読書メーター KADOKAWA Group

ユダヤの商人シャイロック

感想・レビュー
3

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
マカロニ マカロン
新着
個人の感想です:B+。世界中でドン・キホーテ、ロビンソン・クルーソー、ホームズらと匹敵する知名度だろうシャイロックだが、18~19世紀には『ヴェニスの商人』は殆ど上演されることはなかった。19世紀末にロシアのスタニスラフスキーの手で上演されたが大衆受けしなかった。シャイロックはマルクスによって市場経済、ブラック企業の経営者、資本家のアイコンとされた。反ユダヤ主義者にとって格好の標的となり、ナチス政権下のドイツでは盛んに上演された。現代でもこの傑作劇に底流する反ユダヤ精神をどう取り扱うか試行錯誤が続いている
マカロニ マカロン

そもそも「ユダヤ人が悪魔と結託している」という説を言い出したのはイエスの高弟ヨハネ。『ヴェニス』の中でシャイロックを悪魔と表現するのは9箇所もある。この劇は1594年に英国タイバーン(死刑執行所)で絞首刑の後内臓を引き出され四つ裂きにされた、ポルトガル生まれユダヤ人ロデリーゴ・ロペスのえん罪事件(初代エリザベス女王の侍医が女王を毒殺しようとしたとされる)がきっかけになっていて、当時の反ユダヤ人主義の風潮が濃厚。ロンドンの観客は「お笑い劇」と思い裁判の場面では笑いの渦となったという

08/19 00:44
マカロニ マカロン

日本では1877年『胸肉の奇訟』として「欲張頑八」、「清香(ポーシャ)」、「松ヶ枝(アントーニオ)」の物語で翻案され、1885年大阪歌舞伎で『何桜彼桜銭世中』とし初上演された。日本はキリスト教社会ではないためシャーロックはユダヤ色なく、理由なき悪意、サディスト的な扱い方だ。過去欧米社会で、シャイロックを反ユダヤ人主義者が邪悪な国際金融業者のアイコンとして悪用してきた経緯があり、それがナチスのホロコーストにつながっていったという系譜は興味深かった。※図書館蔵書だが、鉛筆で矢鱈に線を引く迷惑行為は止めてほしい

08/19 00:58
0255文字
figaro
新着
シェイクスピアの日本語訳はどうやら「ヴェニスの商人」が最初らしい。シャイロックは、おそらく一番有名なユダヤ人からもしれない。その中世ヨーロッパからエリザベス朝にかけての不存在、イエスの血の責任を子孫が被るというキリスト教的な発想、富を美徳としつつ金融を忌まわしいものと捉える中世的な価値観、これらがシャイロック像を作り上げる。「稲妻の光でシェークスピアを読む」と称えられたキーンの演技見てみたかった。
0255文字
viola
新着
ひたすらシャイロックについて書かれた本。前半はかなり興味深い内容ですが、後半にいくに従い・・・・どうしちゃったの!?と突っ込みたくなりました。
0255文字
全3件中 1-3 件を表示

この本を登録した読書家

今読んでいる読書家全0件中 新着0件

登録しているユーザーはいません

積読中の読書家全0件中 新着0件

登録しているユーザーはいません
ユダヤの商人シャイロック評価100感想・レビュー3