綴喜郡と相楽郡、久世郡の神社の神宝を解説した書籍。立派なものが奉納されるような地域の主だった神社を確認できる。本の中で見えてくるのは信仰の絡み合いや分離、もろに神仏分離による変化のダメージを受けた土地であることが伺える。石清水八幡宮なんてその最たる例で元々は石清水八幡宮寺と呼ばれていたし仏教色の強い神社（兼寺）であったことが僧形神像などから見えてくる。また、井手町周辺に残る資料には御流神道と呼ばれる神仏習合色の強い神道の存在が見えてくる。ものとしては両部神道に近いようだ。

匠平さんが主に怪談バースリラーナイトで集めた怪談を載せた本。いろんな魅せ方をしているから読み飽きない。現代怪談のスタンダードなどこで聞いたかを示した後に聞いた内容が続くスタイルや、いわゆる平山メソッドと呼ばれるような取材時の様子を描写したスタイル、匠平さん自身の体験した私怪談などなどいろんな魅せ方書き方で書かれている。個人的には私怪談形式で書かれた邪魔をするなという怪談師のリアルを書いた話が一番好きだったかもしれない。

熱田神宮にあるフリーペーパーにこの本が授与所にて販売しているという記載があるもののインターネットで調べても出てこない幻の書、ちなみにフリーペーパーの記載通り授与所で買える。よくある歴史や境内のあれこれ、所蔵品などなどが載っており氷上姉御神社と元宮と熱田神宮の関係性が整理できて面白い。この本ならではの特徴として他の本に見られないような丁寧さを感じる。かなりこういった書籍でも境内にあるどれそれはこういう謂れがあるというような一つ一つのオブジェの歴史にまで触れることは少なく、歴史ばっかり詰めがちであるから珍しい