形式:単行本
出版社:早川書房
中庸な人とは全てを同時には持てないと知っている人である。矛盾する要素の対立は常にあり、どちらの要素にも良い点がある。どちらか一方を選べば良いと言うものではない。一つの真実、一つの価値のために全てを捧げるような「純粋で完璧な人生」など絶対に存在しない。その事実を受け入れるのが中庸な人だ。大志は抱くが、自分の願望をそのまま実現するのは不可能だと知っていて、現実にどこまで可能かを見極めることもできる。たとえどのような状況でも、これで一見落着、問題は全て解決、となるような対策などないことも理解している。
現代では、前者が重視され過ぎている、後者を見直そう、そうすれば真の充足が得られるという主旨。アダムⅡに生きた先人の例が挙げられています。元々私は負けず嫌いの自分が自分がという性格でして、「お金を稼ぎたい、出世したい、ひとかどの人間になりたい」と思っていました。ただ、仕事や家庭で色々な失敗をし、やはり冒頭に書いた経験が大きかったのですが、急に脂ぎっしゅなだけの生き方がしょうもないと思うようになりました(完全な負け惜しみです(笑)、どっちも成功した方が良いと思います)。
だから何ってことだけど、こうして本読んだり、野菜作ったり、山走ったり、海行ったり、好き勝手な生き方ができるのも、安定した社会、雇ってくれている会社、家族や友達の存在、何よりもいつもそばにいてくれる相方、のおかげだと、あらためて非常に感謝していますってお話です。
自分はなぜ生きているのか?自分に限らず、生ある物はこの世界をより良くするために生かされているのではないかと思う。
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