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2024年10月の読書メーターまとめ

choku70
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4318ページ
感想・レビュー
16
ナイス
78ナイス

2024年10月に読んだ本
16

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

choku70
ネタバレ本にまつわる物語を集めた短編集。本がキーになる物語がたっぷり読めるだけでも幸せ。◆個人的には、ネパールでアイルランドで、売っても売っても私の前にあらわれる本。自分の知らぬうちに本棚に入っていた不幸の種だと思ってた古い文庫本。ブローティガン「東京日記」に捧ぐみたいな一編、あたりが好き。◆出てくる本、一冊一冊に出会ってみたい!と思ったけど、なかなかわからないように書いてあって、きっと果たせなさそうという思い。◆「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」◆
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
16

choku70
ネタバレ店頭でぱらりとめくって衝動買い。ちょっと粒子が粗くて暗めの写真とみっちりつまった文字に。作家の「俺」にとどいた、昔、行き来のあった女性からの、お前の秘密を録音したテープを持っている的な手紙。電車に飛び乗って、指定した住所までかけつけるが。ロードムービーかと思いきや、南進というほどの移動もなく、ただなぜそこに呼んだ、そう称したという建物とかかわり、不思議な「あがぺえ♡はうす」で書き始めた小説と「俺」の話がクロスしていき。疾走感と焦燥感に追い立てられるような読み心地の一編だった。
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choku70
ネタバレ古い教科書的理解では「レコンキスタ」といえば、イベリア半島のキリスト教徒が、イスラム教徒に奪われた領土を何百年もかけて再征服。研究が進んで、そんな単純なものではなく、キリスト教徒側も、イスラム教徒側も一枚岩ではなく、同じ信仰を持つ勢力と対立するために、異なる信仰を持つ勢力と連携することも辞さず。文化、経済的にも交流があり、両信仰の境目、辺境地帯では否応なく両勢力の攻勢にさらされ、その度にどちらかに従うか、別の地への移住を余儀なくされた、と。単純化できないというのは確かに、と。あとナスル朝好きには熱い。
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choku70
ネタバレ何か後ろめたい人生を断ち切るかのようにイスタンブルにやってきて、ヤームルさんちに転がり込んだ灯。居場所も苗字も分からず、古い写真だけで行方知れずの父を探す灯。ヤームルさんのあたたかさに触れて和みかけるが、ヤームルのビジネスパートナーから受けたど直球の差別案件。「親日」ってなんなの?日本人だから好きって言われるよりお前だから好きって言われる方が良くない?には納得。一度は逃げたしてまた戻ってきた灯。ヤームルさんの懐の深さにふれてたびたび涙が止まらない灯。さてこれからのイスタンブル暮らしはどうなっていくのかな。
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choku70
ネタバレもう毎回おかしい。メガネ踏んだごめん略して「ゴメガネ」って言って屁をかけてくる妹はヤダな…。なぜか眼鏡屋に集結してしまった星、小林、中村の三先生と古森兄。先生と保護者で飯食いに行って話題ないからって、動物園で生まれたキリンの赤ちゃんの名前考えましょうって笑。夏休みに登校してきた星先生、小林先生、小林甥の掛け合い漫才みたいなやりとりも好き。そこに星先生大好きな鳥井さんと巻き込まれた古森さんまで加わりカオス!なんだよサイゼ大学って。などなど、お腹捩れるくらい、笑いました。
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ネタバレ生き残るのはどちらか、覚悟を決めたヒュッレムとイブラヒム。あのボスポラスの一夜に後悔はなかった、とお互いに確かめ合ったあとで。父が誰であろうと自分の息子をスルタンに、と奔るヒュッレム。オスマン家の血統を途絶えさすべきではないとするイブラヒム。決着は歴史が知っているが、その死因については、そう解釈してきたか、と。何も問わぬスレイマンの全てを見透かした感。それでもヒュッレムは選ばれ…その最期まで。イスタンブルが変わらず黄金に輝く姿に余韻。
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ネタバレ能力って幻?環境に左右される?能力主義って?能力を測るって?人材開発業が提供してきたキラーコンテンツとキラーフレーズとは?みたいな話が目白押しで、今年から教育、育成に関わる身には目からウロコ、興味津々。「能力」が個人に帰せられるもので、身体能力のような確固としたものであれば、環境、組織が変わるだけで評価がジェットコースターのように変化するわけがない、環境、組織に左右される、というところは納得。ただ、解決方法に銀の弾丸はない。"個々の社員の持ち味を知って、誰となにをどのようにやるか、そこを泥臭く調整"と。
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choku70
ネタバレ世界中から集めてきた超短編小説集。◆ボルヘス(今と少し先と死期の迫った自分が同時に存在)とガルシア=マルケス(歯医者の男がこれから痛む歯を抜こうとする村長に「私たちの仲間を二十人死なせた報いだね」の冷たさ)は、いまでもありありと思い出せるぐらい秀逸。◆カフェの机に片耳を上にして、次はもう片耳を上にして、耳かきをしてあげた恋人。今は無関係になったことと、奥さんに耳かきしてもらうんだろうと想像して、すごく悲しくなってしまった「恋人の耳」(袁瓊瓊)あたりも好きでした。
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ネタバレ昨冬に行った「明和電機ナンセンスマシーン展in札幌」(芸術の森)で感銘を受けたのを思い出しながら購入。パチモクのver.1-4までの変遷で、部品が故障、失笑、とかNYの電圧強すぎて故障…とか一点物のメンテナンスの大変さの記述は、芸術の森のライブでもライブ中にパソコンがフリーズして復旧に四苦八苦しつつ、トークでつないだところを思い出した。「金魚のフン」は金を飲んで排泄物として出し、それを大学の和式便器のトイレでラジオペンチで取り出すみたいな苦労話も(よく思いついたな&コンセプトは説得力があるよなないよな)。
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ネタバレ三島由紀夫とのエピソードが、みたいなことをちらっと書かれてて衝動買い。瀬戸内寂聴、美輪明宏、双方の三島由紀夫との出会い、交友、三島最期の年の話など、読みどころたっぷり。ふたりからすると、最初から最後まで、疑うことを知らない少年の心、魂のきれいな、お坊ちゃんで、愛すべき人みたいなスタンスで、たしかにこの二人にかかったら三島も形無し…けど深く愛されていたんだな、というのは伝わってくる。三島夫妻の方向音痴ドライブのエピソードは抱腹絶倒。「反貞女大学」読みたくなってきた。◆霊の話とかは正直あまり目にはいってこず。
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ネタバレ本にまつわる物語を集めた短編集。本がキーになる物語がたっぷり読めるだけでも幸せ。◆個人的には、ネパールでアイルランドで、売っても売っても私の前にあらわれる本。自分の知らぬうちに本棚に入っていた不幸の種だと思ってた古い文庫本。ブローティガン「東京日記」に捧ぐみたいな一編、あたりが好き。◆出てくる本、一冊一冊に出会ってみたい!と思ったけど、なかなかわからないように書いてあって、きっと果たせなさそうという思い。◆「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」◆
が「ナイス!」と言っています。
choku70
ネタバレ第二次世界大戦、決死の低空での偵察飛行任務についてるが、意義が見いだせず、死ぬ可能性が高い任務に、最後近くの何章かでさかれる思索が、意味付けをあたえたと感じた。その思索の中で語られた「人が死ぬことができるのは唯一、それなしでは自分が生きられないもののためだけだ。」は、サン=テグジュペリにとっては誇り高き操縦士として飛行機に乗り続けることだったのかな。また、個としての人間のためでなく、もっと広い、人類全体といったいみでの<<人間>>のために行動するべき、という思想がベースにあるんだな、と感じることができた。
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choku70
ネタバレ私たちは実は、考えずに書いている。「昼」の時間は社会の常識にとらわれた、本当の自分を押し殺した言葉を使っている。しかし「夜」の時間はそういったものがとっぱらわれた言葉があふれだし、それを書き留めているだけ。書きながら考えているとでもいったような。一読思ったのは、誰でも「夜」の時間さえつくれれば、言葉があふれでるのだろうか?また、どうやって「夜」の時間をつくればよいのか。意識的にできるのだろうか?と言った疑問。本来はそこまでふみこむはずだったのかな。「わたし」が偏在した文書が読みたいというのは同感。
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choku70
ネタバレちょうどその年代に一番ゲーセンに通ってた身としては、なつかしさを感じる。著者のゲーセンほどワンダーランドじゃなかったけれど。ストリートファイターⅡがようやく入った時の常連さんたちのワクワク具合がほほえましく。あわ吹いて倒れる中学生。頭から血をながしてゲーム機につっぷす客。ゲームセンターの隣のゲームセンターですとてんぱって通報する同僚。ゲームキーをクレーンゲームの中に置きっぱなしで扉を閉じちゃったミス(自腹でクレーンで取ろうとしても失敗)。などなど。クスリと笑えるエピソード満載でたのしかった。
choku70
ネタバレ◆人間と動物の違いは、複雑な言語体系をあやつれるかどうか。ローズはあやつれるし、他のゴリラも学習機会があれば学ぶことはできる。つまり彼らは人間だ、という論理。公民権運動の理念も援用。◆しかし、それを受け入れられない人も多数で、戦い疲れたローズはひとまずはジャングルへ帰り…と。◆最初から偏見なく友人として接してきたリリー・チョウとのダイアローグが一番好きかな◆ひるがえって、自分が同じ立場にたったとき、ローズを人間として受け入れられるのだろうか、という自問は続く◆「大型類人猿の権利宣言」、ふれてみたくなった。
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choku70
ネタバレ「風の歌を聴け」と「ノルウェイの森」の章が出色。「ホモソーシャル」「誤配」「小説に無駄な言葉はない」「書くべきことが隠されることによるテクストの神話化」といったキーワードやスタンスで読み解かれていく5つの物語。「風の歌を聴け」の小指のない女の子は、鼠の彼女で、僕と鼠と彼女の三角関係だった、とか、「ノルウェイの森」の"ワタナベトオルが自分の責任を果たすやり方は、キズキのもとに直子を届けること、直子を自殺させることだ。"とかそこだけ切り出すと突飛でも、テキストを丹念にたどった結果そのようにも読めるという魔法。
choku70
ネタバレ近年、「裏切りに裏切りを重ねた梟雄」「主家殺し、将軍殺し、大仏焼討ちという三悪を行なった大悪人」といった松永久秀像が、天野忠幸さんをはじめとした研究で、史学の分野ではぬりかえられているというのは目にしていて。それがどうとりこまれているのかな、というのも興味を感じたところ。それは見事に果たされていた。作者なりのやり方で。すべては民のため、民が政を執るという夢を、その夢を語った三好元長の三好家のため、甚助を含む野盗時代の仲間たちのためだった、と。久秀と細川高国の対話、久秀と又九郎の対話は読み応えがあった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/10/07(2238日経過)
記録初日
2023/11/05(383日経過)
読んだ本
100冊(1日平均0.26冊)
読んだページ
26326ページ(1日平均68ページ)
感想・レビュー
100件(投稿率100.0%)
本棚
1棚
性別
URL/ブログ
https://twitter.com/choku70
自己紹介

主戦場はブクログ。Id:chokusunaでやってます。読書メーターにはブクログからの抜粋をのせてます。◆札幌在住 。好きな読書会は「雨デモ晴レテモ」「agora book club」です◆カフェめぐり、本屋めぐり、オスマン帝国、トルコ共和国を愛して止まないです。好き→三浦しをん、高野秀行、北海の魔獣あざらしさん、田素弘「紛争でしたら八田まで」、ウォン・カーウァイ監督「恋する惑星」、「オネアミスの翼」。

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