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近代能楽集 (新潮文庫)

感想・レビュー
284

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スリーピージーン
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誰か現代作家でこういう能楽の翻案書いてくれる人いないかなあ。きっともうあるでしょう。あったとしても、私はきっと「やっぱり三島にはかなわないな」と言うでしょう。または違った味わいで感動できるかも。文学は深いものだ。
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たつや
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戯曲集でした。ほぼ、セリフなので三島由紀夫の中では読みやすさ満点です。そして、あとがきには、郡虎彦の3篇の能に取材した着想を得た作品である。と書いてあります。芥川的な作品作りを三島由紀夫もしていたんですね。「道成寺」がコントみたいで一番面白かったです。
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ポマトト
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能楽から着想を得た短編集。どの作品も読後に余韻があり、紡がれる言葉も、装丁も素敵。ずっと手元に置いておきたい1冊。
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アカショウビン
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学生時代のお気に入りでずっと棚にあり、やっと再読できた。目次には「卒塔婆小町」と「葵上」に◯があり、昔特に良いと思った印であろう。「卒塔婆小町」は今読んでもなかなかいい感じだが、「葵上」は源氏物語が浮かんてしまって、六条康子には少し物足りない感じがした。「道成寺」は江戸川乱歩の世界を思い出した。「班女」の「誰にも愛されない女」の理屈にはついて行けない。「熊野」の宗盛にマスク氏を思い出していたら、最後はドタバタになり、これはこれで舞台で見たら面白そうに思った。「弱法師」には戦時、戦後間もない時代を思った。
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ろくしたん
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なんか懐かしいような。三島の文章は初めてだが、結構面白く読めた。美女と次郎との掛け合いなど。菊おばあさんとの掛け合いも面白かった。
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おだまん
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ラジオで放送された石桁真礼生の歌劇「卒塔婆小町」を受けて。原作を全部知ってはいないのですが、原作へのリスペクトとセンスが素晴らしい。美と愛と死の三角関係。凄い世界。
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miyan
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能のシチュエーションを現代的にして物語を再構築することで、原作が室町時代あたりのものにも関わらず「今」の作品として楽しめる凄さ。 さらに本作からも70年近く経っていても全く古びない普遍性も恐れ入る。美、愛、死というテーマは不変。 あとは相変わらず三島由紀夫の文章のリズムが心地良くて、スイスイと読めるのも大きい。 今まで全く触れることのなかった能という日本文化に触れる機会を与えてくれたことに感謝。
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buchipanda3
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能楽を読む試みとして次はこちらを。本作は著名な謡曲(能の脚本)の舞台を現代に置き換えて語り直した作品集。各曲とも事前に元ネタのあらすじを頭に入れてから読んだので、その展開を比較しながら面白く読めた。邯鄲の枕や綾の鼓、扇の交換など同じ道具が登場しても、その結果が必ずしも同じとは限らない。能楽が見せる叙情性、儚さ、虚しさ、恋慕の果て、執心など人が囚われてしまうものは普遍的であるが、人との関係の在り方の変移からか、現代劇で見るとより明け透けなものに感じられ、それがまた妙味。「卒塔婆小町」「班女」が特に印象深い。
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Aleixo
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爽やかなラストの「邯鄲」、怪談的な面白さのある「葵上」、蛇になることをやめた「道成寺」、盲目になった際の景色や声の恐ろしさ、淋しさの余韻が続く「弱法師」が好みだった。清涼感を求めて、また「邯鄲」から読み直したくなるような構成。
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りょく
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「班女」あたりからその傾向が強く出ていると思うが、なにかしらの不都合から無意識に目を逸らして自分の心の気高さを守る人、とそれを愛する人というのが好まれている気がした。狂人狂女たちは、見たくないものを見ない選択をしているのだ。そうして、物語が「見たくないもの」の核心に迫り、なにか硬いものに突き当たったとき、彼らはそれをうち破ることはなく、自分の世界に閉じこもる。そして、周囲の人々はそれを支持する。なぜなら、彼らが現実を見てしまったら、彼らの気高さ美しさは消えてしまうから。(コメントに続く)
りょく

あと、三島は単に日本古典文学(能だけじゃくて、『源氏』やその他の作品も含めて)のエッセンスを噛み砕ききって、骨の髄に染み込むまですっかり自分のものにしてしまっている感がある。

12/11 03:16
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nao
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2月に能を初めて観に行く予定なので、何か能に関する本をと思い検索したらすぐに出てきたのがこちら。最初は「うわっ、台本的な書き方だ」と思ったが、読み始めたら最初の「邯鄲」から引き込まれた。普段自分からは選ばない妖しい物語の数々。「綾の鼓」が一番好きだった。三島は「コトバ」と「ココロ」のうち、「ココロ」の継承を選択してこの作品群を作ったと、キーンが解説している。「ココロ」を知れたので、この本には満足している。
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みつ
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昔から三島由紀夫の小説はどこか人工的で派手なしつらえ、芝居がかった言い回しが苦手で、『豊饒の海』四部作を初めあまり面白くなかったが、戯曲ではこれらのある種の癖がすべてプラスに転じる。この本も、今回再読して改めて三島の才能を感じた。「あとがき」にあるように「能楽の自由な空間と時間の処理や、露わな形而上学的主題などを、そのまま現代に生かすために、シテュエーションのほうを現代化した」という作者の意図が見事に達成されている。全八篇いずれも優れた出来栄えの中、「綾の鼓」「卒塔婆小町」「道成寺」に特に惹かれる。
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ナギサ
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面白かった
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星野紗奈
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大学の講義で「卒塔婆小町」が取り上げられたため、教科書として購入した。一冊を読み切るまでに一年以上かかってしまったので、正直細かい点はおぼろげだが、「卒塔婆小町」や「弱法師」はどちらかといえば好みに近い作品だったように思う。また、戯曲にはあまり詳しくないが、愛や生死に重きが置かれている点、登場人物たちの掛け合いのリズム感などに三島由紀夫らしさを感じた。あとがきと解説では、中世の作品との関連性や能・狂言の分野についても触れられていたが、知識が足りなかったので、もう少し勉強しておけばよかったと思った。
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イタロー
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葵上……再読。苦しむ葵、呪う六条、翻弄される光。光は生霊に誘われ、どこか知れぬところへ消えてゆく。無意識は裏返され病院は古典世界の館となる。幽玄の境地を明確な形而上的構造の内で表現した。台詞からト書きまで、細部の完璧が前提とされる、独自の劇である。記憶の底から突如現れたヨットが空間を切り裂いて時間をあらわにする。愛にとって愛することは闘いである。憎むことの果てが和解であるように。
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whitespring
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各脚本とも人間の欲望をありのままに見せつけ、人の醜さを曝け出している。ギラギラとしていて読むものの心を波立たせるものがある。
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ゆきんこ
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以前読んでから、干支が一回りしていたことに驚く。古典である能の演目を、近代版にアレンジ…本歌取りをした作品集。必ずしも元となった演目と同じ結末を迎えるわけではないところに、一本筋の通った、三島の意志のようなものが感じられる。愛と死と美が、それぞれ形を保ったまま、ふいに眼前に突きつけられるよう。それに一瞬怯むのだけれど、それを包む独特の雰囲気が妙に妖しく哀しく、魅力的に映る。中でも、「卒塔婆小町」「綾の鼓」が印象的。
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G❗️襄
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能演目の代表的な8曲が現代戯曲にアレンジされている。(現代といっても昭和30年頃)どちらかと言えば、「本歌取り」とも云えそうだ。源演目にお題を問えば、三島節で応えると云う、大喜利のような面白さに、三島遊びを知る楽しさがある。遊びとは云え、一作一作実に良い。伝統古典に対する挑戦、三島の意気地、余裕の技が、ここに短いながらも深く濃い味わいを持って展開される。『道成寺』『熊野』『弱法師』…感情扱いは流石の域。愛と死の美学の三島世界がプンプンと漂っていた。
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あお
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初めての戯曲。勧められたはいいものの、不安があったが読み始めるとみんな舞台上でするすると動き出してくれてとてもいい読書体験になった。 感情は時を超え普遍的なものであると知れたのは大きい 三島だからこんなことができるのかな?もっと読みたい
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Shinya Fukuda
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能を現代風に翻訳したものだが結末が原作と違っているものもあるらしい。ある程度の古典の知識がないと苦しい。葵上と道成寺は何とかついていけたがそれ以外は原作を知らないので比較のしようがなかった。能は室町時代に書かれた戯曲だが古さがないと言われる。扱っているテーマの普遍性からだろう。三島は謡曲の中から現代化に適するものを選んだという。伝統を続ける場合コトバを守るかココロを守るかという選択肢があるが三島はココロに惹かれてシチュエーションを現代化したとあとがき及び解説に書かれている。何となくわかったような気がした。
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ざき
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想像よりずっと面白かった。読んだ感想を書くとドナルド・キーン氏による解説を復唱するようになってしまうけど,どの戯曲でも,扱われている感情,美的感覚,テーマが普遍性を持っている。それ故に誰にでも読みやすく,何となくだとしても凄いなぁと思える作品になっていると思う。太宰といい芥川といい既存の型を換骨奪胎した作品では筆者の筆力が本当に顕れるなぁとつくづく感じる。
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kamikawa naohide
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私は戯曲という形式が苦手で、太宰の「冬の花火」を読んだ時ももなかなかしっくりこないなぁとモヤモヤして、それ以降敬遠してました。 この本は戯曲と知らずに手にして、ページを開いて「しまった」と思ったのですが、もしかしたら、とかすかな期待を持って読み始めた途端、舞台が見える!セリフが聞こえる!と引き込まれてしまいました。 三島由紀夫は何と言っても言葉の流れが生きてますよね。生きた言葉だからセリフが自然なのかなぁと。 戯曲を食わず嫌いしてる人にもぜひ読んでほしいです。
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至
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能というと小学生くらいの時分に、一度見た切り、サッパリ分からんというレベル。しかしながら、 能の謡曲を下地にした戯曲で非常にわかりやすく読めた。 『葵上』のスリラー感はスティーブンキング作品のような感じを受けた。 『道成寺』箪笥のオークション。自然と和解。 ギリシア神話を下地にしている『潮騒』でもそうだが、三島由紀夫は古典を消化して、自分のものにするのが上手い。 オリジナルの能は知らないものの、そう感じてしまう。
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Yumi
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★★★★☆ 勧められて三島由紀夫の本を初めて読んだ。能楽については詳しくなかったが、戯曲として読んだらロマンチックかつダークな内容が多くて驚いた。 「邯鄲」は顔が笑う時骨は笑ってる、しかし顔が泣いている時も顔の骨は笑っていると言う表現が刺さった。 「綾の鼓」は、私は強くなりました、愛されたから。と、本当の私をあなたは愛していない。私に祟ろうとしている。と言う表現が好きだった。 「卒塔婆小町」は、愛し合ってる若い人たちの目に映るもの彼らが見ている百倍も美しい世界を尊敬するんだ、という詩人の言葉が好きだった。
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優希
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再読です。古典文学を「近代能」として描いた作品集。能のことは分からないので、普通に戯曲として読みました。過去を新たに現代に置き換えることで出来上がった世界は独特の三島の世界のように思えてなりません。舞台を見ているような感覚になりました。
緑の林檎

これは筆者が最も好きな三島作品のひとつです。

12/02 17:03
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スリーピージーン
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私の高校時代からの愛読書です。三島は幼少期からもう歌舞伎の評論などを書いていて、本当に生意気な天才少年だったそうで、その演劇への造詣の深さは広く知られたところ。主流ではないかもしれないが、私はやはり『邯鄲』と『弱法師』『道成寺』が好きです。「参謀本部の深草少将」って!笑ってしまった。能楽作品の中から普遍的な要素をあぶり出す。面白いことを考えるものだ。せかせかとした日常の中で、こういう優雅でユーモアとペイソスのある短篇を、お茶を飲むように楽しみたいものです。新潮文庫最新版の解説はドナルドキーン氏。
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iwtn_
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攻殻機動隊アニメの二期で、実は架空の評論集ではなくこの本が元になるはずだった、という話を読んで購入。三島由紀夫はあまり馴染みがなく、戯曲集はセールスマンの死あたりとシェイクスピアを少々、という感じではあったが、舞台を脳内再生しつつ読んでみた。解説にもある通り、時代を超えた普遍的なテーマを上手く表現できているなという感想。この本を使った攻殻機動隊は見てみたい。今ならできるかも?右翼的に取り上げられることが多い著者だが、もうちょっと読んでみてもいいのかもしれない。思想と作品を何処まで切り分けるか、難しい問題。
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マッピー
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一応一編読むごとに元の作品のあらすじも調べてみました。 最初に一番面白いと思ったのは、『熊野』です。ユヤの嫋やかな中の強かさ、宗盛の愛情の中の酷薄さ。気持ちの切り替えの冷徹さが、三島の時代だけではなく、令和の今でも通用すると思うのですよ。『道成寺』の女性も強かで愉快です。その点『葵上』の光はダメだよね。軟弱で。『卒塔婆小町』は、舞台で見たいかも。美女と老婆が行きつ戻りつする様を、CGとかではなく演技だけで見せてほしい。想像力が喚起され、わくわくしました。三島由紀夫、当たり前かもしれないけれど、すごい。
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こうすけ
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三島由紀夫が謡曲を現代に翻案した作品集。邯鄲、綾の鼓、卒塔婆小町、葵の上、弱法師など、名作ぞくぞく。詩的な表現の数々にしびれる。批評家の柄谷行人は、三島由紀夫について、「小説は読み返したくならないが、戯曲には稀有な才能がある」と書いていたが、それぐらい優れた作品ばかり。大変満足でした。
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りんご
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能の筋を三島由紀夫が現代劇の脚本に焼き直したものです。単なる現代語訳ではなく、三島なりの解釈によって、変えてある作品もあります。
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scintaro
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定期的に読みたくなる中毒作品その2
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neatANDtidy
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数年前に神宮寺くんが葵上と弱法師を演じたことをごく最近知り、手に取る。今まで戯曲は読みにくいと感じていたが、のめり込んで読んだ。何故か三島由紀夫ってかっこいいだけと思っていたけどとうとう他の作品読もうと思う。
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happy1972
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40代最後に読んだ本。今年、謡曲の話を何点か読んだこともありその流れで購入。最初は三島の謡曲の評論の本かと思ったがまさか彼が作った作品だとは思いもよらなかった。少し謡曲のことを知ったうえで読んだこともあり途中で出てくる不思議な感じの意味もすっと理解できた。
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まし
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原典を知らなかったので、これを読んだ後に調べたんだけど、原典の妖しさを活かしながら新しい生命が吹き込まれていて面白かった。ただ、感想から逸れるけど、天才の死生観は、自分のような何者にもなれなかった凡人には理解できないのかな。
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しんすけ
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三十七歳の三島が雑誌『文藝』に掲載した作品。 芥川が『今昔物語』に独自の世界を持ち込んだに似て、三島の天才ここに開花せりと謂わしめる。 三島は、謡曲の世界を目前の現代に置き換えたのだ。 初読時は、「熊野(ゆや)」に不条理を感じて考え込んだのを憶えている。 宗盛の愛人熊野の母は今病気だという。だから北海道の実家に帰りたいと宗盛に請うのだが、宗盛は許さず花見に熊野を連れ出そうとする。熊野の虚言をどこで見抜いたのだろうか。熊野には北海道で働く薫という恋人がいたのだった。
しんすけ

今回は「道成寺」の清子の妄念に思うところあり、亡き人の思い出を「つぶやき」に書いてしまった。赤面の至りである。

06/25 23:46
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ゆうきなかもと
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最高過ぎする! なんで今までこれを読まなかったのか?!過去44年間で一番すごい文学作品はこの、三島由紀夫「近代能楽集」だと断言できる。戯曲の短編集ながら一話一話が濃密。毎晩一話ずつ読んで、最高に楽しめた。真に芸術的かつエンタメな作品だと思う。ちなみに俺の言うエンタメは、宮台真司の言う芸術の定義で、すなわち一度、それに触れると、二度とそれ以前の自分に戻れないという、ある種のトラウマを与えてしまうのが「芸術的」ということ。 本当に、戯曲短編一話一話が映画並の濃厚さだと思った。
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misui
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「本当は世界は単純でいつもしんとしている場所なのですわ。少くとも私はそう信じております。ですから私には、闘牛場の血みどろの戦いのさなかに、飛び下りて来て平気で砂の上を、無器用な足取で歩いてゆく白い鳩のような勇気がございます。私の白い翼が血に汚れたとて、それが何でしょう。血も幻、戦いも幻なのですもの。私は海ぞいのお寺の美しい屋根の上を歩く鳩のように、争い事に波立っているお心の上を平気で歩いて差上げますわ……。」(弱法師)
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読書する人
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なかなか面白かった。三島由紀夫の古典に対する尊敬と挑戦。邯鄲、綾の鼓、卒塔婆小町、葵上、班女、道成寺、熊野、弱法師。幽霊が結構出てくるけど、これを舞台でやるのが想像つかない。作家の力量がとてつもないということか。
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ky
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能に興味を持ったのは奥の細道、安田本がきっかけ。最近ハマリの三島も能を書いていたとなれば読むしかない。綾の鼓、忘れようとするほうが忘れられないでいるよりよほど辛い。卒塔婆小町、私を美しいといえばあなたは死ぬ。葵上、女王さまに憧れるのは失くすことのできる誇りをいちばんたくさん持っているから。班女、あなたは待つのよ…私は何も待たない。道成寺、その歯車こそ私の醜く変わってしまった顔。熊野、俺はすばらしい花見をしたよ。弱法師、僕ってね…どうしてだか誰からも愛されるんだよ。
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