「かっこよくて、かしこくて、すばやいのがじまん」の知的なオス猫”わたし”は、飼い主の男の子を”下僕”と呼ぶ。上から目線で下僕を見守る様子は、猫っぽい。犬だと成立しないだろう。だけど、その目線は愛にあふれていて、最後はやっぱり泣きそうになったけど、なんとかこらえた。動物を飼うってことは、動物との間にそれぞれの物語があって最後が来る。つらいけど沢山の愛情を与えてくれるものなのだな～とつくづく思う。

４０歳過ぎて車の免許をとった戸倉は、友人や同僚とともに遠出をする。行った先での出来事はあまり書かれておらず、主にドライブ中の出来事や考え事などが描かれていく。＊病気の琴美によりそう須崎、草津の女に会いに行く永嶺、琴美への気持ちに気づく主人公。。。長嶋有さんが描く男心が好き。

盗作疑惑から始まって、歌が下手なアイドルグループのプロデュース、唯一無二の声を持つ逸材のデビュー作プロデュース等々、業界の様子が垣間見れて面白かった。アーティストが表現したいことと売れるものが違うとき、どう折り合いをつけるか？　窪井拓斗や海野リカコの音楽に対する真っ直ぐさが良かった。「音楽やめるくらいなら、音楽やめるよ」は難解だったけど。　＊あとは、円周率の数字の中に音楽が隠れているというのは面白かった。＊作者の他の音楽系作品も読んでみたいと思った。

「かっこよくて、かしこくて、すばやいのがじまん」の知的なオス猫”わたし”は、飼い主の男の子を”下僕”と呼ぶ。上から目線で下僕を見守る様子は、猫っぽい。犬だと成立しないだろう。だけど、その目線は愛にあふれていて、最後はやっぱり泣きそうになったけど、なんとかこらえた。動物を飼うってことは、動物との間にそれぞれの物語があって最後が来る。つらいけど沢山の愛情を与えてくれるものなのだな～とつくづく思う。

54字ですぐ読めるけれども意味を考えるのに時間がかかるものもあり、想像力ととんち力？を使う感じ。＊表紙の物語が一番はっとさせられたかも。あとは、どんなところも通り抜けられるようになった人の『意外な落とし穴』、バレンタインのキュンとする話かと思いきや…の『チョコを渡すお仕事』、金星人につかまって明日の朝には解放されると安堵したものの金星の明日は…の『金星時間』が印象に残った。