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ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観(Kindle版)

感想・レビュー
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zelda7
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面白かった。半分ぐらいは「アマゾンどきどき暮らし」みたいなやわらかい文章なのだけれど、後半になると一気に言語そのものに焦点が当たって興味深い。
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aquilane
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B
まふ

⇒ピダハン族に対する伝道は著者が4人目であったが、いずれも失敗に終わった。筆者はこれを人類の言語文化の基礎的理解の新たな問題提起と考える。チョムスキーの普遍文法(認知→言語:人間は本能として言語を必要とする=演繹法)に対する民族文法(文化→文法=帰納法)という概念が必要であることへの提案にもなる。この書をどう理解するかがポイントだが、再帰がなくてもコミュニケーションが成り立つという意味では人類の幅は裾野的に拡がっていることが理解できる。とにかく現場が大事、という人類学言語学の基本スタンスを改めて感じる。

08/13 16:09
0255文字
nitoytk
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前4分の1が、アマゾン奥地で研究のために暮らす家族の大冒険物語。これで一般読書をグッと惹きつけ、残りはピダハン族の、著者の専門である言語や考え方の習慣について語られている。見えてくるのは西欧文化(日本含む)とはあまりにかけ離れたピダハンの習慣的な思考。「夢は現実の延長線上にあり、経験として取り扱われる」など。
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nitoytk
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前4分の1が、アマゾン奥地で研究のために暮らす家族の大冒険物語。これで一般読書をグッと惹きつけ、残りはピダハン族の、著者の専門である言語や考え方の習慣について語られている。見えてくるのは西欧文化(日本含む)とはあまりにかけ離れたピダハンの習慣的な思考。「夢は現実の延長線上にあり、経験として取り扱われる」など。
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ぬらりひょん
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ピダハン語の権威である著者の一般向け著書としてはこれが初めてで、”科学ノンフィクション”という位置付けらしい。キリスト教の伝道と聖書の翻訳のため、1977年にピダハン村に入る。7歳、4歳、1歳の子どもと妻を伴って!それまで200年以上ピダハンに改宗させようと骨を折ってきたけれど、誰も叶わなかった。「ピダハンは迷っていなかったし、『救い』を求める必要も感じてはいなかった」直接体験したことしか信じない彼らの信念を持ってすれば、あらゆる障害を乗り越えることができる。それが逆にエヴェレットを無神論者にしてしまった
ぬらりひょん

文字(のことは書かれてなかったけどおそらく)もない、数の概念もない、左右の概念もない、神や創世神話も持たない、指導者もいない、他の文化を受け入れて、より豊かで便利な生活を求めるわけでもない。無い無い尽くしの彼ら。それでも「類を見ないほど幸せで充足した人々」なのだ。グーグルアースでマイシ川を見てみた。ジャングルで川の存在もわからないほど!もうスゴすぎる。

06/17 10:55
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ぬらりひょん
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何度も挫けそうになりながら、やっと読んだよ〜。というのもなぜ伝道師であるエヴェレットが、無神論者となったのかをどうしても知りたかったから。詳しい感想はまた後日。まずは、この本を日本語に翻訳してくれた屋代道子さんに感謝。
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西東京のハリソンフォード
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ネタバレピダハンの事例は、文化人類学や他の土地の人々との世界観の違いについて興味がない人に説明するときの分かりやすい例になる。数がない、明日のことを考えない、包丁で遊ぶ赤ん坊を止めない、自殺を信じない、成員全員に精霊が見えるなど。会話において繰り返しが、他の言語よりも意味を持つというのも面白い。布教に関する障壁と筆者を待ち受ける結末が一番印象的であった。文化・言語・信仰という拘束具。
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Taishi K.
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ゆる言語学ラジオがきっかけで読了。言語と文化の密接な関係を解明した一冊。考えてみれば至極当然だが、私達が普段話す言語には、私達の生活が色濃く反映されている。言語学の研究の過程で言語が文化をどう反映させているか、という議論があったようだが、ピダハン語がピダハンの生活と文化無しで発展した事は考えられない。また、ピダハン語を話すとその世界観に触れる事になる為、サピア=ウォーフの仮説も体験できる。また、この仮説が現代では”弱く”支持されている事も確認できた。言語の発展はそのまま社会の発展と捉えていい。
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コンタミ
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ラジオで紹介されていて。 素晴らしい本だった。著者はキリスト教伝道のためにアマゾンの奥地に来たアメリカ人。伝道したい→聖書を現地語に翻訳するのが一番→言語学者を送り込もう、の経緯が面白い。文章がうまく、どのエピソードも濃く読み応えがある。西洋人がアマゾンの奥地の民族と暮らしたドキュメンタリーとしても面白いし、言語学の本としても楽しめる。 ピダハンの文化・思考には驚かされるし、「私の普通はあなたの普通とは違う」ということを強く実感させられる。幸福度が高い彼らの生き方で、見習いたい部分も沢山あった。
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hironob
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牧師だがキリスト教の伝道目的でアマゾンの少数民族(ピダハン)と一緒に暮らしたら言語も文化もいけすぎて信仰を棄てることになった。 みたいな感じの本。 めちゃおもしろかった。特に面白かったのは、ピダハンが重視している「イビピーオ」という概念。超かいつまんでいうと直接体験が超大切、間接体験は重視せず、過去も未来という概念が希薄で、ゆえに幸福度が超高いという話で、ホモサピエンスに書かれてた、農耕を始めたがゆえに幸福度が下がったという件を思い出した。
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Q
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アマゾンで数百人で生活するグループと30年も生活を共にして彼等の言語と文化を分析する本。本書を読む限りではこの言語は短文を組み合わせて会話をするように思えた。彼等の生活は厳しい。マラリアなどの危険と常に接しているし、子供達は一家の生活を支えるために労働しなければならない。家長の許可がなければ進路を決める自由もない。一方でMITの研究班の観察によれば彼等の幸福度は高いと言えるらしい。制約があっても今を楽しむ気持ちが欲しいと思った本だった。
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オサム兄ぃ
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今もアマゾンの奥地で孤立した言葉を話す人々のもとへ、アメリカ人言語学者が調査に赴く。ところが色も数も左右を表す単語もない独自の世界は容易な理解を許さず、格闘の年月は現代言語学理論の見直しを迫る。伴った妻と幼い子どもをマラリヤで死の危機に陥らせてまでジャングルに赴く著者の動機にビックリなら、物質的豊かさと対極にありながら笑顔に満ちているピダハンの暮らしが著者の内面にもたらす変化にも驚く。人の多様性を思い知ると同時に、互いの文化を尊重し合うことが「成長か環境か」以外の道を拓きはしないかと、妙な希望を持った。
オサム兄ぃ

2012年の新刊時に気づかなかったのは痛恨のエラーだが、この数年で一番ショックを受けた本となった。もう少し長い感想文をブログに書きました → https://bono-bono.blog.jp/archives/1859491.html

11/15 14:53
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26-ring-binder
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ネタバレ梅棹忠夫「モゴール族探検記」あるいは伊谷純一郎「ゴリラとピグミーの森」で梅棹や伊谷が現地の人々に注いだ眼差しと比べてみると面白い。ピダハンの人々の言語には未来形と過去形の両方の文体が最初から欠けていて、数を数えるという抽象性に至っては文化として持ち合わせていない。他の原住民の習俗から影響されて精霊は「見える」ようであるが宗教などもない。そして常に現在時点での自分たちの存在を楽しみ尽くしている。但し生計・生存環境は極めて厳しく、ほんの少しのことが生き死にの境目を分かつ。過酷である。しかし幸せに見える。
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Shinya
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ネタバレ寝るな、ヘビがいるぞ(Don't Sleep,There are Snakes)が原題の科学ノンフィクション。 伝道師にして言語学者のダニエルがアマゾンに赴任する。 目的は少数民族ピダハンへの布教。 20世紀の終わりにアマゾンに布教活動をしようとする熱意に脱帽する。 これって信仰の押し売り? ピダハンの言語には左右の概念も色の名前もない。自ら直接体験した事柄しか信じないため、キリスト教の概念すら理解しない。 いつしかダニエルは信仰を捨て、無神論者になってしまう。 信仰も具体的事実を前にあっけなく崩壊する。
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福
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社会・文化・思考が言語を作る。 日本で生まれ育ち日本語を話す私は作られた私だ。
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あすか
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ピダハンには他の諸言語にあるような、色名、数の概念がない。直接経験したことのみが断定的に発話される。そんな特徴を知るだけでも面白い。が、著者のエヴェレットは「ピダハンの文化が言語の特徴を形作っている」と述べて、文化と言語を切り離そうとしてきた従来の言語学に反証を加える箇所も興味深い。そして、最後にはキリスト教の伝道師としてピダハンに赴いたエヴェレットは、無神論に傾く。物語としても面白かった。
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にゃーご松崎
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原題「眠るなヘビがいるぞ」は、ピダハン語では「おやすみ」の意。アマゾンをどんどん南下した支流の支流沿いに独自の言語、文化で暮らす彼らは現在400名余り。彼らが消滅すれば当然その言語=文化も失われる。それはこの地上を映す鏡が一つ失われ、人類全体の豊かな彩りが消えることでもある。と、この本を読んで深く理解した。現地語訳聖書を用いて彼らをキリスト教化するミッションを負ったダニエルの30年に及ぶピダハンとの交流は驚き、慄き、感情を揺さぶる体験の連続だ。事に出会い異なる文脈で受け止める彼の柔軟性、翻訳こなれて佳作。
にゃーご松崎

本書半分は一般読者向けに言語論の現在をチョムスキー言語論の前後も加えつつ、パラダイムシフトになりうるかピダハン語、の様相。私自身はピダハンの幸福と江戸末期日本を訪れた欧米人が捉えた幸福な日本の子どもたちの笑顔が重なった。しゃにむに欧米化の廃仏毀釈、古い信仰ぶち壊し天皇現人神官立神社を打ち立てた明治発日本の混迷はどこで清算されうるのかを朦朧と考えた。

08/26 16:05
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matthy
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最後に著者自身が研究対象(と言うより、伝道師として布教する対象)のアマゾンのピダハン族との交流を通じて知るに至った真実により自分の人生が180度変わってしまうという、衝撃的な終わり方。でも、これは自分を含めて、ありふれた文化・言語圏に生まれ育ち、そして死んでゆく市井の人間には決して経験できないことである。(仮に日本人が欧米圏を含む、他の文化・言語圏に触れたとしても不可能だ。) ある意味、一人の人間のそれまでの人生や人間的価値観、その全てを変えてしまったと言う意味での実験・体験記だ。
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Kazuyuki Koishikawa
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めちゃ面白かった。言語的特徴やそれが文化的制約から来てるとか言語学的にも文化人類学的な感じでも。
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nori
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ネタバレおそらく今年のベスト3に入る本。キリスト教を広めようと、著者がアマゾン奥地に住む400人ぐらいのピダハン族と生活するにつれ西洋文明との違いに驚き、またあまりに幸せに笑顔で暮らしていることに驚き、ついには信仰を捨ててしまったという内容。その想定外の暮らしもさることながら、私たちの常識に対する問いかけが突き刺さる。その日暮らしの人間について興味があり読んだが、人間にはここまで幅があるのかと目からウロコ。小さな島国日本で行き詰まってる人必読!ピダハン語には「心配する」に対応する語彙がないって凄くない?!
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白熊猫
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今、自分が置かれている場を常識と思う。そうではない、ということを思い出される本。どちらがどうということではなく、今を肯定して存分に生きること。
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mario
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アマゾン奥地に住む、いわゆる「原住民」ピダハンの集落にキリスト教の伝道師として赴任した著者の、長年に渡る体験と観察の記録。命の危機に晒されたり価値観の違いに戸惑うどころか圧倒される著者を追体験するような、読ませる筆致が特徴。刹那に生き、記録や知識ではなく直接体験に重きを置く(日本人の感覚からすると置き"過ぎる”)ピダハンの文化は全く理解できないが、それでいい。 グローバル化とは単色で塗りつぶすことではなくモザイク模様を是とする思想であるべきなのだ。ピダハンはピダハンのままでいい。
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ヤッシー
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私達が過ごしている文明社会は、元々人類が当たり前にしてきたもの、自然との共存であったり、 人間本来の力である自然治癒力などをわすれるように仕向けてしまう。元々ある自然ではなく 人間が作った決まりや抽象的なもの、会社や法律、お金などに価値がおかれ束縛されて生きている。それは集団生活を円滑に進める上でなくてはならないものであるが、人間を傲慢にしてしまった。自然日々感謝して生きることを忘れてはならない。 本来人間は自然の一部であったが、今は自然に とって、害虫になってしまっていることを忘れてはならない。
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Toshi
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これは言語人類学者ダニエル・エヴェレットによる20年に亘る少数民族ピダハン研究のフィールドワークの記録であり、福音派の伝道師として彼の地に向い、信仰を捨てるに至った彼の自伝である。自らの体験談、ピダハン語研究と話はあちらこちらに飛び、時系列も整理されていないが、エッセイのように気楽に読める。ピダハンは言語学的にも特殊で、数の概念や色の名前を持たない。著者はそれを「直接体験の原則」に根差すもので、一般化を必要としないからと分析している。実におもしろい。
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まふ
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南米アマゾン流域の先住民であるピダハン族の言語解明によりキリスト教の布教を狙った伝道師の行動の記録。全体は①ピダハン語の言語自体の特殊性(再帰性欠如、時制が現在形のみ等)②ピダハンの人々の特徴(現在の事実、実体験しか信じない、等。それでも皆幸せそう)③聖書(マルコ福音書)を翻訳し彼らに示したものの、何ら興味を持たない、等により、想像世界である信仰の押し付けは不可能であると悟り、それが著者自らのキリスト教棄教→離婚・家庭崩壊につながる(これが凄い。西洋人の棄教事例に初めて接した)⇒
まふ

⇒ピダハン族に対する伝道は著者が4人目だったが、いずれも失敗に終わった。筆者はこれを人類の言語文化の基礎的理解の新たな問題提起と考える。チョムスキーの普遍文法(認知→言語:人間は本能として言語を必要とする=演繹法)に対する民族文法(文化→文法=帰納法)という概念が必要であることへの提案にもなる。この書をどう理解するかがポイントだが、再帰がなくてもコミュニケーションが成り立つという意味では人類の幅は裾野的に拡がっていることが理解できる。とにかく現場が大事、という人類学言語学の基本スタンスを改めて感じる。

08/13 16:32
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mustache
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アマゾンの奥地に住むピダハンの村に住み、キリスト教の布教を志したものの、その言葉の不思議さに魅せられて最終的に信仰を捨てる筆者のドキュメント。ピダハンの言葉には再帰リカージョン(文の中に文を入れ込む複文の構造)がないなどの独特な正確から、チョムスキーの生成文法理論の破綻を結論づける。ピダハンは見えるもの、見た人の話しか信用しない、神話を持たない、民族の創生物語を持たない、大人と子どもを区別しないなどなど、独特の文化についても詳述する。面白くて一気に読んだ。
0255文字
ジャッキー
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尋常では無く面白い。 キリスト教を布教する為にピダハン族の住むアマゾンへ赴いた著者が、現地での活動とピダハン語の持つ言語的な特異さを解説している本。 まず全ての出来事にインパクトがある。妻と娘がマラリアにかかってしまい都市部へ向かう時に乗客が100人程の船で移動するのだが、なんと船員が船を降りてサッカーをし始めてしまう。「くそいまいましい二時間の間、自分の船で母子が死にかけているのをよそにサッカーに興じるやつらをどうやって殺してやろうかと、あれこれ考えて時間を潰すしかなかった。」真に迫った文章だ。
ジャッキー

あくどいブラジル人にそそのかされたピダハン族の男に殺されそうになったり(ピダハン族は普段は酒を飲まないので、偶にブラジル人から手に入れるとタチの悪い酔い方をする。) ある女性のお産が上手くいかずに助けを求めるも誰も手を貸さずに母子共に死んでしまったり、母親が死んでしまった赤ちゃんを著者が育てようとすると目を離した隙に数人の男がお酒を飲ませて殺していたり、他の部族との殺し合い等、とにかく衝撃的な出来事のオンパレードだ。

07/20 23:53
ジャッキー

しかし、その根底にあるのはピダハン族なりの考え方、文化、哲学だ。そしてこの本を読むとそのピダハン族の持つ文化とピダハン語が密接に関係している事が分かる。言語を文化から切り離して考える事の難しさ

07/23 23:18
0255文字
もうめい
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素晴らしい記録で、とても興味深い話なのだが、自分の能力・感性ではそのすごさを十分には理解できていないような気もする。著者のこともピダハンのことも。思ったよりは「自分ごと」としては響かなかったというか。時間をおいて、再読してみたい気持ちはあるのだが。
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