ネタバレ書道経験者なら読了した途端に筆を執りたくなるだろうし、授業でやった程度の私ですら子供の習字道具を借りようかと思ったほど、艶めくような筆の運びが想像できた。文字を通じて向き合う二人の関係や、教室に通う子供たちの様子も好ましい。遠田の正体は伏線が分かりやすかったから想像通りなところはあったけれど、すいすいと読みやすい作品でした。表紙のオブジェも何なのかよく分からないけど、いい。

ネタバレ文藝賞受賞作。青春時代の絶望とか葛藤とか衝動とかをごちゃ混ぜにしたような作品で、中高生の息子を持つ母としては色々と思うところもあり、なかなか複雑な気持ちになりました。程度の差はあれ誰でも通る道なのかも。最後に出会ったキャンプに向かう女性二人組のほうが怖かったわ。

ネタバレ内容も知らず話題の小説だと思って予約したんだけど、望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す本でした。まず冒頭で驚いたのは「シスジェンダーで異性愛者の性的関係を維持する人たちのための展開」だと「おことわり」があったこと。どんな人が対象になってる本なのかを明示しないといけないなんて大変な世の中になったものだ。「中絶の議論の出発点」を考え直すという論点は当たり前のようでいてはっとさせられた。この本を手に取るような意識の高い男性に取っては当然のことなんだろうけど、改めて考えてみる機会になった。

ネタバレ何で知って予約したのかも忘れていたので読み始めてから実話で驚いた。この沈没事故（事件？）は記憶にないけれど当時の様子や東日本大震災の混乱も十分に伝わってきていたたまれない気持ちになる。作中で結論は出ていないし今後も真相が明かされることはないかもしれないが、調査を通して注目し続けることで風化や繰り返しへの抑止力になるんだろう。

ネタバレ書道経験者なら読了した途端に筆を執りたくなるだろうし、授業でやった程度の私ですら子供の習字道具を借りようかと思ったほど、艶めくような筆の運びが想像できた。文字を通じて向き合う二人の関係や、教室に通う子供たちの様子も好ましい。遠田の正体は伏線が分かりやすかったから想像通りなところはあったけれど、すいすいと読みやすい作品でした。表紙のオブジェも何なのかよく分からないけど、いい。

ネタバレ2023本屋大賞8位。とっても面白かった！まだ1位が未読だけど2位の『ラブカー』より好きでした。全5話で1話（数年）進むたびにヒロイン宙の人間関係が変化。時折涙しながら宙の成長を見守らせてもらった。最後は遠宮もどこかに居そうな気がして、暖かい気持ちで読了。「寂しいとか、怖いとか哀しいとか、大人は感じないんだと思ってた」「ママに対して『母親』の期待もしないー『家族』としてできる限りの努力をしよう」「無条件で、愛してくれた。この人は自分を決して見限らないという確信は、自分自身をどんなことからも守ってくれる」