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2023年10月の読書メーターまとめ

たこい☆きよし
読んだ本
16
読んだページ
3084ページ
感想・レビュー
16
ナイス
95ナイス

2023年10月に読んだ本
16

2023年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

たこい☆きよし
あとがきでも言われる通り作家が自分のモチーフを手を変え品を変え語り続けるものだとすると、村上春樹のそれはやはり初期3部作と短編「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて」なのだろう。大学時代はその四つが自分にとっての村上春樹そのものだった。だから『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は3部作の語り直しと読めて、自分にとっての村上春樹は一度そこで区切りがついていた。今回はそのすべてが語り直されている。第一部の後を書き続けざるを得なかったのはかの短編のラストとの対応ではあろう。
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2023年10月にナイスが最も多かったつぶやき

たこい☆きよし

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2023年10月の感想・レビュー一覧
16

たこい☆きよし
物語の収束に向かって、それなりに凝った帝国の超科学vs超能力者の頭脳戦。このあたりもよくアイデアの引き出しがまだあるな、と思わせる。カットバックで描かれる時代よりはるか昔のラフノール創成期から、銀河帝国興亡を経て、次世代へ。歴史の流れを感じさせつつ、物語は幼なじみの微笑ましい関係で収まるのが心地よい。とはいえ、ご先祖様たちの時代とはだいぶ役割が流転しているのも面白い。まさかアレの子孫が…ねえ…(笑)。
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たこい☆きよし
ラフノールの乱の後始末で司祭長として送り込まれたロックとド・ラージュの約束が皇帝の暗躍で反故に…。まあ、こういう権謀術数を帝国時代やってきたら、その後は農家で隠遁したくなるのもむべなるかな…。とはいえ、行者の試練の会話劇とかが味わい深い。『超人ロック』の面白さは超能力描写の要素とは別に、設定した世界の有り様、そこで生きるキャラクターたち、その関係性、作中でも言われる「普通の人々」の営みを描くところにある、と言えるかもしれない。
たこい☆きよし
引き続き、年代を跨いで語られる物語。改めて、銀河帝国時代はロックが政治の表舞台/裏舞台含めもっとも東奔西走していたのが、このところロックの存在が忘れられた年代の話ばかり読んでいたので懐かしくもあり新鮮でもある。あと、幼なじみの成長物語でもあるところが本作の特徴か。微笑ましく読める。しかしコマーシャルソングを敢えてオーケストラで勇壮に歌わせて話題を取る、って、『ファイアーエムブレム』か(笑)!?
たこい☆きよし
銀河帝国が伝説となっている時代にネオ・ラフノール改めフレンダールを舞台に細々と受け継がれる行者の修行、ラフノールの生態系の遺伝資源の維持、複雑なカットバックで汎銀河戦争時のラフノール滅亡や銀河帝国時代に司祭長として赴任したロックの歴史が語られる。
たこい☆きよし
無難に社会生活をこなし、個人の生活をこなしていると、変化はない。人間関係に変化が起こる時、得てして予期もしなかったようなことが起こったり、自分でも予期しなかったような行動を起こしたり、そういうことがきっかけになることがある。そういうのがうまく織り込まれているなあ、と感じる。続きが気になりすぎる(笑)。
たこい☆きよし
普通に会社生活をしている人たちが私生活で感じるあれこれ。この登場人物たちのようなきっかけの有無にかかわらず、「あの時ああしておいてよかった」/「あの時ああしていれば、もしや…」というような共感を読者がそれぞれに感じるのではないか? 前巻でのゲーマー青年の逃亡の理由が(ここ数年旬の話題にも絡んで)また切ない。
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たこい☆きよし
器用な登場人物は一人もいないし、本人の抱えているものは本人にしかわからない。それでも、意外なきっかけが意外な人間関係の変化を生むこともある。友人的な関係にしてもそれ以上の関係にしても、ひょんなことで変わることもある。そういうあたりがナチュラルに描かれていて、好感が持てる。
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たこい☆きよし
チャレンジングな表紙で気になっていたけど、電子書籍のセールになっていたのを機会に。なるほど、これは性別問わずあるある。いろいろ無難にこなしているけど、これだけは、というこの三十代心理はいつか通った道だ…。因みに、自分はこのワードは中学の頃に読んだ筒井康隆の七瀬シリーズで知ったけど、他であまり目にしたことがない。今の若い読者にはどのくらい知られていたのだろうか?
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たこい☆きよし
シリーズ2冊目。実在の人物をからめつつ、ちょっとした怪異と事件をミステリ手法とプチ伝奇風味で解決していく。一見ひと続きに思える怪異が実は…という構造がなかなかうまい。あと、ヒロイン含め子どもたちの描き方がよくて、ラストはちょっとジンときた。続刊にも期待しよう。
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たこい☆きよし
どうぶつたちの暮らすまちの様子がある朝から変わった。あふれる水の水位は始めこそ長靴レベルだったものが、どんどん上がっていって…。この世界では解決策がちゃんとあって、みんなが力を合わせれば解決したが、現実世界では解決策も力を合わせることすらむつかしい。そして、このどうぶつたちの世界でも、おそらく取り返しのつかなかった被害は出ていた(そして誰もそれを気にしていない)。絵本らしいかあいらしさ、楽しい仕掛けもありつつ、読後感橋本みつるなかなか苦い。
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たこい☆きよし
タイトルはピヒュッティと読み、カナダのイヌイットにつけてもらった著者のイヌイットネーム、雪の中を歩いて旅する男の意味、とのこと。20年以上北極を旅する著者の見る風景や感じたことを絵本で表現。なかなか味わいがある。あとがきで著者の語るイヌイットの生命循環の考え形と科学の見方での物質循環が溶け合うような死生観が印象的。
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たこい☆きよし
点描と彩色で3種の蝶がイモムシから成虫になるまでの変態の過程をつぶさに描いた科学絵本。リアルと絵本らしさが両立した好著。
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たこい☆きよし
PARCO出版から出ていたテーマエッセイアンソロジーの文庫化。文庫化で数編追加されている。青空文庫で読んでいた夢野久作「ビール会社征伐」が追加されているのが愉しい。アレはサクラビールの工場とかかな?
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たこい☆きよし
あとがきでも言われる通り作家が自分のモチーフを手を変え品を変え語り続けるものだとすると、村上春樹のそれはやはり初期3部作と短編「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて」なのだろう。大学時代はその四つが自分にとっての村上春樹そのものだった。だから『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は3部作の語り直しと読めて、自分にとっての村上春樹は一度そこで区切りがついていた。今回はそのすべてが語り直されている。第一部の後を書き続けざるを得なかったのはかの短編のラストとの対応ではあろう。
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たこい☆きよし
いわゆる陰謀論にハマりやすい人たち(教科書的なことを否定する言説に飛びつく、反ポリコレそのものが目的化しているので正論は受け付けない、など)との対峙の仕方は911以降繰り返し議論となってきているが、そこにアカデミズムからどう向き合うべきかを考えさせられる一冊。また、同様の言説が自国の歴史修正主義にもあり、それを推進する側は、ここに取り上げられたようなことを意図してやっているようにも思えることを考えると、暗澹たる気持ちにもなる。
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たこい☆きよし
これまで岸本佐知子エッセイが危険物であるとこの場でも力説してきたが、これもまた危険物か劇物か(笑)。と、思ってラストに収録されていた岸本佐知子との交換日記を読んでみたら、やっぱりあっちの方がさらに危険物だった(笑)。そんな要素だけでなく、そこはかとない昭和のにおいがよい味わいになっているエッセイ集。とはいえ、2017年に亡くなられているとは。とはいえ、下手な悼みの言葉はこの著者には無用であろう。いかにも交換日記っぽいノートな装丁もよい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/12/09(2587日経過)
記録初日
2015/01/01(3660日経過)
読んだ本
1810冊(1日平均0.49冊)
読んだページ
334083ページ(1日平均91ページ)
感想・レビュー
1810件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
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