ここの部分で泣いてしまった。“先生は、これまでの経験から次のように励ました。「何十人ものホームシックとつきあってきたけど、それで学校を辞めた生徒は一人もいない。みんな、そのうち慣れて、あの気持ちはなんだったのかなっていう感じに必ずなっていくから大丈夫」。それに対して息子は、しばらく考えたのち「そうはなりたくありません」と言ったそうだ。今、自分は家に帰りたくて寂しくて辛いけど、この気持ちは自分にとってすごく大事なものだから忘れたくありません、という理屈らしい。 　やるじゃないか、息子。”

良い点。批評と考察の比較。萌えと推しの比較。ループと転生の比較。自己啓発と陰謀論の比較。やりがいと成長の比較。メディアとプラットフォームの比較。ヒエラルキーと界隈の比較。ググるとジピるの比較。自分らしさと生きにくさの比較。「報われポイント」がキーワード。ひろゆきの解釈の幅が広がったこと。引用“間違っているかもしれない個人的な感想よりも、作者のもっている正解を当てるゲームのほうが意味のあるものだと思えてしまう。”“自分の感情や欲望は抑圧しすぎないほうが、人生は楽しい。報われなくても。後悔が増えたとしても。”

“詩はいわゆる詩であってはいけない。人間の感情生活（もっと適当な言葉もあろうと思うが）の変化の厳密なる報告、正直なる日記でなければならぬ。したがって断片的でなければならぬ。――まとまりがあってはならぬ。” とても短いのでさっくり読める。石川啄木が何を考えて創作していたのかがわかった。

良い点。AIにできること・できないこと、人間にできること・できないことが整理されている。「俵万智さんの歌を学習したＡＩ」の項が面白い。引用“実際に読んだ本を列挙してみます。永田和宏『新版　作歌のヒント』、木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』、佐佐木幸綱監修『知識ゼロからの短歌入門』、東直子『短歌の不思議』、岡井隆『今はじめる人のための短歌入門』など。”まだ読んでない本を読んでみたい。僕はまだ歌集を読んだことがないから、文フリで買った『月が見えたらそこを右折だ』読もうと思う。

ここの部分で泣いてしまった。“先生は、これまでの経験から次のように励ました。「何十人ものホームシックとつきあってきたけど、それで学校を辞めた生徒は一人もいない。みんな、そのうち慣れて、あの気持ちはなんだったのかなっていう感じに必ずなっていくから大丈夫」。それに対して息子は、しばらく考えたのち「そうはなりたくありません」と言ったそうだ。今、自分は家に帰りたくて寂しくて辛いけど、この気持ちは自分にとってすごく大事なものだから忘れたくありません、という理屈らしい。 　やるじゃないか、息子。”

ロンドン留学後、東京帝国大学の第一高等学校を兼任。前任のハーン（小泉八雲）は人気で学生から反発を受ける。養父母、妻の父、兄姉が金をせびりにくる。日露戦争勃発。高浜虚子「文章でも書いて見たならば、少しは気が紛れるだろう」。それから約11年で名著を残しまくる。僕は未読が多く、作風の違いに驚いた。

良かった。トニ→私の感情描写が特に。