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2024年11月の読書メーターまとめ

芙蓉葵
読んだ本
17
読んだページ
4891ページ
感想・レビュー
17
ナイス
48ナイス

2024年11月に読んだ本
17

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

芙蓉葵
ネタバレ登場人物の印象、視点がどんどんと変わっていきワクワクする読み応えのミステリー小説。解説に犯人が最初にあり、加えてヤバいやつをたくさん出そうと書かれている通り、登場人物は表裏のある曲者揃い。登場人物は主人公の目を通しての描写となるので、そのフィルターを通した上で、お近づきになりたくないキャラの描写はとても上手かった。人の描写の仕方によって印象の変わる作品だと「6人の嘘つきな大学生」があるが、そこまで濃厚な部分はなく、ともすると突然に感じる部分もあった。読後感は卑屈な主人公が殻を破ったようで清々しく感じた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
17

芙蓉葵
ネタバレ引き込まれるような話だった。特に表題作は圧巻の出来だった。不治の感染症に罹った男女の愛を描きながら、対比する二つの世界をいくつも表現していた。幸せな過去と病気の現在、健常者と隔離施設、満月と新月、生と死。そして主人公が彫刻を使い作り出した新しい世界が死後の世界と混ざり合う。作中では死の直前に見る幻覚の可能性に触れているが、新しい世界を創造した主人公にとっては世界が完結していることで永遠を手に出来たので結果として幸福だったのではないかと感じた。読後に自失するほど作品に感情を込められ、とても良かった。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
ネタバレ下巻は別れの話だと思った。作中でスプートニクとソーネチカか結婚したことでソーネチカは日常の存在に変わったと感じた。残る運命であるユーリヤが下巻の主題だった。メッセージの後、スプートニクは何度も挫折しながら自分の人生の全てを使ってユーリヤへと辿り着く。再会を果たし語り合ったところでスプートニクの旅はようやくゴールできたのだと感じた。そして長い冒険を終えてスプートニクは日常へ帰る。主人公視点が目的外のことに無関心なため淡々とした印象を受けるが、自分の芯を持っているため違和感なく読めた。とても満足な作品だった。
芙蓉葵
ネタバレ一本気な主人公ががむしゃらに走って目的を失ってしまう話が上巻のみでの感想だ。主人公のスプートニクは作中で2度も運命的な出会いを果たす。1度目は幼馴染でありスプートニクに人生の道を示したユーリヤ、2度目は月で産まれたソーネチカ。運命の通りにスプートニクは脇目も振らず月を目指した。2度目ではスプートニクがソーネチカにとってのユーリヤになるべきだったのに自分から衛星、スプートニクの役割に留まったと感じた。だから目的を見失っう結果となった。下巻では主人公がどうやって新たな目的を定めて駆け抜けるのかに期待が高まる。
芙蓉葵
ハリスおばさんの痛快な珍道中の第2作目。第1作目の「パリへ行く」はおばさんと友人たちの友情の物語だったが、今作のおばさんはヘンリー少年の保護者であり理解者として登場しているように感じた。もちろん前作で育んだ友誼や今作でも人好きする性格から多くの友人をおばさんは得ていくが、今作で最も大きかったのはヘンリーへの親愛だったように感じる。人を信じる心をおばさんが持っているからこそ、作中では心に傷を負う事になったのだが、そんなおばさんの心根を知っている周囲は是非助けたいと思うのだと感じた。
芙蓉葵
学校生活で起きる時間を解決する学園ミステリー。表紙の感じから軽い感じのミステリーかと思ったが、しっかりと読み応えのあるストーリーでいい意味で期待を超えた作品だった。謎解きのシーンで探偵役の女性キャラが滔々とセリフを繋げるので小説としては盛り上がりに欠けるのかなとも思ったが、情景を想像すると相手に納得させるために語りかけているのかなとも思い、結果的に作品のリズムになっていると思った。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
ネタバレ読んで純粋に面白かったと思った。冒頭から作中での犯人と思われる人物が判明しており、その語りに合わせるように過去の出来事が描写されている。主人公の女性はとにかくSNSが第一で人に見てもらいたいという思考が強いキャラクターであり、また仲間を信頼しバンドの成功に邁進する2つの面がある。作中ではこの女性の視点で物語が進むので他のキャラは良い面が強く見えるように描かれている。主人公が多重人格であるということを作中通して2つの軸を示して表現しているのかなと感じた。綺麗にまとまっていて読み味も良く読んで良かったと思う。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
2050年までに日本が目指すカーボンニュートラルとはどのようなものなのか具体的に分かりやすく解説している。前半に目的と取組に触れ、内容の大半は発電方式のメリットデメリットや蓄電施設などの周辺施設、カーボンニュートラルの関連資源、日本のエネルギー消費の現状と課題、技術推進と経済の話など多岐に渡っている。広範な分野の記述があるため図解と合わせて読めば、カーボンニュートラルの現在をおおよそ知ることができると思う。とりあえず読破すれば関連ニュースで理解できない部分は減るのではないかと感じた。
芙蓉葵
叱る叱られるの関係性を叱る側の心理に注目して、その娯楽性と依存について述べた本。昨今のSNSで見られる「正義」に燃える人々の心理にも似た叱るという権威を解消し、より良い成長に繋げていく方法を論じている。作中の大半はいかに叱るという行為が害悪なのか、いかに依存しやすいのかを繰り返し語っている。最後の章でではどうすればよいのかが書かれている。冷静になって考えれば当たり前のことかもしれないが、それが自然にできるようにするために、心理描写や方策を巧みに言語化して紹介している本。参考になった。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
生物を動物に限定せずに、その進化の歩みを確認しその要因を理解しようとする本。タイトルに感覚とつけられているが、作中で重視されるのは感覚を利用した探索行動である。探索行動は生きるための試行錯誤、自分の種を次に伝えるための生物ができる主体行動として定義され、その結果として生物は細菌・古細菌の時代から木の枝が複雑に絡まるように樹状分岐してきたと述べている。本の中ではヤマタノオロチと例えている生物の8系統を発生から確認し、探索行動と樹状分岐の階層を論じている。ダーウィニズムとは異なる進化論で読み応えがあった。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
ネタバレ登場人物の印象、視点がどんどんと変わっていきワクワクする読み応えのミステリー小説。解説に犯人が最初にあり、加えてヤバいやつをたくさん出そうと書かれている通り、登場人物は表裏のある曲者揃い。登場人物は主人公の目を通しての描写となるので、そのフィルターを通した上で、お近づきになりたくないキャラの描写はとても上手かった。人の描写の仕方によって印象の変わる作品だと「6人の嘘つきな大学生」があるが、そこまで濃厚な部分はなく、ともすると突然に感じる部分もあった。読後感は卑屈な主人公が殻を破ったようで清々しく感じた。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
この本はうんこで読み解く古生物学の本である。うんこは排泄物なので汚いものと扱われているが、病院の検査などでは生活習慣や体内の様子などを知ることができる重要な手がかりとなっている。そんなうんこが化石として残されているとすれば姿形も曖昧な古代の生物たちの生態や住環境、気候を知る大きな手掛かりになるというのがこの本の内容である。古代の生き物というと恐竜が思い浮かぶがこの本ではさらに古いカンブリア期の生物から扱っており、食べたものをうんこにする機能のおかげで地球の歴史をも知ることができるのだなと感心した。
芙蓉葵
猫の毛色に焦点を当てた本。猫の可愛さに読んでみたが中身は硬派な遺伝形質の解説が書かれていた。普段目にする猫の千差万別の毛色も遺伝子の組み合わせによるもので、その上で偶然の配置が起きていると知ることができた。もよう図鑑というタイトルだったが、読んだ結果として毛色は遺伝子から予測が立てられるが模様は1匹ごとに違う楽しみがあると知れた。遺伝の法則の分かりやすい例示としても優れた本であると思う。作中で取り上げられている猫はとても可愛い。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
タイトルから貨幣についての本だと思ったが、中身は価値についての話だった。人生を幸福に送るためにお金とどのように付き合っていくのか、ということが繰り返し語られている。本の半ばでお金稼ぎを人生の目的とするのではなく、自分と他者を幸せにする道具としてお金を使おうという主張が出てくるが、これが作者の言いたいことの全てではないかと感じた。貨幣の価値は物理的な交換手段、信頼の媒介物、人間関係の繋がりと変わっていったが、それらを幸せに繋げることこそこれからの人類が考えなければならないことではないかと感じた。
芙蓉葵
ワイルド系グルメエッセイ集といった趣の本。著者の若い時の旅の思い出と現地で出会ったグルメの感想を独特な視点で描いている。1話が短いのでテンポよく楽しい気分になれた。世界の食文化の最後に日本に帰ってくる構成となっているが、日本で食べたのはワニという常食できない肉のオンパレードで味を想像しながら読むとお腹がどんどん減ってくるようだった。読み終えた今、とにかく肉を食べたい気持ちが高まっている。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
短編集なので1話1話が読みやすく、しっかりまとまっていた。探偵がメイド、事件現場がメイド喫茶という限定された条件で4種類の殺人事件を扱っている。短編なので、視点人物である「ぼっちー」以外のキャラクターはキッパリとした性格、設定で描かれている。なので情報を絞って読むことができ混乱することはなかった。裏を返すとキャラの一面性だけを見ているので人物として不自然な点もあった。しかしメイド喫茶のメイドさんは非日常の存在なのでそれもいいのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
テレビで大人気のタレント、珍獣ハンターイモトの日常エッセイというのに惹かれ読んでみた。内容としてはタレントデビューからのこれまでをイモトならではのユーモアを交えて書いてあるエッセイだった。テレビでのイモトの活躍の軌跡を知っているからか普通とかけ離れた印象があったが、この作品のイモトは等身大の人間として存在しており、その認識のギャップも面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
芙蓉葵
共同労働について新聞で見たため、読んでみた。内容は4章に分かれ、歴史・関連法制定の経緯と内容・実際の取り組み・これからの展望。第1章で共同労働の始まりは戦後の失業者対策だという歴史を知ることができ、過去の積み重ねはいろいろな影響を受けながら今まで繋がっているのだなと思った。第2章も歴史の積み重ねを知っているからこそ法律の内容に説得力があるのだと思う。ただ3章以降は内容にまとまりが少なく、事例を列挙しているように感じた。また文章から事業に対するロマンチシズムを感じ、浮ついた雰囲気があった。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/03/01(2494日経過)
記録初日
2018/03/29(2466日経過)
読んだ本
874冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
202465ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
111件(投稿率12.7%)
本棚
2棚
年齢
29歳
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