ウエルベックが惨殺されてかわいそうだった。ウエルベックの作品にしてはセックスについての言及が少ない。というか女があんまり出てこない。絶世の美女オルガは出てくるが、終わってみればそんなに印象は残らない。芸術家の一生と、とばっちりで殺されるウエルベック、成功することの満足と虚しさ。人間が、文明が勝つことは決してないという暗い事実に励まされて、毎日を前向きに生きることができる。

こんなにうまくいくはずないという感覚は、読んでる俺だけじゃなく文章自体にもずーっと漂っていて、最後まで読めばその理由は分かるようになっている。 やはりウエルベック。構成はちょっと大雑把すぎる気もするが、しっかりどんよりできた。

ベルンハルト三作目の長編。長い間絶版だったが、４３年ぶりの新訳。内容はいつものベルンハルト。今回も楽しくアホらしく読んだ。ベルンハルトを読める幸せを噛み締めよう。シリアスな題材とシリアスな内容を過剰に徹底した間接話法でガッチリシュールに描く。僕たちはベルンハルトに振り回されたい。

ウエルベックが惨殺されてかわいそうだった。ウエルベックの作品にしてはセックスについての言及が少ない。というか女があんまり出てこない。絶世の美女オルガは出てくるが、終わってみればそんなに印象は残らない。芸術家の一生と、とばっちりで殺されるウエルベック、成功することの満足と虚しさ。人間が、文明が勝つことは決してないという暗い事実に励まされて、毎日を前向きに生きることができる。