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戦争責任とは何か: 清算されなかったドイツの過去 (中公新書 1597)

感想・レビュー
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金吾
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日本人客が言うと語弊があるかもしれませんが、日独が大戦時にしたことはそもそも比較できる話ではないです。スケープゴートや東西対立を上手く活用し、自己欺瞞をしているのがドイツだと思います。ただ日本は問題ないということではなく、日本も軍部をスケープゴートにしていますが、国家指導者やミスリードした人たちを排除しきれなかったことがドイツと違う意味での欺瞞を引き起こしたようにも感じます。
0255文字
depo
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ネタバレドイツが自らの戦争責任を認め謝罪してきたのに、日本は?と言うのが日本や韓国で常識化している。果たしてそれは正しい理解なのか。ヒトラーとナチスのせいにして、ドイツ国防軍と国民の免罪を計ってきたのではないのだろうか。そもそもヒトラーは最初から権力を握っていたわけではなく、1933年の国会選挙ではナチ党の得票率は95%に達し、1934年にヒトラーは大統領と首相を統合した総統職を新設して自らその職に就き、国民投票で是非を問うたが、賛成票は90%に登ったのに。
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レイノー
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2001年刊行。著者はWEBマガジン発行機関代表(元読売新聞ボン、ニューデリー、ベルリン特派員)。◇図。◆第二次世界大戦の敗戦国、日本とドイツ。両国は何れも戦端を開いた点で共通し、他方、戦犯裁判を受けた点でも共通する。しかし、実際は戦後処理や反省の対象、目指すべき未来像や戦時に対する認識は相当違う。この違いが”隣の芝は青く見える”状態を生み、(西)ドイツの戦後処理への過剰な憧憬を生んでしまった。◇本書は、(西)ドイツ(旧ドイツ連邦共和国)の戦後処理と、民衆・知識人・政治家の意識の内実を備さに検討する。
レイノー

◆というように、ドイツにも保守的・自己憐憫的な国民性と経済力、EU(あるいは旧EC)内の大国として、近隣諸国(特に東欧)に圧力をかけ、言いたいことが言えない状況を作り出している。それが戦争犯罪をナチの犯罪に矮小化しても文句の言えない状況を作出したと言える(尤も、これに批判的な諸外国の目線とドイツ国内の目線もある)。つまりドイツにも、その戦争責任の取り方に限界があり、それはドイツ人一般の加害者意識の欠如に由来するものだと考えられる。これは決して肯定できるものではないが、ただ幾つかの特異な例も別途存在する。

06/15 22:07
レイノー

ナチスの蛮行への徹底的な批判的追求がドイツの責任を矮小化しただけではなく、その徹底ぶりがドイツの評価を肯定的な方に振り子を振らせた面もあることは注意を要する。◇元より、ドイツの責任のとり方に不十分な点が多々あることは、日本の責任のとり方を肯定的に評価せしめる事象ではないのは言うまでもない。

06/15 22:08
8件のコメントを全て見る
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讃壽鐵朗
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何よりも、著者の問題追及心の強さに感激した
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numainu
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評価C
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Haruka Fukuhara
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戦後ドイツの欺瞞。結局、何も反省してないという話。どうしてドイツがこんな風にふるまって誰も表立って反発せずにここまで来たのか不思議で仕方ない。トリックという言葉が多用されているけど、言葉のトリックに騙されるほど戦争の惨禍の記憶というのは儚いものだろうか。
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蘭奢待
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敗戦国日本とドイツの比較はナンセンスであるという前提に立ち、その上でドイツの戦後処理について綿密な調査結果を報告する。ナチスと独国防軍との違い、ABC級戦犯の本来の意味、ドイツ人の思い、非ユダヤポーランド人の思い、ユダヤ人の思い、冷戦による西側諸国の思惑、ヒトラーと、ナチスを悪と決めつけ、否定することにより、一般市民と国防軍の罪を逃れた。ヴァイツゼッカー大統領の有名な演説も、これを後押しした。西側諸国の思惑により、ハリウッド映画では、ドイツ軍は徹底的に悪として描かれた。 映画にもなったワルシャワ蜂起は非ユ
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marukuso
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よくドイツは日本に比べ戦争の責任を果たし、歴史認識問題などの問題を引きずっておらず国際社会にきちんと復帰したと言われる。だが、その内実はいささか薄っぺらな責任の押し付けで片付けてきたようだ。戦争当時は全てナチスが引き起こしたことだとし、軍や一般のドイツ人は関わらなかったと。また日本との比較でABC級戦犯への向き合い方の違いも浮き織りにする。日本とドイツで戦争という問題の捉え方が全く違う。ドイツはホロコーストをもっぱらの問題とし、戦争自体にはあまり目を向けていないようだった。
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sober
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ドイツと日本の敗戦処理の評価はまるで違う。日本は長らく批判されがちである。なぜドイツは評価されるのか、実像はどうなっているのか。現地でのインタビューと歴史的背景から、責任をかわすトリックを解き明かしていく。ヒトラーと国防軍を劃然と区別することにより批判を回避しているのだ。日本の慰安婦問題がかまびすしい昨今ですが、本書によるとドイツは公然と強制連行をしていたようです(しかも、問題視はされていない様子)。歴史は事実のつなげ方により、見方を如何様にも変えられることが学べる一冊。
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せかい
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ジャーナリストの書いた本ということで、信憑性は疑わしいですが、日本で言う慰安婦問題など普通のドイツの過去の克服では取り上げられない問題なども扱われていて、新しい観点からの問題提起などには役立つ本だと思われます。
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孤独な読書人
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「ドイツは第二次世界大戦の反省をしている、その責任も果たしている」このようなことを私たちは日本の戦争責任問題を批判する文脈で聞かされることがある。しかし本当にドイツは反省し責任を果たしているのか著者はそのように問う。そして本書ではドイツには清算されていない戦争責任があることを暴露していく。本書で重要なのは例えドイツに清算されていない戦争責任があるとしても日本の戦争責任が免責されるわけでもなければ相対化されるわけでもないという点である。
孤独な読書人

厳密に言えばドイツの清算した戦争責任はナチスドイツが行ったユダヤ人に対するホロコーストである。本書の中にも指摘があるがこれは純粋な意味での戦争責任ではない。戦争責任とは別物と捉えることができるものと言える。またドイツの清算の仕方はかなり戦略的に行われているという印象を受ける。

12/02 19:38
0255文字
あかつき号
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図書館延滞本(泣)、やっと読了。同じ敗者でありながら、ドイツはいつも一歩前を歩いていると思っていたが、国民性、でもこれは立地環境に大きく左右されるよね、その違いに気付かされた。四方を海で囲まれた日本と他国(敵)と地続きであるからなのか、侵略に対する感度が全く違うことを教えてもらった。王政がころころ変わってきたことも、ヒトラーを極悪人に仕立て上げる際の罪悪感のなさに繋がるのか。ヨーロッパの個人主義がこんなにも深く根づいていることに驚いた。
あかつき号

≪続き≫ かといって、日本がよい、ということでもなくて。それこそ個人的に私たちは考えんとあかん、と思った。

08/29 19:17
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おらひらお
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2001年初版。スケープゴートの有無、大陸か劣等か、軍隊の継続性など様々な要素で日本とドイツの戦争責任感が異なったことが指摘された本です。ドイツは自己を加害者としてのとらえ、他者を被害者としてのみとらえる日本とは大きく異なることが指摘されています。日本も変わりつつあると思いますが・・・。
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根室
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日本よりドイツの方が、過去を反省している?というイメージが強いのは、そういうことだったのかと気づく。戦争は絶対にしてはいけないことという意識は、日本の方が先進的なところがある気がした。その辺いろいろ背景がある。演説で有名なヴァイツゼッカー氏が、どんな人物だったかに詳しい
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中島直人
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東西冷戦という状況下、西側諸国にドイツを受け入れさせるため、悪いドイツ(ナチス)と良いドイツ(スポーツマンシップに則り正々堂々と戦った国防軍?)に分け、責任は全てナチスへ押し付けた。更に戦争犯罪をホロコーストに絞り、ユダヤ人迫害についてはスネに傷持つフランス、イタリアからの非難を抑制しつつ、最大の被害者である東欧については、冷戦中は鉄のカーテンの向こうで無視、冷戦後はEC加入をネタに批判を封じる。こう見るとドイツの狡猾さが目立つが、ロシアだけで少なくとも2000万という被害者数を鑑みると、まともに賠償など
中島直人

出来るはずもなく、止むを得ない方策だったのか。 戦争責任をA級戦犯に限定し国交正常化を図った日中関係において、ドイツと似た構造が見られる。だが、謝れば済むと思っているのか交渉のイロハも知らないような日本の外交はお粗末の一言。

02/14 00:20
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check09
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タイトルを見て、ドイツと日本の戦後処理を対比して、ドイツをほめたたえ日本を批判するか、あるいは日本は謝罪続きだと批判するかのどちらかだと思ったが、そのどちらでもなかった。双方が批判の対象となっている。ドイツも国際的な評価は高いものの、ホロコースト以外には向き合っていないというのである。著者は日本もドイツも戦争犯罪すべてについて謝罪・補償すべきだと考えているが、客観性を保つよう異論も記されていてよい。しかし最後にあとがきを読んであきれた。人を批判するのはたやすいが、その前に自身と置き換えて考えてほしい。
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たくやよ我に帰れ
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キリスト教についての記述や日本の歴史的見解については正確でないなあと思う部分はあったけど、ドイツの過去の政治家の発言等は知らなかったことが多く、新鮮なことだった。戦後すぐにすべての責を引き受けることなど誰にできたというんだろう。
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