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高野聖

感想・レビュー
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中嶋YN
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泉鏡花、いい名前である。個人的に明治生まれの文豪で一番イケてる名前だと思う。同世代に樋口一葉や島崎藤村がいる。樋口一葉は24歳で死んだが、泉鏡花は65まで生きた(島崎藤村は71)。そんな泉鏡花の代表作が『高野聖』である。幻想文学の名作といわれる。旅の僧が山奥のぽつんと一軒家で体験した不思議な話。そこに住む美女(決して若くはない)がなんとも艶めかしい。「孤家(ひとつや)の婦人(おんな)」という表現が味わい深い。文章は多少古めかしいが、そんなに苦も無く読める。樋口一葉や森鷗外の擬古文よりはずっと分かりやすい。
0255文字
karatte
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青空文庫。幻想文学の名短編と誉れ高い本作ながら、いつでも読めるのが仇となってなかなか手をつけられずにいたところ、先に読んだ諸作、特に「日本橋」が存外に面白かったので、ならばこれもと読み始めた次第。固より長編と短編、聖俗二極たる花柳界と幻想譚の違いを考慮しても、スラスラと流れるようでいて読点多めの特徴的文体は自家薬籠中の物。蛭の雨に降られる恐怖や神秘とエロスの交錯する行水、親仁や白痴の若者がもたらす滑稽さと、どのシーンも表現の巧みさで格調高くなる。柔らかな語り口と豊かな比喩の結実した、まさしく名作。
0255文字
NANA
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ネタバレ泉鏡花の小説の中ではかなり読みやすく、内容も面白いので初心者向き。蛭が降ってくる森はいつ読んでもゾッとするが、怪奇小説というよりは単純にホラー笑 その後の展開含め、幻想小説には違いないんだろうけど、今ひとつしっくりこない。良いんだけど、ど真ん中に刺さってない感。もっとガチガチの怪奇・幻想寄りにしてほしかった。それか、日本語が難しくて私が情景を理解しきれてないのか?
0255文字
ame
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旧道での肌にまとわりつく不快感とは対照的な川のシーン。湯ではなく、川の水というのがいいなと思った。冷たい水の中では女の肌の温かさが際立つし、流れのある水は汚れや生々しさを感じさせない。女の圧勝かと思いきや「白桃の花」で一発逆転の展開が良かった。
0255文字
頭痛い子
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泉鏡花を初めて読んだが、めちゃくちゃ面白い。泉鏡花の存命した明治〜昭和初期の話だけど、令和になった今読んでも遜色なく胸うつもの、『おもしろい!』って感じるのは小手先の技術や話筋ではなく、人間の根源的な部分、いやらしい部分を書ききっているからではないだろうか。文体、リズムも素晴らしいし、内容は特に目新しいでもないのだが、読み始めるとするすると先を急ぐように読んでしまう。まさに名作の所以だろう。amazonによれば『外科室オススメ』とあったので読みたいところ。ちなみに泉鏡花は男性です、あしからず。
頭痛い子

あらすじだけならwikiだけでも漫画だけでも十分なのだが、この高野聖の核心部分というか、楽しいところはその独特なリズムと文体だろう。上手い!と唸る。

02/29 10:18
頭痛い子

そうそうそう。そしてこの作品が他の作品と一線を画してるなぁと思うのは、すべてこれが単なる物語ではなく一人の僧が、旅いくとこで偶々一緒になった若者に語ってるだけ、というとこ。僧侶は眠れないから一つ話を聞いてくれまいか、みたいたとこから始まるのだが、それがねぇ…なかなか無いよね…。幻想世界だけかと思いきや、途中で行燈の火を気にしてる場面なども織り込まれている。

02/29 10:33
0255文字
nk
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『妖女』の表すところは鏡花さんの女性観か。騙す心と尽くす一途な心。超越した神秘とも妖怪とも分からない化身としての身体。女心の機微が描かれる。主人公の行く手…帰省の汽車の旅中、宿先を共にすることになった高野山に籍を置く僧侶から話される体験談。飛騨の山脈を越えようとする僧侶を惑わせる妖女。なかなか一言で語れないあらすじ。修行に精を出す旅僧対狐屋の女のやり取り、魑魅魍魎に包まれる妖女や襲われる人たちがコミカルな気がした。中々、大きな比喩表現の意味があるのだとしたら、ちと嫌味よね。昔話だから大らかに見られるが。
0255文字
えみ
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妖女は幻想の泡沫の中で揺蕩う。山中に迷い込んだ若い僧が惑わされたのは美しい女性だった。男女の繊細で大胆な欲望と騙事。泉鏡花の作品の中でも特に有名な『高野聖』は圧倒的な誑惑がとても深く記憶に残る。煩悩を消滅させ、悟りを開くはずの僧が妖女に化かされる…という哀しいくらいの「人間」の部分が面白く、それに加え「本能」や「欲」といった通常あるべきものから離れられない「性」に、捻くれた執着心が透けて見えゾクッとする。いつの間にか囚われてしまったような感覚に、最初この作品を読んだ時には戸惑ったが、読むたび魅力に気付く。
0255文字
せら
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境界論、異界論として非常に面白い。いつの時代も月と若い女は妖しい物の象徴であったか。幻想主義の作品としてとても印象深かった。
0255文字
チュウ三郎
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思っていた内容と違ったが、面白かった。なんだろうこの読後感。ふわふわする。イマジネーションが働いた。作者の文章と聖の心根が良かったからかな?蛭の描写怖かったけど、また読もうと。
0255文字
紺青
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初めましての泉鏡花。 これぞ文学って感じ。 旧い言い回しに戸惑ったのは最初のうちだけ。リズムが良いのでどんどん進みました。 名作だからこそ、か。 WEBで読んでるからわからない言葉もすぐ調べられて便利。 現代語訳もあるようだけど、旧いままで読んでよかった。 原語だからこその幽玄がある…と思う。
0255文字
kazi
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本当に独特の文体ですね。作者の美意識とか、難しい話はわかりませが、怪し美しく感じたとだけ。この小説読んだのは初めてだったのですが、小学生の時に学級文庫にあった漫画版を読んだことがあった。。けっこうエロチックな感じなので、周りに誰もいない時を選んでドキドキしながらコソコソ読んだのを思い出しました。
0255文字
なお
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高野聖が語った不思議な物語。主人公は越前への列車の中で四十半ばの僧と知り合う。夜も更け、僧は若い頃の話を始める。飛騨の奥深い山中での事。道を間違えた薬売りを連れ戻そうと引き返すが、それは空間が歪んでしまう前触れだった。蛭が降る森を抜けた先にある孤家。そこには妖艶な女性と不具の男が住まう。僧が目にする川に棲む何処か謎めいた生き物達、そして清める手の心地良さ。翌朝、出立した僧はその女を思うと居た堪れず引き返そうとするが…。13年前に水害に沈んだ村。生き残った妖しい魅力を放つ女は悪しきか、聖なる者であったのか。
TANIZAKI

なおさん、泉鏡花の不思議な世界にいらっしゃい❗❗。泉鏡花の作品、何とも言えない独特感、そして清涼感みたいな世界、魅了されますよね。

10/05 20:33
なお

TANIZAKIさん、コメントありがとうございます(^^)泉鏡花は初読みでした。他の作品も読んで見ようと思います(^^)

10/06 04:59
6件のコメントを全て見る
0255文字
ハッカ飴
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いや~、これはなんとも言えず面白かった。修行の身であれ、人間たるもの、そんなに簡単には煩悩を捨てられるものではないのではないか。
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なおちゃん
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ねっとりした暗さの中に、心が惹きつけられる何かがあった。文体が古いので、ネットで少し解説を読んだ。母性と魔性の二面性があることで、女性は妖艶なキャラクターになると読んで納得。単なる昔話の中に幽霊が出てくる、そう見える物語でも、人の内面を写し出したり、何かの象徴だったりする。そんな魅力のある世界だった。
0255文字
hoiminsakura
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修験者の修行の話かと思っていたら全然違っていた😅。まあ修行といえば修行かな。
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K T
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ただで読めて嬉しい
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あさきりん
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ある僧侶が語る奇妙な話。 外科室や夜行巡査を読んでいたので、高野聖がこんな伝奇ものだと思わなかった。検索してみて作者が日本の幻想文学の先駆者といわれていると知った。 物語の最後、聞き手の男が僧の後ろ姿をを見送りながら 「あたかも雲に駕していくように見えたのである」と言う。 あの僧侶は本当に雲に乗って天へ帰るのではないか?語られた話が不思議話なのか、それとも語った僧侶が人間ではない何かだったのか。読み終えて二重に不可思議な気分にさせてもらった。こういう話はとても好きだ。
0255文字
Ohe Hiroyuki
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泉鏡花の名が一躍売れたきっかけになった短編小説である。▼その表現は何ともリアルである。小径を歩く修行僧の得も知れぬ不安感を掻き立てる表現は圧巻である。▼著者の生涯もなかなか興味深いところがある。この著者にしてこの作品ありと思える一冊である。
0255文字
ふっすん
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得たことは、蛭の描写くらいと下記の下記の比喩くらいか。 キリギリスがもがれた脚を口にくわえて泣くのを見るよう、目もあてられたものではない。 他は、さりとて感銘を受けるものではなかった。
0255文字
グラコロ
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キンドル0円に誘われてようやく鏡花デビュー。なよやかでしっとりした文章かと勝手に先入観を持っていたのが、リズミカルでキレのいい文体で、入れ子の入れ子構成。宿で相部屋になった聖が語る若き日の奇妙な体験話。修行の旅で蛇や蛭がうじゃうじゃの森を抜けると孤家(ひとりや)があり、白痴の男と艶めかしい美女が住んでおり、聖が一夜の宿を頼むと…。これはぜひ寺尾聰あたりに朗読してもらいたい!
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Y田
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ネタバレ宗朝という僧が語る、山の中で起きる不思議奇妙な話。旧道の山道、そこには蛇、ムカデ、蛭、、うっそうとした山の中。そこに馬の鳴き声と山家、中には白痴の男、そして美しい婦人。ここには何かがあると想像させる蝙蝠、猿、そして夜中に押し寄せ僧が休む小屋を取り巻く獣の迫力。僧は女に魂抜かれたみたいになっちゃうんだけど、何か人知を超えた力が働いたんだな。そんな、暗い山の奥、滝、水の印象が残る。
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てらこ
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上人が語る不思議な体験談を、旅宿の薄暗い部屋で「私」と一緒に聞いているような気分になります。幻想的でなまめかしい雰囲気に引き込まれ、あの馬は実は…のくだりでゾワ〜っとしました。
0255文字
れーにゃん
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泉鏡花は『外科室』の現実的でなさすぎる描写にドン引きしてしまって以来。『高野聖』は旅僧が若い頃の体験談を語る形になっていたからか、幻想的な印象が先行しすぎず、まとまりが良かったと思う。
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genyaman
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読み終わってみれば、どこかで聞いたことのあるような妖怪譚のような感じですが、和尚の語り口のせいか終始和やかな雰囲気で読みやすく、またそれが真実が分かった時の恐怖感を引き立てていると思いました。また、導入といい、時々和尚の話の世界から現実世界に戻ったりと、構成も飽きさせず見事だと思いました。何より、慣れるまでは読みにくい古い文体ではあるのですが、独特の美しいリズムのある文体で、和歌でも読んでいるようでした。青空文庫で読むと時々注釈や解説が欲しいと思いますが本作はふりがなも多く邪魔されず本文に集中できました。
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犬を飼っています。
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ひゅーどろと化けて出てくる幽霊は、江戸期の上田秋成も書いているが、上田の書く霊はどれも男性だった。鏡花の書く霊は、男を誘う艶やかな魔性の美女の姿だ。文体こそ江戸の戯作文学じみた古臭い形だが、しかし化け物の在り方は西洋のサキュバスなどのイメージに近いように思う。鏡花はどれだけスケベだったんだろう。
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くろねこ
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ネタバレ「痛みを和らげる事ができる特殊能力を持った医者の娘。足の外科手術で失敗し、不具となつた白知の少年を家まで送り届けた際、大雨洪水の被害で医者の父も家も失い、少年と世話人のおやじの3人のみ山の上で生き残った。やがて娘は、よこしまな考えを抱いてここへ迷い混む男どもをたぶらかし、飽きると動物にかえてしまう妖女と成り果てた。主人公が追ってきた薬売りは馬に変えられ売られていった。」とおやじが教えてくれた。主人公に対しては本気の恋をしていたのか、見逃してもらい里に帰れる。
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NANA
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ネタバレ虫が何よりも苦手な私にとっては究極の怪奇小説だった。山家に至るまでの道中の描写はまさに地獄、二度と読み返すことはないだろう。ようやく人に出会っても、どことない怪しさに拭えない不安感。作品を通しての薄気味悪さはなかなかだ。全てを知ってから読み返すと、また違う不気味さを感じるのが面白いところ。
0255文字
おこめ
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金沢に行く用があったので読んだ。さらっと一読。読みやすくて文章がきれいだけど、さらっと読みすぎて途中から内容についていけなかった。
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Natsume
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ネタバレ最近どうしても長編を読む時間がとれないので短めなのを。ストーリー自体は奇抜なものではないのだけど、描写の巧みさ(今の感覚からするとちょっと古くて読みにくい明治時代の日本語がかえって深みを与えている?)で、孤家の女の聖とも邪ともつかない「神性」と「魔性」が際立つ。
0255文字
diet8
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読みやすかった。これの五年ほど前に書かれた樋口一葉のたけくらべは古語のようで読みにくかったが、これは全く問題ない現代文。話は、旅の途中で出会った中年の僧侶が、同室の寝床で話す別の旅行時の不思議な体験。寝床での話だけで終わる。特に奇抜なシナリオではない。文章の完成度が高いようだ。
0255文字
Kei
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想像していたよりも短い本であった。この年代の文学がよく分からないので、少しでも多く知識を吸収したい。
0255文字
近内勇三
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ネタバレ泉鏡花作品は音読すると読みやすくなるのが本当に不思議だ。 本編に関しては、「人間のことを暇つぶしの玩具くらいにしか思っていないヒロインが、なぜ主人公だけは見逃してあげたのか」 「なぜ主人公はヒロインのもとに戻らなかったのか」 「馬方と少年はなぜヒロインと暮らしていけるのか」とかを考えだすと、とんでもなく切なくなる。名作。
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