形式:文庫
出版社:講談社
形式:Kindle版
全体の構成が良く整理されて分かりやすく、この時代特有の挿話も充実、史料に語らせるスタイルも好感が持てる。戦国時代100年が日本史の中でどのような意義をもったのかを述べた「まとめ」も力作で、領主の成長と戦国大名の強権が相互補完的であることを主張するように思えた。呉座勇一『応仁の乱』が相互の人脈の細部を詳論したのに対し、本書には大きな社会的構造が常に意識されている。
、尼子経久の出雲制覇、斎藤道三の美濃奪取、そして畿内における明応の政変の四つを戦国時代開幕のきっかけとなる事件として挙げている。更に時代を三期に区分し、明応二年(明応の政変・早雲の伊豆討ち入り)〜天文十二年(鉄砲伝来)までを第一期、そこから永禄十一年(信長の入京)までを第二期、そして更に天正四年の信長の安土移転までを第三期とし、以後は安土桃山時代に移るとしている。戦国時代の区切りが一般的に言われる足利義昭追放の年でなく、安土移転なのは、一向一揆制圧や信長の右近衛大将就任も経ているからなのかな。
どうすふ→どうするね。
本書を読むと、合戦以上に領地運営や家臣を統制する事に大名たちが苦心していた事が分かる。 大名たちが、堺や港を抑えようとしていたのも道理なわけである。運営の観点からも、また戦略の観点からも。 総じて信長の野望では、合戦で領地を手に入れたらそれでおしまいであり、内政は合戦に勝つための準備でしかないのだ。 ゲームでも、この「運営することの難しさ」を表現して欲しいと改めて感じた。 ここを表現できれば、内政系武将にもスポットが当たるのではなかろうか。
武将や商人に声なんて当ててる場合じゃないよ…ほかに力を入れるところがあるでしょうに…
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます