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散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫)

感想・レビュー
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ねこ
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ネタバレ硫黄島の総司令官だった「栗林忠道」の人となりが描かれている一冊です。絶海の孤島・硫黄島で、総指揮官は何を思い、いかに戦ったのか、その実像にせまっている作品で、興味深くよむことができました。「散るぞ悲しき」とうたった帝国軍人らしからぬ辞世や、捕虜になることについての記述は、読んでいて、せつなくなってしまいました。
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kinkin
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ネタバレ太平洋戦争の末期、硫黄島では日米による激戦があり、結果的に米軍が硫黄島を奪取した、そして兵士6名が星条旗を山頂に立てる写真は特に有名だ、その程度を知っていたくらいで、この本に描かれる栗林総司令官のことはほとんど知らなかった。アメリカへ留学した経験から、この戦争は絶対に勝てないと断言しながらもこの島を死守するために最後まで戦い抜くと精神論だけでなく自らも一般兵士と同じ生活をし戦い抜いたという。陸軍と海軍という縦社会でほとんど支援を受けられずに玉砕。人や家族に愛情を持つことの大切さも教えてくれた珠玉の一冊。
yomineko@ヴィタリにゃん

もうマスゴミ共々地の果てに飛ばしたいですよね😡😡😡

12/04 16:18
kinkin

yominekoさん  同感です。

12/04 16:24
4件のコメントを全て見る
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yokmin
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アメリカ留学、カナダ駐在経験を持ち、アメリカ合理主義にも通じた米国通の軍人・栗林が、戦闘心得に「負傷しても頑張り戦へ、虜となるな 最後は敵と差し違え」と書いて捕虜になることを禁じたのは残念。まあ、捕虜になってもよろしい、とは表向き言えなかっただろうが・・(P-73) 栗林の大本営宛て決別電報「国の為重きつとめを果たし得で  矢弾尽き果て 散るぞ悲しき」(P-264) 1994年硫黄島の土を踏まれた天皇(現上皇) 「精魂を込め戦いし人未だ地下に眠りて島は悲しき」(P-282)"
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やまぶき
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図書館。硫黄島の戦いと栗林中将のことが淡々と書かれている。第二次世界大戦と言えば広島、長崎、沖縄等、一般人が犠牲になったこと事がよく語られるが、このような戦いがあったことはそれ程語られない気がする。「国の為重きつとめを果たし得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき」家族のため国のため、彼らが命を懸けて戦ったおかげで、今の日本がある事を忘れてはいけない。死よりも苦しい生を生きよ。彼らの苦しみとは比べようもないが、辛いことがあっても頑張って生きようと思う。
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ひろし🙈🙊🙉
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 多くの日本人に読んでほしい本。  それほど厚くない本だが、大変な労作だと思う。  イラク戦争終結時、ブッシュ米大統領は、「ノルマンディ作戦の大胆さと、硫黄島での高い勇気が示された」と、演説の中で兵士を讃えたとの事。  日本人も硫黄島、栗林中将のことを知るべきだ。
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Oisan
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はじめから負けるとわかっている戦場での戦い方は、自分の生き方にヒントを与えてくれる。「潔く死んでいく」というのは響きは良いが、「苦しい生を生きる」ことにも意義はある。辛い時には、この本のこと、栗林忠道中将のことを思いだそうと思う。
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ニワトリママ
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前々から読まなければと思いつつ、重い内容だとわかっていたので、なかなか手に取れないでいた。 過去の戦争に対し、なぜ無謀な戦争を始めたのか、誰も止めなかったのか、子どもの頃から疑問に思っていた。今はハッキリわかる。一旦、戦争に向かって動き始めたら、誰にも止められない。そして、戦争は私たちの手の届かないところで動き始める。その末路が描かれているように思えた。当時の人々の悲しみをできる限り心の中に持ち続けたい。
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金吾
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梯さんの他の本を読んだので、再読しました。栗林中将の統率二感嘆しつつ、軍という合理性の権化であるべき場所でありながら、日本軍が非合理的かつ無責任な体質であることに忸怩たるものがあります。硫黄島を゙見捨てる合理的妥当性と処置が全く無いまま現場に押し付けているように感じます。今の政治家や官僚がそんな欠陥指導者ではないことを切に祈ります。
KF

梯さんの本を一冊だけ読んだ事があります。「サガレン 樺太/サハリン境界を旅する」という一冊です。梯という字がとても珍しく、「サハリン」の表紙には漢字で梯とあるものの、平仮名書きは無く、ローマ字書きも無く、唯一の手掛かりがキリル文字でした。Какэхасиと書いてGoogle翻訳でロシア語から日本語に変換して「あ、かけはしね」と、答え合わせです。キリル文字で日本語の読み方を習うとは思ってもみませんでした。

08/28 16:51
金吾

KFさん全く知らなかった話ですので、面白かったです。ありがとうございます。『サガレン 樺太』も入手出来たら読んでみたいと思います。

08/28 19:21
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ふじさん
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栗林忠道の辞世の歌、本来は「…悲しき」が「…口惜し」に書き換えられていた。読むたびにここの部分にいら立ちを覚える。彼の決別電報等も都合の悪い部分は改竄され、新聞に発表される。まさに、当時の大本営の本質が分かる。栗林は、合理主義者で、前例に捉われず自分の目で見た現状を元に戦い方を模索し、水涸れ弾尽き、地獄と化した本土防衛の最前戦・硫黄島を死守することに全力を注ぐ。玉砕を禁じ、自決を選ばず、部下たちと敵陣に突撃して死んだ彼の姿を妻子に宛てた手紙等を通して描いた感涙の記録。どんな戦記よりも読み応えあり。
ふじさん

大家壮一ノンフィクション賞受賞作。栗林忠道の人間性や生き方が淡々と静かなタッチで描かれていて何度読んで、感動する。是非多くの人に読んでほしい1冊。

08/06 15:49
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SAKU
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ネタバレ 硫黄島の日本軍のトップとして、屈強のアメリカ海兵隊を恐怖のどん底に陥れた名将、栗林忠道。本書は、栗林が家族宛に書いた手紙を読み解きつつ、現地での栗林の行動や敵方であるアメリカ海兵隊の評価などから、名将たる所以を紐解いていく。栗林は、家族を心配する優しい父親の側面とトップとして合理的、戦略的な采配を振るう司令官の側面が同居している。司令官として最前線にとどまり、一般兵と同じ待遇にし、気さくにコミュニケーションを取って兵達の信頼を得ていく。現代でも理想の上司のお手本と言えるが、それに比べて大本営ときたら。
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寿里子
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硫黄島でのことはほとんど知らなかったので一気に読んだ。過酷な日々の兵士、栗林の戦術など。同世代の著者であったこともこの本にひきつけられた要因かも。若い人たちにぜひ読んでほしい。
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ELI-SA
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★★★★☆(4) 映画硫黄島からの手紙を鑑賞する前に事前知識を入れておこうと手に取った本。アメリカ留学の経験がある栗林忠道がたてた作戦は米軍に大きな損失を与えるが、彼らが本土の家族たちを守る為にと必死に戦った4ヶ月後には原爆が投下された事実を鑑みると、やり場のない憤りを感じた。米軍上陸後の星条旗を立てたポールが日本兵の命を繋いでいた水道管だということが最大のアイロニーになっているのではないだろうか。
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まーくん
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「国の為重きつとめを果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき」1945年3月16日、硫黄島防衛の総指揮官栗林忠道中将は大本営宛訣別電報を発し、同月26日、米軍上陸部隊の猛攻に36日間耐えた末、2万余の将兵と共に同島に散った。本書はその栗林中将の軍人としての合理的思考と強い精神力に基づく非凡な戦闘指導を描く一方、当時の日本人には稀有な細々とした気遣いを見せる家庭人としての一面を留守宅宛てに送った数多くの手紙から読み取る。訣別電の一部と辞世の句は改変されて発表された。「…散るぞ悲しき」は「…散るぞ口惜し」と。⇒
まーくん

⇒「悲しき」と詠うことが指揮官にとって大きなタブーであることを、いたずらに将兵を死地に追いやった軍中枢への、ぎりぎりの抗議であったことを、後に著者は取材を重ね、戦場での日々を知ることにより理解する。 若い時分には戦史などもよく読んだが、最近は気が重くなるので読むことが少ない。何故もっと前に降伏できなかったのか?何故米国と戦わない道を選べなかったのか?トップが軍人では立場上無理であったのか?臥薪嘗胆、三国干渉を受け入れた明治の政治家・軍人は偉かったと思う。

04/27 11:04
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belier
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硫黄島を36日間持ちこたえさせ、米軍にもその手腕を認めさせた司令官の伝記。優れた指揮官でありながら、よき家庭人でもあった。その人柄には感心させられたし、心温まるものも感じることができた。しかし、こんな立派な人物が昔の日本にもいたという美談では終わらない。彼も軍の幹部に捨て駒として利用されたのだ。現実を知らない中枢部が無謀な計画を立て、現場に無理難題を押しつける。今でもいたるところでよく見る光景。つまり今の指導者層は、歴史的悲劇から何も学んでない。それを再確認した本でもあった。
0255文字
山田
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栗林忠道の家族への手紙を中心に彼の人柄を紹介した本。彼は実際的な考え方をする家庭人で、硫黄島の戦地から家族の暮らしを細々と心配した手紙を書き送った
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st
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手紙から読み解く栗林忠道の人となり。それは家族を大切に思う、ごく普通の一般家庭の夫、父親となんら変わりなかった。どのような思いで敵と向かい合い、部下たちに命を下していたのか。そして最期どのように散ったのか。正解を知ることは出来ないけど、思いを馳せることができた。今この平和な生活が送れている日本人として、歴史を知りどのような犠牲の上で今があるか知るべきだと感じた。「予は常に諸子の先頭に在り」部下、本土の自国民、自分、そして家族の命を大切に思っていた栗林忠道が発するからこそ、この言葉の重みがひしひしと伝わる。
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たつや
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2023年233冊目。史実として硫黄島の激戦は知っていたが、これほどまでに絶望的な状況のなか、リーダーシップを発揮して国に尽くした人物がいたとは知らなかった。改めて戦争の不条理を想う。日本人は是非読むべき一冊だろう
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tharaud
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書かれたものは残る。家族への手紙、訣別電報(当時大本営によって改竄されたわけだが)など、自分の思いはけっして消えずに必ず伝わるはずだという栗林の信念を感じる。実際に半世紀を経て、そのメッセージが日米双方で広く知られることとなったのだから、栗林は正しかった。そのことにかすかな希望を感じた。
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飼い猫の名はサチコ
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『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在り』に続き、本書を読了。死ぬ気になれば何だってできるという台詞は、よく使われるけれど、死から遠い平和な時代の呑気な言葉だったのだと実感。確実に迫る死が前提、凄惨で極限の状況下、一日でも長く持ちこたえるべく、緻密で合理的な作戦を立案し、遂行した栗林中将の人物像と硫黄島の戦闘に迫るノンフィクション。非常に実務的で有能な軍人であり、良き夫であり良き父であったことが残された手紙から伝わってくる。このような方々に命がけで守ってもらったことと現代が繋がっていることを記憶したい。
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mcbook
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☆5 硫黄島、栗林中将のことを何となく聞いていたが、本書をよんで、衝撃を受けました。 こんな類稀なるリーダーがいたとは。そして一人の父親としても素晴らしい。 また、硫黄島の悲惨さも生々しく描かれていて、想像することさえ、困難。本当に、戦没者の皆様に尊敬と感謝の念しかない。 そして、読者をひき込んで離さない文章にまとめた著者に感謝です。
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mawaji
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今年は半月遅れで読みました。今回も「骨踏む島」「兵士たちの手紙」は涙腺を緩ませながら読まざるを得ませんでした。名誉の再会でのモラーニク氏の言葉や、出征の日に万歳三唱の声に耐えきれず玄関の戸を後ろ手にぴしゃりと閉めて泣き、役所で手数料と引き替えに渡された木の位牌だけが入った白木の箱を"こんなもの!"って海に投げ捨てたという岩国市の光枝さんのエピソードを読むと、今もウクライナを始め地球上のどこかで同じ思いで悔やんだり悲しくやるせない思いに暮れている人がいると思われて、ほんとうにいたたまれない気持ちになります。
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くだもの
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平成22年6月10日第6刷を読了。著者の梯久美子さんによる入念な取材や参考文献の読み込みから、栗林中将のお人柄やその周りにいた方たちのことがわかります。何度も涙しながら読み終えました。この本を読むといつでも栗林中将に会えます。何度でも読みます。 以下メモ ・帝国軍人として、総指揮として、上司として、父として、夫としての栗林中将 ・他の帝国軍人に見られる責任の押し付け合いが私の日常のそこかしこにもある ・硫黄島からの生還者が出している本も読みたい
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Hiro
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イメージと大分違って、栗林中将は現代でも十分通じるような、リーズナブルで地に足ついた考えの方だったようだ。日本軍組織では、相当浮いてる感じだっただろうな▼硫黄島での敗北が近づき、最中に太平洋の制空権が掌握され東京が大空襲を受け出したのが45年3月。既に国自体がレームダックとなったのにも拘わらず、その後沖縄戦、ヒロシマ・ナガサキを経るまで敗戦の意思決定を行えず、8月まで松代に地下基地の穴を掘り続けた日本軍。日本史上ぶっちぎりの愚かな数ヶ月だったのだな。
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ゆうじ
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📚『散るぞ悲しき』読了 太平洋戦の硫黄島。 司令官の栗原の41通の手紙。 最前線にあっても娘をたこちゃんと呼びかけ、想う。父の気持ちは変わらない。 #散るぞ悲しき #梯久美子 #新潮文庫
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Koki Miyachi
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硫黄島総指揮官栗林忠道の評伝。日本帝国軍人とは思えない家族や仲間に対する優しい気持ちを持つ人物であった。硫黄島における勝ち目のない壮絶な戦いと、そこに至るまでの生い立ちから人となりまで、しっかりと伝えてくれる。第二次世界大戦中の大本営の判断の酷さが際立つ。精神論だけで、現場の状況も知らない安全地帯にいる人間が正しい判断を下せる訳が無い。歴史の中に葬られていた栗林中将のような優れた人物の功績と後に遺したものをきちんと伝えてくれた筆者に感謝しかない。
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よっしー
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硫黄島での戦いが壮絶だったという知識はあったが、ここまで絶望的なものだったとは。その中で米軍を最も恐れさせた栗林忠道中将。部下や家族に対する愛情、思いやりに心を打たれる。硫黄島での戦いは、戦力的にそもそも勝てる見込みのないもの。本土上陸を防ぐためには玉砕覚悟のゲリラ戦しかない。戦術として地下壕、地下道を使った戦い方は天才的。それでも最後は力尽き、本土上陸も防ぎきれなかった悲しい現実がある。改めて我々次世代のため艱難辛苦に耐え、戦った方、そして亡くなった全ての方に敬意と感謝を捧げる。
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たらちゃん
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絶望的な戦いの中で、家族や配下の兵士や国の事を考え、行動を起こした栗林中将。勝つことも逃げることもできない中、最期まで戦う事を要求したことは、自身にとって「散るぞ悲しき」という言葉は素直な気持ちであったと思う。戦後生きている私たちは、このような素晴らしい軍人がいた事を忘れず、戦った来た人たちがいるからこそ、今の日本がある事を忘れないでほしい。
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blue xx
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プロローグでは栗林指揮官の電文が、どの新聞にも改変され、武器もなく水も雨水のみ、補給も途絶えた中を戦う兵士の苦しみや悔しさが削れて、黙って死んでいく当時の〝常識〟がみえる。 硫黄島での戦いは「勝つ」目的でなく、長い間「敗けない」本土を守る為の時間稼ぎだった。 半日で歩ける様な小さな島に6700トンもの爆撃は大地震の様だった。 人は残酷にもなります。人は戦争を繰り返していますが、進歩はないのだろうか。 世界どの戦場にも悲しみばかりです。 いつ読もうかと躊躇していましたが、やっと読めました。
blue xx

母から、曾祖父が硫黄島で書いた手紙がアメリカ兵に渡り、数年後に届いた手紙を祖母が大切に胸に当てて父の話しをしてくれたそうです。祖母の、父を亡くした悲しみは計り知れません。 栗林指揮官が妻へ残した手紙に、(世間、普通や見栄はどうでもよい、信念をもって自分らしく生きることが肝心)と。 明日死ぬかもしれない時代、毎日が尊く、何を残すべきなのか必死に生きてきたのだろう。

02/17 15:30
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K
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飢えと渇きに苦しみ、猛烈な爆撃に晒されながら家のお勝手の隙間風を気遣う栗林中将。 国の勝敗よりも妻の手のあかぎれを思い遣るこの人の存在の器はなんて広大で豊潤なんだろうと思う。 日本の必敗を知りながら、軍人の運命に殉ずる姿はせつなく悲しく、愚かで、尊い。
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Hiroki
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朝霞図書館 孤立無援の硫黄島という極限状況の中で2万人の兵士を統率し、徹頭徹尾陣頭にあって、最後は階級章を外して死に赴いた将軍。 梯さんの繊細丁寧な読みやすい文章に出会えた。「名誉に逃げず美学に生きず」「現実の中に踏みとどまって戦う」、あらためて生き様を考えさせてくれた一冊。
0255文字
Chocki
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前例や既成観念に捉われない名将。 島にある海兵隊の星条旗を書いた壁画には多くの弾痕が残る。打ったのは米軍兵。お前たちだけが英雄ではない、と。この島の事を現地で学べる学校は多くないけど、本当はもう少し知るべきだと思う。 今年の締めくくりの本。硫黄島で年を越したのはもう9年前。
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おさむ
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ネタバレ硫黄島の総指揮官で「アメリカをもっとも苦しめた男」として知られる栗林忠道中将。クリント・イーストウッド監督の映画では、渡辺謙が好演してました。島でも常に部下たちと共にいようとした彼が島から家族に送った沢山の手紙からその人物像を描く珠玉の作品。天皇や聖戦といった大きな言葉はなく、あんかや湯たんぽなど家族の生活の細部に心を配る。遺言の句が大本営に書き換えられていたり、摺鉢山の米軍の国旗掲揚のシーンに使われたのが日本軍が雨水を集めたパイプだったり、新発見も多い。2006年の大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。
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piro
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1945年3月、硫黄島の苛烈な戦闘の指揮を執った栗林中将の姿を描くノンフィクション。既に敗戦濃厚の当時、末期的な状態の軍部の上層にありながら、合理主義を以って勝ち目の無い戦闘に挑み、米軍からも高い評価を受けた栗林中将。2万の兵の最高指導者としての振舞いは人としてもとても感銘を受けるものでした。しかしながら最初から玉砕を命じられた戦いであり、結果的に圧倒的な戦力を持つ米軍に屈した事に、何ともやり切れない思いになりました。この事実を後世に伝えることがせめてもの供養です。
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rytryt
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自分の信念に従い自分らしく生きていくことへの勇気が与えられる一冊。人間愛、合理性(建前でなく実質)の徹底、責任完遂の人。 著者は日経新聞朝刊連載「この父ありて」の筆者です。 ・惜しみない人間への愛、家族への愛(家族への手紙を収録) ・作戦における合理性の徹底(バンザイ突撃を否定) ・師団長としての責務の追求(本当の最後まで徹底して作戦目的を追求) それぞれにジレンマがあって相当に苦しいはずですが、最期まで一貫(建前や美学によらず実質を貫く)できるとうのが人間としての強さであり、そこに感動があるのだと。
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KUMAPON
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映画などでなんとなく知っている気になっていた硫黄島の戦い。本当の悲劇は戦場そのものよりも、当時の戦争指導者たちの無能ぶり・非道ぶりにあったことがわかる。命を懸けて送った電報が大本営によって改変して公表されたという事実には腸が煮えくり返る思い。改変される前の辞世の句「散るぞ悲しき」をタイトルとした著者の梯さんもきっとそれが本当に悔しかったのだろう。文章はとても読みやすいのに、涙で何度も紙面が見えなくなって読み進めるのに苦労した。梯久美子さん、ほかの作品もぜひ読んでみたい。
0255文字
mawaji
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今年も終戦記念日に読みました。「硫黄島では生きることと死ぬことのすべてが戦いだったのである」とありますが、年が明けて2月以降、ロシアによるウクライナ侵攻の報道を見るたびに軍人のみならず戦地に残っている人々、避難した人々すべてが戦っているのだと感じています。「日本軍が教訓を生かさないため大きな失敗を繰り返していった」けれど教訓を生かせず失敗を繰り返すのもまた人間。教訓を生かせず過ちを繰り返すものだと認識しておくこともたいせつなのかもしれません。「世間」も「普通」もどうでもよい。信念をもって自分らしく生きよ。
0255文字
よひとかっぽ
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絶望的な戦局の大戦末期。洋上拠点の死守に2万の兵と共に心血を注ぐ。内地への爆撃を一日でも延ばさんと国を憂い、家族を想い、覚悟を持って極限の持久戦を戦い抜いた。今ある日常は先人の命の賜物。改めて心に深く刻み込みました。合掌。
0255文字
本命@ふまにたす
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太平洋戦争末期、硫黄島で日本軍の指揮官を務めた将官の人物と、硫黄島での日々に迫った一冊。戦争を題材にしているが、著者の文章はもちろん、多数引用されている戦場からの手紙など、言葉の持つ力も考えさせられる一冊だった。
0255文字
ムー
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素晴らしい人物だったんだな。感動しました。
0255文字
のぶさん
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太平洋戦争末期、硫黄島の守備隊を率いていた栗林中将の主に人柄を描いた物語。著者が、生存者や遺族を丁寧に取材して実像を明らかにしていく。激戦の戦場にいながら、よき父、夫、家族であろうとする手紙の数々、一方、司令官として与えられた使命を全うするためにベストを尽くす姿も描かれる。こちらは、命令を下すだけの軍中央との葛藤や批判も含まれている。本当に悲惨な戦場だったはずだが、快ささえ感じる読後だった。
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散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫)評価100感想・レビュー383