形式:単行本
出版社:苦楽堂
学生の頃に京都の恵文社によく通っており、そこで「書店の棚の前で予想外、かつ一生ものの出会いをする楽しみ」と「本に関連する展示でこれまで知らなかった世界が拓かれる経験」を愛する人間に育てられたように思います。良い書店は本好きを育てるという意味でも、本を愛する方がこのように書店を営んでくれていることに感謝。
【「毎日のほん」で「本を紹介するのが本屋の仕事」とい、前から思っていたことを形にできた】<ウェブサイトを開くと、トップページの右端に「毎日のほん」というコーナーがあります。そこでは毎朝8時になると、その日の日付と、その日紹介する本の書名、著者名、出版社名、140字程度の紹介文が自動的に更新されるようになっています。140字程度というのは、ちょうどツイッターで紹介できる程度の文字数ということです。>と。わたしは、この書評を一冊の本にした『365日のほん』によって著者を知った。その見事な紹介文の数々に唸る……
【その日に入荷した新刊やロングセラーを、写真をつけてツイッターで紹介】<そこでは、「その本はどこがすばらしいのか」ということを考えながら短い文を考えます。文章がよい、装丁がその本と合っている、その本の言わんとする考え方がすばらしい、今、出版されることに意義がある……。その本を手に取り、ぱらぱらめくって眺めながら、思い浮かぶことを2、3のセンテンスにして言い切るのです。またその際には、なるべくその本の帯などで宣伝している文句とは重ならないように気をつけています。表紙の写真を撮り載せているので>、と。そう……
自分の好きな本だけ集めて客が全く来なくても良い、本屋。そんなものなら本を読む時間がとれるかもしれない。それは人に売っても良い、書斎という形態か。恐るべき傲慢な。昔小学生から毎日通っていた古本屋がそうだった。世捨て人の様なおっちゃんがひたすら本を読んでいて、合間に接客していた。憧れだった。時代の波に溺れ、もうとっくに無くなってしまったが、懐かしい。 働かなくても良くなるほど稼ぎ切った後の夢だな。
仕事についての考え方にも共感。働かずに生きていけたらいいけど、財産あるわけでもなし、何かしら生業を持たなければいけない。どうせ仕事するなら好きなことがいいけど、好きを仕事にしたとしてもバランスが意外と難しい。でも、自分の仕事が「必要」だからやるという考え方なら、心が満たされる。
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