ラストの締めは唐突に感じるが、しかしこれはもはや門二郎ではなく富次郎の物語だからこれで良いのだ。語り手が心配になるほど、語られる話に没頭し、その景色を絵にしたいと望む。ここで自分の気持ちを知った富次郎が、次の巻の最初で動き出すはず。
感想に「いいね」が貰えると嬉しいのに、自分は「いいね」をつけるのを忘れがちなので、習慣化したい…
このシリーズはライフワークとのこと。なら現実を写したかのような作品は今後も続くだろうし、その中で登場人物たちも生きていく。今回は富次郎にとって大きな転換点となる巻だ。従妹のおちかは無事に子を生み、兄は家に戻り本格的に後継ぎの準備を始めた。富次郎は自分の将来をどうすべきか悩み、一度は筆を捨てようとするが、最後の最後に描きたい思いが溢れて泣き出してしまう。今後どうしていくのか、宮部さんが富次郎にどんな道を示すのか、はやく次巻を読みたい。
ラストの締めは唐突に感じるが、しかしこれはもはや門二郎ではなく富次郎の物語だからこれで良いのだ。語り手が心配になるほど、語られる話に没頭し、その景色を絵にしたいと望む。ここで自分の気持ちを知った富次郎が、次の巻の最初で動き出すはず。
与謝野晶子から瀬戸内寂聴までの3人は恋愛と性愛のエネルギーが凄まじくて、もはや別次元の存在。宇野千代は着物の本しか見たことなかったので、こういう人だとは知らなかったわ…。
ところで、被害者と同じくらいメグレが考えるのが部下?のロニョンのこと。陰鬱で、妻のせいで家に帰りたくなくて、仕事の功績を上げたいけど上手くやれない…と思い込んでいて暴走する。メグレは彼の仕事を評価している。でも本人は卑屈ゆえそのことに気づかない。その不運や「ままならさ」が、ラストで被害者にも重ねられ…あまりにも小さなことで、あっけなく彼女は死んだことが判明する。彼女の死はメグレに言わせれば運命の皮肉で、たぶん彼はロニョンにも同じことを思ってるのだろう。でも、もし彼女が死ななかったら…どうなったんだろうか。
といい、また最後には「身の上話ばかりしていたような気がするけど、令和の日本では自分の話をすることが最も不足してるのかもしれない」と。これはこの本で最も頷けるポイントで、日本は自分で考えたことや感じたことを外に出すことはあまり歓迎されない社会だと思っている。作者は男子校時代のコミュニケーションはプレゼンだったと言うが、最近なら推しに関する語りもその類だろう。オタクの友達から推しについて話を聞くのは、別に良いんだけど一方通行だなと感じていたのは、あれもプレゼンだったからかも。ただ…私は話すのが苦手だ…。
「あなたの話を聞かせて」は本当に良い言葉だ。最初にそう思ったのは萩尾望都『メッシュ』で、ミロンが「いい言葉だな。『話を聞きたい』…」と言っているシーン。彼の母が「人の言葉に心をひらいて耳をかたむけてよくお聞き…」とよく言っていたらしい。いいな、本当に。
総務の人です。パソコン作業をずっとやってて、本を読もうにも集中できず、目が疲れてて辛いのが悩み。
読んだ結果、いまいちでも感想書きます。(だからポジティブな感想だけではないです)
最近はSF。 昔からミステリはよく読んだ。時代小説も(捕り物とか)好き。 面白いファンタジーが読みたいなあ。
怪談や心霊も好きだけど、ホラーよりミステリ寄りの方が好き。
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このシリーズはライフワークとのこと。なら現実を写したかのような作品は今後も続くだろうし、その中で登場人物たちも生きていく。今回は富次郎にとって大きな転換点となる巻だ。従妹のおちかは無事に子を生み、兄は家に戻り本格的に後継ぎの準備を始めた。富次郎は自分の将来をどうすべきか悩み、一度は筆を捨てようとするが、最後の最後に描きたい思いが溢れて泣き出してしまう。今後どうしていくのか、宮部さんが富次郎にどんな道を示すのか、はやく次巻を読みたい。