やっぱり成瀬はいいな。本人になんのたくらみもないのが本当にいい。成瀬は成瀬であるだけで、関わった人たちがそれぞれ少し幸せになるなんて、最高。ひとつひとつの短編ももちろん楽しめるのだけれど、最後の『探さないでください』は連作短編集を読む喜びを存分に満喫できた。

おもしろいスタイル。読み終えて、いろいろなことを回収したくなって最初から読み直そうとしたけどちょっと長くて途中で断念

一編目の表題作を読みながら、自分が完全に中高年になってしまったことを思い知らされました。20年若かったらすごいの読んだ！って興奮して友達と熱く語ったかもしれないけど、今の年齢では少し離れたところから眺める読書になってしまった。 逆に最後の『万引きの国』は高校生の恋の話なのにわかるー！ってなって、不思議。

んー。川上未映子さんの作品を読んでいて、集中力がたびたび途切れてしまったのは初めてかも。

プロローグが読みづらくてどうしようかと思ったけど、本編に入ったらあとは一気。善とか悪とか正義とか、ひとりひとりの人生を知るほどに法律や理屈では割り切れないものがあることをあらためて考えさせられました。

読みながら混乱することが喜びになるという…。やっぱり大好きです。スランプのくだりは実感が込められすぎ！