの増加、投資マネーの流入、都市化による開発余地の減少などにより、もはや都内には庶民の手が届く住宅が残っていない。空室はあるが、それは高価すぎるか、駅から遠いボロ物件が多い。いっぽうで団塊世代が亡くなる2030~40年ころには相続で大量の空き家が出る見込みであり、その空き家を活かさずにタワマンばかり量産するのは、人口減少もあいまって廃墟化する空き家を増やし街を殺す悪手である…との説。
shikada
2025/01/17 19:55

・タワマンを立てれば人口が増えるから税収増…という考えは必ずしも成り立たない。ファミリー層が増えると小学校の教室が不足したり、上水道などインフラの整備に支出を割く必要がある。 ・マンションは区分所有の問題があるので、大規模改修のハードルが高い。耐震基準を満たさないマンションの改修は自治体でも推奨して補助金や税軽減などの制度を作っているが、まだまだ改修が進んでいないのが現状。

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shikada
アフガニスタン紛争で両足を失った作家による、義肢や障害についてのエッセイ集。著者は「障害(disabled)」という呼称に違和感を持つが、常人の能力を超えたニュアンスを持つ「サイボーグ」も違う、そこで体重の約12%が機械である自身を「ハイブリッド・ヒューマン」と自認する。足を失うのはショッキングな出来事だが、著者はリハビリで義肢に少しずつ慣れ、仕事や家庭を持てることに幸運を感じる。一方で健常者からのヘイトを受け、奇妙なフォルムをした自身の足を「恥」「怪物」と感じる。
shikada
2025/01/12 11:07

著者は自身を「金継ぎ」になぞらえる。「容器は壊れても捨てられない。破損はその品の歴史の一部になり、修繕に使われた時間と美が、その品の価値に加わる。瑕と不完全さは受け入れられ、液体の線によって黄金になる。……私は障害を得たとき、ゴミ捨て場に捨てられたりしなかった。金繕いの器のように、リメイクされた。修繕の過程とそれに私がかけた時間が、自分の人生に意義を感じる理由に加わった。私は瑕と不完全さを受け入れ、頼りにした医療テクノロジーが調合した金色の修繕の線を受け入れた」

shikada
2025/01/12 11:08

「私は映画によくある、主人公の過去が明らかになるシーンを思い出す。彼はシャツを脱ぐか、もしくはシャワーを終えて出てくる。すると恋の相手ははじめて彼の醜い背中を目にし、メイクアップアーティストによって作られた見事な、斜めに走 った傷の隆起に指を這わせる。主人公の性的魅力はなぜか増して、ふたりの関係は深まる。私はこれが大嫌いだった。爆弾は人をセクシーにはしない」

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shikada
「本をつくって本を売る」をテーマに、多様な出版社や書店、ブックフェアを取り上げる一冊。自分がまだ知らないおもしろい書店や出版社が世の中にはたくさんある…。いっぽうで、こういう情報をありがたっている自分は本にまつわるオタクと言えて「なタ書」さんの語るように「本が好きな人向けのコンテンツばかり作ってはいけない」というメッセージも刺さった。古本からでも著者に還元できる「カルチペイ」の仕組み、すごく面白いと思った。
shikada
2025/01/09 20:02

なタ書さんのインタビューから… 「長くお店を続けてきて、本屋は街にとってどんな存在だと思いますか?」 「まあそういう質問自体が、本屋を特別視している感じで正直嫌なんですよ。実は僕、本屋特集なんてもういいだろうって思ってるんですよ。そういう特集をしている時点で完全にニッチな層に、支持を訴えかけているだけだと思うんですよ。必要以上に、本屋を意味づけているように感じるし、全く無駄だと思うんですよ。だってスーバーをこういう感じで、取り上げたりしないじゃない。…ビールが入って熱くなってしまって、すみません」

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shikada
ありとあらゆる制作物のタイポグラフィの歴史と理論がまとまった一冊。「ブックデザイン」の節の谷崎潤一郎の説が興味深かった。いわく、(縦書きの)日本語は上から下に読み下すから、洋書のように縦長の判型の本は行が長くなりすぎて読みにくい。だから横長の判型にして行を短くすべきだ、とのこと。この理屈だと、2段組、3段組の本は読みやすさを多少なりとも担保しようとした構成だと言える。
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shikada
貧困の当事者を取材してきた著者が高次脳機能障害に陥ったことを契機に、貧困の当事者が抱える苦しさを見つめ直す1冊。いわく彼らは意図してサボったり甘えたりしている(自己責任)のではない。ワーキングメモリが少なく3桁の数字を覚えていられない、少しの仕事で極度に脳が疲れて何もできなくなってしまう、「なぜできないのか」の説明ができない、借金の振り込みをしたり、役所の申請書を読んで必要事項を書いたりする手続き系がまったくできないなど…著者と取材対象者しかエビデンスがないとのことだが、強いリアリティがあった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/10/08(2691日経過)
記録初日
2017/10/08(2691日経過)
読んだ本
829冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
230063ページ(1日平均85ページ)
感想・レビュー
824件(投稿率99.4%)
本棚
5棚
血液型
A型
職業
技術系
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/genmaitea
自己紹介

同じ本でも、読む人のバックグラウンドによって感想がまったく違うのが面白くて読書メーターを利用しています。北村薫の「小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度であることへの抗議からだと思います」という言葉におおいに共感して読書をつづけています。読書会へ参加する楽しさを覚えたこの頃。

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