最初はこの観察考察記録だけで本一冊書けるか？と懐疑的でしたが、だんだん描写がエスカレートしていき、若干のホラー感があっておもしろく読めました。一方で、「わたし」のここまでの執着は一体何によるものなのか、単なる好奇心がここまで成長する？と最後まで不思議な小説でした。

最初はこの観察考察記録だけで本一冊書けるか？と懐疑的でしたが、だんだん描写がエスカレートしていき、若干のホラー感があっておもしろく読めました。一方で、「わたし」のここまでの執着は一体何によるものなのか、単なる好奇心がここまで成長する？と最後まで不思議な小説でした。

すごく重い一冊でした。言わないで、それ以上言わないで、と思いながらも先を読んで、自分のなかで無意識に受け入れていた「使命」みたいなものへの疑問が、しっかりかたちになって、心と体が別物になったみたいな気分。私の入れ物であるこの体は私の意思であり、私の意思でない。当事者すぎてしんどいこと。反出生主義を唱えてきた過去の人に、絶対に間違ってると確信しながら、なにも言えなかったことを思い出して、夢の中でまで刺された。読みながら町田康を思い出す瞬間があった