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2025年11月の読書メーターまとめ

Yasuko
読んだ本
12
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2980ページ
感想・レビュー
12
ナイス
129ナイス
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2025年11月に読んだ本
12

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Yasuko
いじめを受けて、中学校中退になったさやかは意を決して夜間中学に通うことにする。そこで外国人、中国遺留児など様々な事情から学ぶことができなかった、また字が読めない人々と出会う。字が読めず、それを恥とし人に悟られないよう生きていくのは薄氷を踏むようなものだろう(文盲というテーマでは「The Reader」が秀逸)。いじめが人に残す深い傷、学ぶことの意味、自分と境遇の違う他者への理解など考えさせられる。著者は夜間中学を詳しく取材され書かれていて真摯な向き合い方を感じる。夜間高校を扱った「宙をわたる教室」を想う。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
12

Yasuko
フェミニズムの歴史が俯瞰できる本。さすが上野千鶴子さん、これってどうなのかなと思ってた点がはっきり言語化されていて胸がすく思い。「人は弱者として生まれ、弱者として死んでいく。強者である期間は、人生の間で一時的にすぎない。弱者に強者になれと要求したり、強者に抵抗することを要求したりできるだろうか。だが差別されたり抑圧される理由はない。弱者が弱者のままで尊重されることを求めて当然だ。フェミニズムは、同じである権利を求めるものでなく、違っていても差別されない権利を求める思想と実践である。」という定義に深く納得。
が「ナイス!」と言っています。
Yasuko
前回英語版は最後の部分読了していなかったので今回終了。映画は今でも強く心に残っている。テーマもナチスドイツとその時代に生きたドイツ人の罪、文盲であることの恥など重いテーマを扱った小説だ。ハナが判事に法廷で尋ねた「あなただったらその状況でどうしたのか」という言葉が今でも突き刺さる。あの時代に生きたドイツ人は他に選択肢があったのだろうか。日本も戦時中お国の為と洗脳されて戦争に突っ走ってしまった。自分だったらどうしただろうと思ってしまう。またハナへの主人公の複雑な心情が切々と伝わってきて辛くなる。秀逸な作品。
Yasuko
「絵は友だち、美術館は友だちの家」という原田マハさんが18点の好きな絵やアートとそれを所有する日本国内の美術館を紹介するもの。自分があまり好きではないマグリットやダリ、これまで知らなかった小磯良平や白髪一雄など日本の画家、そして美術館について知れて楽しい。また全国に素敵な美術館があって、これからいろんな地方の美術館に行くのが楽しみになる。「受け止めてくれる人がいてはじめてアートはアートになりうる」に同感。
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Yasuko
広告代理店の部長が若年性アルツハイマーを患い記憶を失っていく過程と恐れ、混乱を描く。「頭からさらさらと砂がこぼれ落ちていくような記憶の崩壊」や「霧の中を手探りでおそるおそる歩いていくような感じ」、記憶を失っていく描写が本当にリアルで読んでいて心がザワザワした。父がアルツハイマー症だったこともあり現実感がある。読み進めるうちに自分も記憶を失っていくような幻想を抱いて怖いぐらいだ。記憶を失うということは、周りの人間との関係も失い(相手のことを忘れてしまう)、自分であることを失うことだという。自分も周りも辛い。
Shinobu Asakura Yamamoto
2025/11/29 14:41

韓国映画の『私の頭の中の消しゴム』は、相当昔に作られてますが、秀逸だなと改めて思います。

Yasuko
2025/12/01 12:22

『私の頭の中の消しゴム』のトレイラー見ました。涙無くして見れなさそう。。。 『Still Alice』では、Julianne Mooreが熱演で、今でも心に残る映画です。

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Yasuko
フリーランス、配偶者、子供なしの著者が、どうしたらキレイに(腐乱死体にならずに!)死ねるか、を調べ考えたことをユーモアを交えて綴った本。彼女の死生観や宗教観(一年に百回以上寺を訪れるほど仏像に詳しいにもかかわらず)がはっきりしていて痛快なほど。会社などの組織に所属し、結婚していることが前提として成り立つ社会の仕組みの中で、独り身の人が尊厳を持って生き、そして死ぬことの難しさを思う。結婚していても、死ぬ時は一人なので他人事ではない。昔読んだ千葉敦子さんの「よく死ぬことは、よく生きることだ」という言葉を思う。
Yasuko
2025/11/18 21:12

稲垣えみ子さんの『魂の退社』や上野千鶴子さんの『最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく』の論点に通じるものがある。

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Yasuko
友人から薦められた本。東京でグラフィックデザイナーの圭介は父が倒れたことをきっかけに、地元静岡に戻り嫌だったイチゴ農家の仕事をすることになる。父のイチゴのおいしさに目覚め、自分の生きる意味を見つける。イチゴはデリケートで難しく、農家の方の苦労が伝わってくる。これからは大切に感謝して食べたい。子供の時そのままおやつのように食べたトマト、スイスで農家の人にもいで分けてもらった梨、リンゴなど採れたての本当のおいしさを経験している自分は幸運だと思う。果物農家の難しさ、内情がわかって面白かった。
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Yasuko
これが漫画が元だったとは知らず、カルタの話なら面白いかなと思って手に取った。競技カルタにまつわる中学生のお話。
Yasuko
いじめを受けて、中学校中退になったさやかは意を決して夜間中学に通うことにする。そこで外国人、中国遺留児など様々な事情から学ぶことができなかった、また字が読めない人々と出会う。字が読めず、それを恥とし人に悟られないよう生きていくのは薄氷を踏むようなものだろう(文盲というテーマでは「The Reader」が秀逸)。いじめが人に残す深い傷、学ぶことの意味、自分と境遇の違う他者への理解など考えさせられる。著者は夜間中学を詳しく取材され書かれていて真摯な向き合い方を感じる。夜間高校を扱った「宙をわたる教室」を想う。
が「ナイス!」と言っています。
Yasuko
曽我兄弟や赤穂浪士とか仇討ち物は好きではない(復讐は基本的に悪のスパイラルと思っている)ので、最初読むのを躊躇したが、読んでみたら文句無しに面白かった!江戸時代、芝居小屋のある木挽町を舞台に起こった仇討ち。それぞれの過去を持ちながら芝居小屋に流ついた人々と彼らの物語に惹かれる。苦悩しながらも仇討ちせんとする若き菊之助を、慈しみ助けようとする人たちが魅力的で、彼らの菊之助への想いがあたたかい。異色のストーリー展開で読ませる小説で、作家さんの力量に唸らされる。永井さんの『秘仏の扉』もおすすめ。
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Yasuko
2014年にロンドンで実際に起きた占拠事件を基にした小説。ホームレスシェルターに住んでいたシングルマザーたちが自分たちの棲家を守るため立ち上がり、周りの人を動かし公営住宅を占拠した。人としての尊厳を守るための運動であり、それが否定されると人として生き辛い。社会的弱者が無視される社会の仕組みは厳しい。Gentrification(都市の高級化)は、私の住むスイス、チューリッヒでも起こっていて、街が小綺麗になって良いという単純なことではないと改めて認識した。
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Yasuko
この2、3年に続けて新版画の展覧会に行く機会があり、これまでに見た絵を振り返りたかったので図書館で借りた。川瀬巴水の抒情的な風景に心惹かれるし、また伊東深水の「対鏡」の真紅は特に印象的。千葉市美術館で以前見たエリザベス・キースの「藍と白」も大好きな作品だ。新版画の全貌や歴史を把握し、さまざまな作家の作品を見るのには格好の美術書。写真のクオリティも高く楽しめる。
が「ナイス!」と言っています。
Yasuko
明治時代に来日した「お雇い外国人」が、政治から文化まで幅広い分野で日本近代化にどのように貢献したか、またその歴史的影響を考察する。モースは生物学者ながら、大森の貝塚を発見し専門外の日本の考古学の基礎に寄与。哲学を教えるフェノロサも、日本美術に貢献した。日本のために真摯に務めた外国人がいるかたわら、日本を劣等とみなし侮蔑的な態度をとる外国人もいて、逆にそれが日本人を発奮させ自立する意欲を高めて近代化を早める結果にもなった、というのは興味深かった。1965年出版の本だが、テーマはいささかも古くない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/01/13(2541日経過)
記録初日
2016/12/01(3314日経過)
読んだ本
442冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
132273ページ(1日平均39ページ)
感想・レビュー
236件(投稿率53.4%)
本棚
3棚
自己紹介

好きなジャンルは史実に基づいた歴史小説で、関心のあるテーマはアート、浮世絵、歴史、建築など。好きな作家は、朝井まかて、高田郁、原田マハ(アート小説)、吉村昭など。最近ハマっているのが江戸時代後期で、シーボルトから始まって、間宮林蔵、伊能忠敬、大黒屋光太夫、ジョン万次郎などの歴史上の人物に関心あり。

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