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2021年12月の読書メーターまとめ

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読んだ本
10
読んだページ
2595ページ
感想・レビュー
10
ナイス
32ナイス

2021年12月に読んだ本
10

2021年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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今なら帯に「転生したら若い自分の肉体でした」と書かれるだろう。乾くるみを読むきっかけとなった「リピート」や、その他たくさんのフィクションの元ネタになった1986年の作品。当時日本の車や電化製品が米国を席巻した記述があり、隔世の感。物語はそこからさらに25年程を遡り1963年からの出来事が描かれるが、ここ何年かの映画や読書である程度の詳細が分かるものも多く今読んで良かったと思った。最初は人生のやり直しができると浮かれていた主人公が次第に苦さを知って真の幸福に目覚めていく描写が秀逸で、生きる意味にも迫る良作。
が「ナイス!」と言っています。

2021年12月の感想・レビュー一覧
10

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初出が主に1970年代なので「ポーの一族」が世に出た頃の絵柄に程近く、懐かしい。絵物語だけではなく短編小説もあり、一つ一つにしっかりとした世界が描かれている。ちょっとばかりブラッドベリの「10月はたそがれの国」を想起させる。「地球よいとこ一度はおいで」では北海道の夏が書かれているが、今でも野になっている「グスベリ」を取って食べる子ども達はいるのだろうか。酸っぱくて瑞々しい味を思い出す。この話の主人公の「なな」ちゃんはマンガ家のささやななえさんがモデルなんでしょう。萩尾さんが遊びに行ってしばらく滞在したとか
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男性との対談も噛み合うようになってきたのは萩尾作品が多くの男性ファンを獲得する事が少女マンガが市民権を得る事に繋がったためか。巖谷國士の章は特に読み応えがある。でも女が読んで納得できるのは今は亡き氷室冴子との対談。彼女の「少女小説」は萩尾作品の主役の少年達に対して「男の子はいいよな(中略)。現実の女の子は人生の主役にもなれなくて、物語の主役にもなれない」と思った事がきっかけだったとか。その後「トーマの心臓」を聖書を引き合いに解説を始めさすがと思った。萩尾が知らないまま同じ事を書くから「聖書は凄い」のだと
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終始噛み合わないのが吉本隆明との対談。投げかけてくる質問が観念的過ぎて読んでる側にも分からない。型にはめようとしてるが、第一候補のAが違うと思ったら即座にそれを捨てB、Cと繰り出してくる引き出しの多さは凄いと思った。野田秀樹との対談はフィールドは違えど芸術家として同じ感性を持つ者とのラブコールの応酬みたいで楽しい。光瀬龍や川又千秋といったSF作家とSF話で盛り上がりつつもジェンダーギャップがあるのが感じられる。萩尾が『11人いる』を少女雑誌に描いてそれが受けたのは少女達がSF好きだったからに他ならないのに
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今は亡き巨匠達との対談。70年代ではまだまだ女性は結婚して家に入るという意識が強く、萩尾先生もお年頃だったとみえやたらと水を向けられている。さらにその以前は「女はSFを読まない」と言われていたそうだ。まあその思想は今でもしっかり残っていて映画の宣伝部が勝手に「女性向け」と「男性向け」と作品を分けているそうだが。男は自分がつまらんと思うものを女性向けにカテゴライズして後は鼻も引っかけないという態度がこの本からも透けてくる。萩尾作品で初めて少女マンガを面白いと思ってもてはやすが、それ以前の作品に興味はないのだ
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今なら帯に「転生したら若い自分の肉体でした」と書かれるだろう。乾くるみを読むきっかけとなった「リピート」や、その他たくさんのフィクションの元ネタになった1986年の作品。当時日本の車や電化製品が米国を席巻した記述があり、隔世の感。物語はそこからさらに25年程を遡り1963年からの出来事が描かれるが、ここ何年かの映画や読書である程度の詳細が分かるものも多く今読んで良かったと思った。最初は人生のやり直しができると浮かれていた主人公が次第に苦さを知って真の幸福に目覚めていく描写が秀逸で、生きる意味にも迫る良作。
が「ナイス!」と言っています。
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直前に読んだ本に単純化されたイラストで紹介されていた建築のかなりの数を写真で見ることができて嬉しい。「これはあれだ!」とちゃんと分かるのがすごい。
が「ナイス!」と言っています。
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ポーランド発の建築絵本だそうで、初心者にはピッタリ!石、レンガ、コンクリート、ガラスと素材を、次に家、塔と高層ビル、橋、アーチ、ドームと建築物を歴史に沿って紹介してくれるので分かりやすい。最後の方では集中的建築(対称軸が特徴)としてストーンヘンジが紹介され、次がバシリカ。これらは宗教的要素を含み大勢の人々が集合できる建築物ということで、人類の文化の象徴なのかもしれない。写真ではなく単純化されたイラストでそれぞれが紹介されているのだが、一目でそれと分かる線で構成された物が多いので記憶にも役立つかもしれない。
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詳しい説明のないまま「二十五三昧講」等の単語が出てくるのでこれまで読んでた本が役に立った。韓ドラに出てくる「地獄の十王」が唐代9~10世紀に道教思想との集合による偽経『十王経』に基づく事、さらにそれを元に日本で平安最末期に『地蔵十王経』という十王それぞれに本地仏を配した偽経が成立。地獄絵はその内容を事細かく描いた物で、僧による絵解き前提。古い絵なので拡大図が有り難い。CG修復して欲しい。巻末に立山、恐山、熊野那智とかつて「あの世」とされた地域のカラー写真があり、そこが異界とされてきた理由がよく分かった。
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直前に読んだ「日本人の死生観」に一カ所だけ「牛頭天王」に関する記述があったが、その前に読んだ同様の本には全然なかった。本書によると明治の廃仏毀釈・神仏分離のせいで存在を消されたらしい。各地に残る神社にその名残を求めて旅する著者の紀行文が混じっているのがちょっととりとめない感じ。とはいえ神社の名前にそれぞれ由来があることさえ知らなかった私にはいい勉強になった。素戔嗚神社は近くにもあるが、そんないわれがあるとは全く知らなかった。かつての神々の物語が時代と共に変わっていくのも面白い。しかしよく調べたものだと感心
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直前に読んだ「死者の救済史」で克明に分析されていた事象がここでは観念的に紹介されている。読みやすく、分かりやすいが内容がちょっと古いな……と思ったら原本は30年程昔だった。本書にある”「教団があって教理があって教祖があるといいう西洋由来の宗教イメージ”は"日本宗教には本来不要”というくだりに膝を打つ。子どもの頃から不思議だった死者について語る言葉「草葉の陰から見ててくれる」「お盆に祖霊が帰ってくる」「天国に行った」等々、それぞれ矛盾したまま平然と使っている日本人の神経がどこから来てるのか何となく分かった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/01/21(2532日経過)
記録初日
2018/01/05(2548日経過)
読んだ本
619冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
191438ページ(1日平均75ページ)
感想・レビュー
611件(投稿率98.7%)
本棚
77棚
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