ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2024年2月初版。東京地裁判事の高円寺円のお話。祖母静は著名な女性判事。訴訟案件も増え判事の仕事量は許容範囲超えている。日本政府の思惑で東京地裁に「法神」という裁判官個々の判例をデータベース落とし込みアルゴリズムに変換するという中国開発のＡＩの導入を検討を東京地裁に。資料集め、書類・判決文の作成、打合せに追われる同僚達には躊躇したものの評判はとてもいい。18歳の戸塚久志が飲んだくれの父を殺した事件が起こる。尊属殺人であり退官前の上司檜葉はＡＩにも頼り死刑の判決を下そうとするが…よかった

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2014年6月初版。神守幹次郎シリーズの第21弾。遺文とは「吉原五箇条遺文」で明暦2年以来鎌倉の建長寺に二代目庄司甚右衛門から託された書。これをめぐって「未決」以来の黒幕御広敷番之頭古坂玄堪と幹次郎と吉原会所頭取の四郎兵衛が鎌倉で激突。幹次郎の剣と四郎兵衛の知恵で乗り越える。灯女と幹次郎の引越の直後、四郎兵衛も傷が癒えたものの、極秘で二人は江戸から初鰹の押送り舟で半日で鎌倉へ、古坂玄壇が吉原を牛耳ろうとしたものの部下の御広敷番を囲む鎌倉の僧兵の迫力、幹次郎の剣で最後は正義が勝つ。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2014年4月初版。神守幹次郎シリーズの第20弾。南町奉行所廻り同心桑平市松という信頼できる同志と活躍。女髪結のおきちが怪しい商売をしている須崎屋の船問屋と船宿に拐かされる。吉原会所が探索し救い出す。吉原会所の七代目頭目の四郎兵衛も誘拐される。黒幕は更に闇だが、常陸屋久六と側用人市場護三郎は駆逐される。幹次郎と灯女は柘榴の木がある一軒家に引越することになる。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2024年4月初版。歴史学者の本郷さんと宗教学者の島田さんの対話で鎌倉仏教のミカタを追求している。鎌倉時代以降の仏教が「庶民」に対してどうだったか…。法然、親鸞、一遍、栄西、道元、日蓮の個々についても分析している。更に最初期の仏教、奈良・平安と鎌倉仏教の比較もしている。仏教の戒律、肉食妻帯、イベント化した念仏踊、最先端技術としての仏教、葬式の発明とか分かりやすかった。日蓮が蒙古襲来を予想し英雄になり、創価学会誕生に繋がったというのもびっくり。武士のブランド化が禅。江戸時代の寺請制度が鍵。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2022年12月初版。著者の本は地面師に続く2冊目。葛西敬之は1940年生の明石市出身。国鉄改革３人組で1987年の分割民営化でJR東海でのぞみ号の導入、品川駅の開業等辣腕を振るう。その後、安倍、菅、岸田の政権に影響をおよぼすまさに国家事業に食い込む国商である。国鉄時代の国労の解体、革マル派との密着と決別、JRのトップ人事とライバル、NHK等のメディアの支配、検察警察組織との深いパイプ等が語られている。JR東海が開発しているリニアモーターカーの夢のために権力を手放さず2022年死去。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2016年3月初版。「具体と抽象」の次に読んでみた。善⇔悪・悲観⇔楽観・賛成⇔反対・同じ⇔違う　等　反対語と反射的に何も考えずに答える。著者はそこには物理的・知的・心理的な3つの非対称性があり錯覚が生じ無理の構造があると可視化。時間の不可逆性には社会の劣化、具体化・細分化、上流下流の法則。折り曲げの法則で対極は紙一重であること。コミュニケーション・言葉の幻想と公平、対等　全体像、経験則、啓蒙という幻想。人から慰められたり、先生の叱咤激励の言葉も理不尽として可視化されるとトホホ😭

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️2001年7月初版。京都の鴨川、桂川等の古代、中世、近代、現代について歴史は勿論、文化、芸能、経済についても語られている。京の川の最初の橋は宇治川の橋で蝦夷征伐のために作られたとか。今橋を渡ってもガラッと文化が変わるというということはなく、道路の延長上で数分で通り抜ける。古代は川を隔てて違う文化圏があったり、橋の建設には有力寺の勧進の様子、いわゆる無法地帯の河原での芸能もとても興味深い。古代から幾度も経験した水害と治水事業、晒し首や骸の遺棄とか苦しい歴史もあったとのこと。奥深い。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2024年5月初版。警視庁捜査一課の犬養隼人シリーズの第6弾。ドクター・デスの模倣犯JKギルドが積極的安楽死を引き継ぐ。ALSの難病を抱えた高千穂明日の母、かつての大女優の岸真理恵、膵臓がんを患った作家伊智山の3件の安楽死で世間を騒がせる。国会での法整備も政争の種になり進まず、医療行為か嘱託殺人かと問われる中、犬養はJKギルドの正体を探す。犬養はドクター・デスこと収監中の雛森めぐみを利用してJKギルドの膳所をおびき出すが、ここで大どんでん返し。雛森国外逃亡を企てた直前で阻止。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️2024年4月初版。心臓疾患で余命10年と宣告された次女佳美の父筒井宣政と母日出子、姉奈美、妹寿美のお話。宣政は会社の借金と治療費を打開すべく、アフリカの女性の髪をくくる塩ビのゴムヒモを売りさばくなどアイデアマン。更に娘を救うために日本のトップクラスの研究者や大学病院を訪ね歩き、人工心臓の開発にも取り組む。素人と相手にされないながらも様々な出会いがあり、開発していくが資金が枯渇。そんな中日本人の体型に合ったカテーテルの開発事業化し多くの命を救う。佳美は23歳で昇天。是非映画もみたい。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2023年9月初版。2020年2月23日のコロナウイルス感染症対策専門家会議から2023年4月19日の約1100日の尾身茂さんの手記。首相も3人、厚労相、経済対策大臣、表にはでない厚労省の役人の中で矢面に立ってしまった著者の言い分が冷静に書かれている。WHOでの実績を買われてリーダーになり、政府と専門家の調整に苦労されていた。新しいウイルスのパンデミック流行下での模索、必死に説明されていた記憶があり、読み進めていくとあのときの心中が伝わってくる。日本国民を見捨てずにいてくれて感謝。♥♥♥

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2024年2月初版。東京地裁判事の高円寺円のお話。祖母静は著名な女性判事。訴訟案件も増え判事の仕事量は許容範囲超えている。日本政府の思惑で東京地裁に「法神」という裁判官個々の判例をデータベース落とし込みアルゴリズムに変換するという中国開発のＡＩの導入を検討を東京地裁に。資料集め、書類・判決文の作成、打合せに追われる同僚達には躊躇したものの評判はとてもいい。18歳の戸塚久志が飲んだくれの父を殺した事件が起こる。尊属殺人であり退官前の上司檜葉はＡＩにも頼り死刑の判決を下そうとするが…よかった

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2020年5月初版。日見坂署の女副署長の田添杏美シリーズの第1弾。頭脳明晰で独身、短髪で薄化粧、美人ではないが垂れ目のおばちゃんとのこと。台風が近づき緊急体制をとるかどうか慌ただしい署内に地域課警部補の鈴木係長の死体が発見される。署内の防犯カメラにも人の出入りも限られていて、犯人は署内に留まっている。男くさい刑事部長の花野から素人と言われる副署長のやりとり、留置所の女との情事、金の借り貸しやゆすり、署長夫人や娘の関わり等が描かれている。増水中の川から少年が救われてよかった。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2021年3月初版。幕末の鉄砲同心でまだ家督相続していない礫丈一郎のお話。鉄砲百人組の伊賀組である礫家はまだ父の徳右衛門が隠居せず矍鑠としているものの、副業としてつつじを栽培し糊口を凌いでいる。異国船が迫ってくる中、鉄砲組はほぼ用無し、花火やつつじの肥料にもなる焔硝の争奪騒ぎが起こる。丈一郎は鉄砲よりつつじ栽培が好きで交配による新品種の育成にも力を入れ、恒例の百人組組屋敷のつつじでも評判を呼ぶ。幕末、父、息子の行く末、伯父と父の確執等、日常の江戸の市井の武士としての営みが描かれている。

ネタバレ⭐️⭐️⭐️⭐️♥2024年1月初版。塩梅屋シリーズの第46弾。今回は麹と謎に包まれた稲穂屋敷のお話。麹屋というのは種麹を扱い今でも酒、味噌、醤油等を扱う店は取引をしている。稲穂屋敷は家康の嫡男で殺されたはずの松平信康にまつわる屋敷で幕府はアンタッチャブルな領域で閉じられた所。信長餅はライスケークの事で米、卵、砂糖、小麦粉、牛酪などで、季蔵は菓子屋の嘉助に指南を受けながら屋敷の主の命で作らせてた。老舗酒問屋上千屋の不幸により娘のお嵯峨が稲穂屋敷に上がり、麹屋は忍びでもある。インコの活躍等不思議お話。