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「戦争経験」の戦後史――語られた体験/証言/記憶 (シリーズ 戦争の経験を問う)

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ネタバレ戦争は体験の時代(1945年ー)、証言の時代(1965年ー)、記憶の時代(1990年ー)という変遷を辿ってきたと著者は解説する。戦争を巡る文脈も変わる。「証言の時代」には事実が共有できていないから、その認定や虚実を巡る論争が起きる。「記憶の時代」になればなおさらなこと。南京虐殺や沖縄の集団自決などの論争は今も続いている理由が垣間見えた。ただ、その論争の質は、ますます劣化しているようにも思える。ニーチェの「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」という言葉を改めて思い知りました。
0255文字
takao
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ふむ
0255文字
Pio
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「戦争体験」がどのように語られてきたか、体験→証言→記憶の3期に分けて述べられている。年代的には流行した戦記物のような「証言」の時期にもろにぶつかっているが、最近は「記憶」にと自分の興味が移って来ているのが、本書を読み進むうちにわかって面白かった。
0255文字
壱萬参仟縁
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戦争記述の3つの型。 ① 状況のなかで個の経験を語る兵士たちの手記=A型 ② 占領や戦闘の概要の報告=B型 ③ 小説という形式を用いる型=C型(60頁~)。 抑留の体験記は4つの型。 ① 親ソ型=α型 ② 反社会主義的反ソ型=β型 ③ 親社会主義的反ソ型=γ型 ④ イデオロギーへの忌避的ソ連批判型=δ型(101頁)。 戦記には書き換えがともなう(153頁)。 書き換えの4つの型。
壱萬参仟縁

① 既刊の戦記の叙述修正=α型  → 強調点をずらすのと、拡大するのとある。 ② あらたな文脈と認識の提示=β型  → 文脈を無化する方向と、批判的に書き換えるのとある(155頁)。 何のために書き残すか、というと、 次世代が現世代や前世代の過ちを二度と繰り返さないためであるはずだ。 次世代が勘違いしたり、誤解を招く書き方であれば、 類似の錯誤に陥る。

04/08 16:42
壱萬参仟縁

記憶の3つの局面(253頁~)。 ① 体験の時代から証言の時代へと推移するが、直接の語りに依拠しえない状況 ② 戦争経験が歴史化される直前のいま、排除された人の声に耳を傾ける姿勢 ③ 記憶が構成的となる。 戦争経験は戦争責任と対をなしてきた(271頁)。

04/08 16:42
0255文字
nob_de
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戦中から戦後の「戦争経験」を記憶史カテゴリーに当てはめて叙述されている。体験→証言→記憶、そして来るべき歴史化へと戦後の「戦争経験」が語られる。体験と経験の語用の差異に着目している点も重要。
0255文字
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