読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

ネムル
読んだ本
17
読んだページ
6259ページ
感想・レビュー
10
ナイス
194ナイス

2024年10月に読んだ本
17

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ネムル
骨組みを残してタイトに仕上げた作品ということで、なるほど、着想から話の広げ方までミステリの創作法がつかめるような作りでもある。頑張れば読者にも真相を把握できるレベルの難度で、意外性もほどほどという穏当さではあるが、こうした無駄のない作りは安心できるものである。「命の恩」がバラバラへの解答としてとりわけ感心させられたが、しかし『満願』のように書き込むタイプの小説のがラストの効果は強いのでないのかと、そこはミステリの痛し痒し。「可燃物」は一番表題にしっくり来る作品ではあるが、さすがにこのオチはすぐわかるだろ
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

ネムル
20云年ぶりに再読。この長い時の間にチェーホフのあれと『スミルノ博士の日記』を読めるようになったのが、なんだか不思議な感じでもある。まあそれはさておき、どうしたって伏線のはりかた頑張っておるわい、ほうほう、てな感じの読み方にはなってしまうが。それでもよく出来てるなとは、あらためて感心した。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
現実の半歩向こうというか、やや既視感のある小ネタの複合されたディストピアではあるのだが、挿話の入れ方が抜群に上手くて読まされる。言葉(論理)が脱臼されることで世界が拡張される不思議、あるいは不穏さを堪能出来る。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
警察小説の型が出来上がる前のかなり歪な作品ではあるが(冒頭のメグレ警視の立ち位置からしてすごい変)、登場人物たちに粘りつくような捜査のなかから、その哀しみがじわじわと沁みてくる。青春の全能感とその挫折というなんか見飽きたような話ではあるが、チンケな人情話に堕さないメグレの距離の置き方と、薄暗い雰囲気の作り方が上手い。たしかにこれは、もっと追って読みたくもなる佳品だ。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
再読。やはり面白い。わりと序盤から出てくる謎を謎と思わせないまま、最後の犯人指摘へと繋げる工夫が巧みでよい。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
骨組みを残してタイトに仕上げた作品ということで、なるほど、着想から話の広げ方までミステリの創作法がつかめるような作りでもある。頑張れば読者にも真相を把握できるレベルの難度で、意外性もほどほどという穏当さではあるが、こうした無駄のない作りは安心できるものである。「命の恩」がバラバラへの解答としてとりわけ感心させられたが、しかし『満願』のように書き込むタイプの小説のがラストの効果は強いのでないのかと、そこはミステリの痛し痒し。「可燃物」は一番表題にしっくり来る作品ではあるが、さすがにこのオチはすぐわかるだろ
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
かつて瞠目させられた若島正をはじめ、既読の文章もちらほらあるが、やはり面白いアンソロジー。個々のエッセイ評論が数珠繋ぎになって、ミステリへの理解を深められる、にくい作り。チャンドラーをはじめとしたハードボイルド諸作の再考を促される中盤が、しかし春樹チャンドラー以後の転回は繁栄されておらず、まあ春樹の文章は載らんだろとも思うのだが。初読では丸谷才一にとりわけ感動させられた。そうだ、『深夜の散歩』も読み返そう。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
二十数年ぶりに再読。くっそ地味な佇まいに反して結構面白い。ワトスン役を任すにはあまりに困った狂言回しが、スタイルズの倍増しで帰ってきた。戦後間もない時期の素直な喜びか、なにがなんでもハッピーな物語を書いてやろうという、強い意思さえ感じもする。ミステリについてはというと結構な大技が中盤で繰り出される割に、最後の犯人当てがやや尻すぼまりになっているのが難か。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
金田一耕助、団地に現る! という意欲作にして大長編。因習と封建制を離れて新興の団地に来てみれば、多くの人物の思惑が交差しあって、なかなか奇ッ怪な作品に仕上がっている。横溝正史におけるポストモダン的というのかなんなのか嫌いじゃないが、中盤のだらけ具合が退屈ではある。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
映画は唾棄すべき愚作と断じたいところだが、別物感のある原作はというと、面白くはないという微温な感想にとどまる。視点人物にナチ高官の妻など女性人物がいないのはどうかな、とは映画の印象に引きずられているし、最後まで読み終えてみればエイミスの試みはわからなくもないが、それでもどうだろ。あとがきと解説は勉強にはなるが、こうした関心の狭い愚昧な人物(とゾンダーコマンド)を通した作品というだけで、いま読むに値するとは到底思えず。
が「ナイス!」と言っています。
ネムル
失踪というテーマに強い撞着をみせる、翻訳第四弾。アイスランドというあまりの辺境に対する自虐があるが、そうした場所においてなお共産化の波に無縁であったわけでなく、本作でもアイスランドの闇と道行きに粘り強く取り組んでいる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/12/01(5841日経過)
記録初日
2008/12/01(5841日経過)
読んだ本
3197冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
1073552ページ(1日平均183ページ)
感想・レビュー
2578件(投稿率80.6%)
本棚
7棚
性別
職業
ガテン系
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

ユーモア小説が好きです。

久生十蘭「予言」「蝶の絵」『魔都』
辻原登「ザーサイの甕」『闇の奥』『許されざる者』
津原泰水「延長コード」『バレエ・メカニック』『瑠璃玉の耳輪』
フリードリヒ・デュレンマット「故障」『約束』
ジェイムズ・エルロイ「マイ・マザーズ・キラー」『ホワイト・ジャズ』
G・K・チェスタトン『新ナポレオン奇譚』『木曜日だった男』(南條竹則訳)
ガブリエル・ガルシア・マルケス『コレラの時代の愛』『予告された殺人の記録』
多和田葉子「韋駄天どこまでも」『雲をつかむ話』
尾崎翠「こおろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」
丸谷才一『横しぐれ』『輝く日の宮』
筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』『旅のラゴス』
フローベール『ボヴァリー夫人』
マーク・トウェイン『ハックルベリイ・フィンの冒険』
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』(村上春樹訳)
ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』
ミハイル・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』
イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』
レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』
グスタフ・マイリンク『ゴーレム』
フラン・オブライエン『第三の警官』
フィリップ・K・ディック『暗闇のスキャナー』
シャーリィ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』
ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
ミルチャ・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』
パトリック・ジュースキント『香水』
イサク・ディネセン『アフリカの日々』
イスマイル・カダレ『死者の軍隊の将軍』
J・M・クッツェー『恥辱』
ダシール・ハメット『赤い収穫』
ジム・トンプスン『ポップ1280』
チャールズ・ウィルフォード『コックファイター』
チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』
アゴタ・クリストフ『悪童日記』
コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』
リチャード・フラナガン『奥のほそ道』
ジャック・ルーボー『麗しのオルタンス』
夏目漱石『明暗』
織田作之助『青春の逆説』
武田百合子『犬が星見た』
石牟礼道子『苦海浄土』
大江健三郎『万延元年のフットボール』
酒見賢一『後宮小説』
古川日出男『アラビアの夜の種族』
飛浩隆『グラン・ヴァカンス』
殊能将之『キマイラの新しい城』
奥泉光『モーダルな事象』
松浦寿輝『半島』
諏訪哲史『ロンバルディア遠景』
絲山秋子『薄情』
柴崎友香『わたしがいなかった街で』
エドガー・アラン・ポー「ヴァルドマール氏の死の真相」
サキ「アーリントン・ストリンガムの警句」
シャーロット・パーキンズ・ギルマン「黄色い壁紙」
フリオ・コルタサル「南部高速道路」
スチュアート・ダイベック「右翼手の死」
テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」
ジョー・R・ランズデール「ステッピン・アウト」
レイ・ヴクサヴィッチ「ふり」
ブライアン・エヴンソン「死の天使」
ミシェル・フーコー「汚辱に塗れた人々の生」
内田百間「山高帽子」
宮本常一「土佐源氏」
大坪砂男「天狗」
牧野信一「吊籠と月光と」
小島信夫「馬」
庄野潤三「静物」
須賀敦子「大聖堂まで」
山尾悠子「遠近法」
村田喜代子「白い山」
伊井直行「さして重要でない一日」
皆川博子「結ぶ」
菊地成孔「放蕩息子の帰還」

さくせいちゅう?

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう