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高野聖 (集英社文庫 い 27-1)

感想・レビュー
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炬燵職人
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初めて泉鏡花をさわる。かねてより幻想的な作風と聞いていたがその通りで、現実離れしているのに情景が容易く浮かぶくらいに素晴らしい文体でじっくりじっくりと読むのが楽しかった。ただし夢遊感あふれる世界観ゆえに速読とは相性が悪いため、初めて手に取る方は先に短編を触る方が良いと思われる。本書も短編集であるが多少長い文となると根気が求められ、特に高野聖の特に後半は頻繁に文字が滑ってしまった。「根気…つけてこう。」そう思った。
0255文字
misa
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「星あかり」「海の使者」は初読み。「高野聖」は以前読んだ時とだいぶ印象が違った。自分に負けなくてよかったね、ギリギリだったね、とニヤリ気分。美しい薔薇には棘がある、だ。
0255文字
いのまる
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ネタバレ恐怖場面の描写に迫力や臨場感があって、ぐいぐい引き込まれて読んでしまった。 恐ろしさの中に妖しさや美しさがあり、どの話も日本の情緒と不気味な雰囲気が混ざり合っていて、とても魅力的だった。 『高野聖』のお嬢様の官能的かつ魔性の美しさを、28歳の頃に書いているんだから凄すぎる。 表題作はもちろん、『星明り』『眉隠しの霊』がとても良かった。
0255文字
バズリクソンズ
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9歳で最愛の母を亡くした鏡花。以後その影響が作品に反映されているとの解説は、自作の女性の描写が母性愛を基に色濃く醸し出された作品に仕上がっている5作。そしてどの作品も生命の大切さを痛みを伴って訴えてくる。このような作品に出会える度に日本に生まれて、日本語の奥深さを味わうことが出来ることに感謝したい。尾崎紅葉に弟子入りを志願も最初は受け入れられず、弟子入り果たしても苦しい生活に自殺に思い至った程。高野聖はそんな苦労多き鏡花自身の人生の体験、縮図のような気がしてならない。生まれ故郷金沢の匂いが立ち込める作風。
0255文字
IchIbeI
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ネタバレ一人キャンプ一人登山の前に一読の本。仏教は自然崇拝ではないがゆえに高野聖の観察力が自然で妙に残る言葉となって心に沁みる。自身の姿を見て、欲を梳り落としてもそこには見えるものが出てくる。 獣との交わりは種族保存の法則であろうか。愛の対象は人間でなくとも良いのは現代のLGBT思想に繋がる。 まるで地球の歩き方 ファイナルファンタジーのガイドブック。怖いもの、不思議なことがいっぱいで面白い。
0255文字
今野琢
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私(旅僧)は喉が渇き茶屋に入ったところ、付近で恐ろしい病が流行っていることを思い出した。茶屋の女にこの水は井戸のか、それとも川のかと訪ねたところを富山の薬売りに聞かれ、薬売りは「女ができないからと坊主になって、でも生命がほしいんだな。生命が危なくなったら薬をやるよ。」と馬鹿にされた。私は逃げ出し、むやみに急いでいると、先程の薬売りが無言でわざとらしく私を追い越し、危ない旧道の方へさっさと行ってしまった。見殺しには出来ないと思い、薬売りを追いかけることにした。
0255文字
ぶれこみ
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文体が美しい。描写も美しい。芸術性が高くて、はじめての泉鏡花でしたが、読後感がとても満足いきました。高野聖が結構俗物で、仏教的要素はすくないですが、妖怪のような山の女がとても魅力的に描かれていて、おもしろかったです。
0255文字
大粒まろん
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女が男を人以外のものに変えてしまうという、怪奇譚といえば、これを思い出します。飽きたら捨てるだけでなく、人でもなくしてしまうという、、。男が阿保なのか、女が恐ろしいのか、、、あ、どっちもか笑。
0255文字
ehirano1
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表題作の「高野聖」が印象に残りました。坊さんに語らせると普通とは何か違った印象になります。その『何か』の正体は「聖」対「エロス」、「聖」対「ファンタジー」という『対』ではないかと思いました。その意味で素晴らしい技巧が味わえる作品ではないかと思います。
0255文字
Urmnaf
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百年以上前に書かれた、和製ファンタジー。この版は新仮名にしてくれているのでまずまず読みやすいが、それでも語注がいるくらいにはわからない言葉も多い。それでも、表題作である「高野聖」や「眉かくしの霊」など、ベタだけど幻想的の一言。ゾクゾクする怪異譚。聞き手と語り手がいて、不思議体験が語られ、その後にその怪異の「意味」が明かされるという、ミステリ的構成でもある。まあ、怪談なんだけど。天野喜孝さんの表紙も良いよね。
0255文字
PIYOBLACK
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半年前、金沢旅行を機に読んでいたのだけれど、オーディブルで再読。幻想的。やっぱり、女の人が悲しく思われてならない。旅僧は最後こんなに葛藤していたっけ?優しさを建前に、欲に走るのだと思うと、それもいい気分ではない。
0255文字
マルチーズ署長
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古風な文で綴られた独特な雰囲気の話。「外科室」は手術に際し、秘密を口走るのが恐いのだと麻酔を拒否する美しい婦人。死をもって守ろうとする秘密の恋。「高野聖」山の中で旅僧が出会った美しい女。水浴びをする女に絡まってくるヒキガエル、猿、蝙蝠。それらの生き物達は実は…。不思議に怖いような美しい情景が浮かぶこの2作が良かった。
0255文字
ふぉーるととれらんす
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昔の言葉で書かれているのでとても読みづらいが、有名になるんだろうなという文脈は読み取れた気がする。外科室が一番好き。
0255文字
ひろりん
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初読みです。表題作の「高野聖」ですが、何とも不思議な話です。特に山中の一軒家で出会う女の謎めいた艶めかしさ。思わず引き込まれるのですが、その謎が解けたときのぞくっとくる恐ろしさ…。言葉が古くて読みづらくはありますが、吸い込まれて読んでしまう感じでした。
0255文字
二木康全
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泉鏡花『高野聖』  飛騨から信濃への道中、旅の僧は、山中の一軒家で一夜の宿を乞う。だが、その一軒家に住む女性の正体は……。作者は、私の地元の金沢では有名な人物ですが、恥ずかしながらこの年になるまで作品を読んだことがありませんでした。しかしながら、読んでみて、「こんな素晴らしい作品を書く人物が金沢から生まれたのか」と感動しました。
0255文字
なにをさくらに
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和歌を思わせる文体で幻想的な神話を、ユーモアをこめて描く
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ののこいちご
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若い僧侶が山に迷いこみ遭遇した不可思議な美女にまつわる話。描写が精緻で恐ろしく、不安を感じる。僧侶とともに自分も身の毛がよだつ。しかしながら先が気になり読み進めてしまった。なんともいえない読後感。今後山に入るときはこの体験を思い出してしまうと思う。
0255文字
舟江
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数十年振りの再読。少しエロチックなところもあり、構成もしっかりしており、楽しめた。文章のテンポも良かった。
0255文字
徳島の迷人
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高野聖を始めとした泉鏡花の短編集。全体的に旧字体多く難しい。というか鏡花ならではの表現や造語も多くてますます分かりづらく、物語に入り込んだり理解することが難しかった。しかし読めるところに関しては引き込まれる感じがある。長さや内容的にも、やはり表題の高野聖が良いと思う。何というか、生理的嫌悪さや艶めかしさを含む精神的エログロ系。奥ゆかしい女性らしさというより母性なんだが、支配者としての母性のような。
0255文字
おすし
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鏡花の流麗な日本語たるや、私は日本語が読めて良かったな、とつくづく。美しい女の描き方といったら言わずもがなですが、『海の使者』はクラゲきれいだな、という話をこんなにまで幻想的で幽玄な宝石箱(あらぁ、なんてチープな表現w)のように描けるのか。心に残るのはやっぱり『高野聖』。蛇や蛭もメタファーだろうか。直接的な官能表現は全然無いのにセクシーで耽美。『外科室』作中の“ブスがゴミのようだ”的な台詞は、他の美しい描写と対照的にひどく残酷で頭に残っている(笑)
islet☮

ナイスですねぇ✨←コレ万能ですねぇ(笑)

07/05 07:40
おすし

islet☮サン 万能でナイスですねぇ✨ クセになりそうですねぇ✨

07/05 12:30
4件のコメントを全て見る
0255文字
4X4
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あでやか。この本を誕生日にくれた友人に感謝。でなければ一生、鏡花とかちと難しいわ……って忌避していたことだろう。他のも読んでみたい。
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梅屋さくら
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ネタバレ初めは読みづらさになかなか先へ進めずにいたが、終盤はこの言葉にも慣れてきた。〜で、のような今ではあまり見ない日本語に出会えたというかんじ。内容は私があまりうまく読めていないのもあって怖いなの一言でも済むが、これぞ文学、というものを見た気分。
0255文字
Lycopene_Reader
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古い語句表現が多く、読み込み難く時間がかかってしまった。 どの話も、薄い不安や怖さの表現に優れ、ひんやりと感じるけども、どことなく軽快。 主語や動詞をわざと省略しているところが多く、話の筋を見失い疲れるのだが、草迷宮と呼ばれるこの曖昧な文章は、案外揺られるようにリズムが良い。 人間の深層を、自然の不気味でひんやり恐ろしく感じてしまう部分に融和させている。 話の内容は面白いというわけではないけど、深層の投影法というか、自然の中に融け込ませる文章や、文体の巧緻さを感じた。
0255文字
MD
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山の中、蛇や山蛭に身震いがした。月光の中で水浴びする幻想的な情景が美しい。不思議な力を持つ女に魅了される。まさか妖怪とは。人は煩悩と向き合いながら成長していく。
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ツリー
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薄暗さの中の美しさを感じた。今までに読んだことのない言い回しが多かったので少し読みにくかったが、怪しげで奥が深いような風景はありありと身の回りに感じた。二度三度読むことでよりその風景の中へと入り込める気がしたので、また魔 がさしたら読もうと思う。
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野里子
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以前から読んでみたかった、表題作の「高野聖」をようやく読む。泉鏡花は初読のため、独特の文体に慣れるまで少々手間取った。婦人が僧に、決して都の話をしないようにと釘を刺す場面は今後の展開に向けた伏線かと見当をつけていたが、特に回収されず肩透かしを食った。また著名な「外科室」は、貴船伯爵夫人の無麻酔での手術を前にしても引かぬ気迫に清潔な凄まじさを感じ、高峰医師への台詞も静かな情念が迸っていた。それだけに、下における文章はまるごと上の説明に終始した蛇足に思われてならない。幻想的な表題作と、妖しく異界に誘う他四篇。
0255文字
relaxopenenjoy
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長い間読みたいと思っていた泉鏡花を漸く読んだ。新仮名遣いとはいえ、独特な文体や古風な言葉で、やはり現代の文章に慣れた今では読みにくさは否めなかったが、描かれる世界観、自然のおどろおどろしさ、匂いたつような女性の美、色気、人の醜さ、など、引き込まれ、美しい文章に酔いしれた。一度さらっと読むだけでは理解しきれず、解説を読み、理解がより深まった。外科室、高野聖、眉かくしの霊 が良かった。表紙は天野喜孝氏。俳優奥田瑛二氏の寄稿もあり、絵がうまくて驚いた。
relaxopenenjoy

鏡花といえば、谷崎の「文壇昔ばなし」で鶏鍋をつつく話をまた読みたくなるw 谷崎(明19-昭40)と鏡花(明6-昭14)、全然作風が違うようで、幻想的な話や、妖艶な女性が出てくるところ等は似てる点もあるように思い、今年も彼らに限らず同時代のものをもう少し読んでいきたい。

03/11 13:21
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Moca
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よくわからない昔話。 ホラーではないですよね????((((;゜Д゜))) 何故かお坊さんが大変な目(蛇と遭遇、蛭に吸われる)に遭ってしまい、宿に行ったが美しい女中がいて、一夜過ごした。薬屋は変なやつだけど、女中は色気があるが、妙に変なやつだ。 一夜過ごしたお坊さんは親父さんに聞いてへ?ってなった。意味分からなかったけどね。
0255文字
奇月針
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落語家が話をしているようだ。妖艶な女が登場する高野聖。然し、睫毛が長い、瓜実顔など女の具体的な描写は全くないのに何故か艶かしい。また、文章よりも先に音が入ってくる。だからかその場にいるような錯覚に陥るのだろう。にしても、この人の文章は声に出してみたくなるほど綺麗で流暢だね。
0255文字
KAZ
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**+「外科室」なんと自由な書き様だろう。文調は明治のものだが、その構成は勢いよく描いた前衛絵画のよう。「高野聖」本当に良くできたおとぎばなし。「眉かくしの霊」この怪談めいた話にはつい引き込まれてしまうが、時々話が解りにくくなる。1905
0255文字
yayoi
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女が婀娜っぽくていい、男を誑かす女大好き
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バンル
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なんとも綺麗で幻想的な比喩表現。 そして、怒涛の勢いで繰り出されるオノマトペ。まさに芸術。海の使者なんて美しすぎる。 高野聖も自然描写がとてもリアルで鮮明(特にヒルの森)。日本語が読めるうちに読んでよかった。
カブトムシ

私は本ではなく、CDを聴きました。佐藤慶さんの朗読がとてもいいです。何度も聴きました。確かに、ヒルの森が妖艶ですね。

06/16 00:38
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きら
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泉鏡花は、あまり好きではない方なのですが、高野聖だけは、幻想的でとても好きです。
カブトムシ

確か尾崎一雄や阿川弘之のインタビューに応えているテープの中で泉鏡花に触れていると思います。この録音テープは、少し前は、図書館から借りて来てました。今は、YouTubeで聴くことができます。

06/26 23:34
カブトムシ

志賀直哉の「泉鏡花の憶い出」という随筆には、「化銀杏(ばけいちょう)」を「再読してやはり感心した」と書いています。肉声のインタビューに応えたテープでは、尾崎紅葉の「多情多恨」誉めてます。「紅葉山人のものはよく読んでいたから、敬意を持って、行列を見送った。……」と随筆には書いています。

08/06 00:48
4件のコメントを全て見る
0255文字
Kohei
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金沢旅行で泉鏡花記念館を訪れたのを機に、本書を手に取りました。はじめの三編は文体が古く、なかなか読み進められませんでした… 高野聖は読めることは読めましたが、二重の入れ子構造でなかなか複雑でした。それでもやはり、名作。しっかりと整理して、読み進めようと思える程に引き込まれます。著者の描く女性はもちろん、総じて世の女性は魔力を秘めているのでしょう。エログロナンセンスとはよく言いますが、名著はいづれも備えているようです。
0255文字
sshota0313
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泉鏡花の筆の力ここに極まれりだと思った。山越えの大蛇と大きな山蛭の箇所は本当に鳥肌が立つほど気色悪かったし、山間の孤家の婦人の妖艶さ、月光の下の水浴びのシーンはエロさが半端なかった。鏡花作品に描かれがちな運命に囚われる人間の絶望、みたいなものは書かれていなかったけど、幽玄で妖艶で薄暗い、鏡花の世界観を堪能するにはとてもいい作品だと思った。
0255文字
lethe
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薄暗がりに光る真っ白な肌の妖しさ。この世のものでないからこその美しさ。
0255文字
さささいちゃん
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泉鏡花作品は、多分学生の時以来。独特の文体で読み始めは読みづらさもあったが、読み進むうちにだんだん慣れてくる。できるだけ想像力を働かせて、最後には解説に助けてもらいながら読んだ。明らかにこの世のものではないものの描写がよく出てくるが、その儚さ妖艶さに惹かれて止まらなくなる。短編集なのでとっつきやすかったです。他の作品も読んでみたい。
0255文字
つんどく
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初・泉鏡花だったので文に慣れるまでは大変だったけど慣れたらよく伝わった。しかし旧仮名だったならもっと読むのに手こずったかもしれない。前の三作はそうでもないが、「高野聖」には動きがあって「眉かくしの霊」にはユーモアさえあり、エンタメ性が高い。生に向かわず限りなく死に近いエロス、美、素晴らしい。
0255文字
natsuko
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『眉かくしの霊』を再読。ああもう、敵わない。怖さではなく、美しさに身震いさせられる文章が他にあろうか。木曾の山あい、日あしも山の端に傾く時分、さあっと走るひと時雨。それだけでもう舞台はととのったのだ。そんなところにふいに現れた旅籠屋がなにもなかろう筈がない。ちらちらと舞う粉雪。離れの水道から灌ぐ三条の水。月明かりにちゃぷりと跳ねる池の鯉。そしてばちゃんと確かに動く湯の音。物の怪になりきらぬ女の情念はいつでも水面に映し出され、逢う魔が時に妖しげな水音を響かせる。似合いますか、そう問う女心が憐れをさそう。
mii22.

「眉かくしの霊」大好きです♡そうそう、美しさに身震いさせられます!

09/12 21:59
natsuko

miiさん、眉かくし、いいですねえ!今回改めてじっくり読んでもう心がひたひたしました。鏡花はくせになりますね。もっと読みたくなります(^^)

09/13 05:59
0255文字
Mishima
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表題作「高野聖」に期待して読んだが、「外科室」「眉かくしの霊」が、これを凌駕した。山には、なにかが潜んでいる、と体感することは珍しくない。幼少の頃から、山に親しんでいる生活をしてきた身である。が、時として、ぞくっとする空気を感じる、よもや頸になにかが触れたのでは、と錯覚を超えた感覚を持つことすらある。そんな「山の魔」を連想して読んだ。「外科室」は20ページという限られた中に織り込まれた濃密なドラマに唖然とする。あっという間の死から放出する女の情念。これを22歳で上梓とは。ほか「星あかり」「海の使者」収録。
natsuko

外科室は凄いよねえ。22歳と聞いてまたびっくり。眉かくしの霊はうろ覚えなので私もまた読んでみようっと。便乗、便乗。

09/07 19:25
Mishima

あの凄みは何だろう、と思うね。文字だけであれを表現するというのは。なつこっちの引用した文章のところ、すごいね。22才だっていうんたから、、、。

09/07 21:12
0255文字
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