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場所 (フィクションのエル・ドラード)

感想・レビュー
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しょう
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ネタバレバスを待っていたはずなのだが、目が覚めると見知らぬ部屋にいた主人公。ひとまず脱出しようと部屋の扉を開けてみるもそこは似たような部屋。かの名作映画の「Cube」を彷彿とさせる出だしとなっている。読み進めるうちに謎が一つまた一つと増えていくが、それらが読者の腑に落ちる形で解明される事はない。徹底して謎めいた構成となっており、部屋ごとに食料がおいてあったり、人がいたりと部屋ごとに特質も異なるが、ただそれだけである。何が狂っているかも判然としない世界観だったが、妙な面白さを感じた。
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ちびあんすも
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人間の思考が考えることを放棄したら、秩序というものが崩壊する。開けて開けて開けた先にあるもの。未来であり、過去であり、現在でもあり。もがき、苦しみ、たどり着いた場所は、男が求めていた場所なのだろうか。 書くことで整理し、生み出した男はこれから何を作り出していくのか。 個人的に、2部3部と進んでいくにつれて、幻想というか奇天烈というか。独特の世界観に魅了された。
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あたびー
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目覚めると見知らぬ部屋にいて、ドアを開けると似たような部屋があり、またドアを開けると…こうした状況が無性に好きだ。ネタバレになるので多くを語れないが、その後主人公は自宅へ戻ろうと彷徨し、最終的には戻れはするのだが…場所の異常さだけではなく、主人公の行動にも「なんで?」感が常に付きまとう。こうした作品を読む時に、「アレはアレの戯画化である」とか「象徴である」といった読み方は好きでは無い。あるがままに受け止めてゾミゾミしたまま本を閉じる。そうした体験を存分に味わうのが良い。1940生まれウルグアイ人。
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カフカ
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ネタバレ面白かった…!目覚めたら見知らぬ部屋にいた男。扉があり、そこを開けるとまた別の部屋…そしてそこにも扉がありどんどん部屋が続いていく。部屋には家具や食べ物が置いてあったり、言葉の通じない家族が住んでいたりと、謎だらけ。ここはどこなのか、元いた場所に戻れるのか…不安に襲われながら先が気になりすぎて頁をめくる手が止まらず…。ウルグアイのカフカや安部公房と言われるように、不条理文学。でも更に読みやすくてエンタメ感があるように思えたが、結末は考えさせられる。これは100分de名著で特集が組まれたら面白そうだな。
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とっしー
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夢と現実の入れ子構造のような世界で、生命への固執、欲望への執着、帰還への執念を綯い交ぜにしながら歩み続ける男。通路の先に広がる空間で紡がれる信頼や裏切りは現実のようであり、それでいて次の扉の向こうには粗雑な暴力や性が支配する非合理な空間が待つ。日や年月は繰り返されるようで、一周後にたどり着いてみれば、まったく別の次元への中継地でもある。ついに男が帰着したそこは、男が渇望していた場所ではなかった。
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monado
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目覚めると知らない個室、そして行けども行けども部屋が連なっている……という今の映画にありそうなシチュエーションでありなりながら、章が進むごとに、舞台のスケールが部屋から庭、都市へと変化してゆく。 第三章の壮絶な展開からのラストの一節に、短いながらも壮大なドラマを感じることができた。
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のりまき
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面白かった。突然真っ暗な部屋に放りこまれる。手探りでドアを見つけて開けるが次もまた真っ暗な部屋、入り口のドアは一度閉まれば二度と開かないので一方にしか進めない。ひたすら開けて部屋を渡って行く。やっと明るい部屋にたどり着き、人に出会ったと喜んだもの束の間、必死に困窮を訴えても言葉も気持ちも通じない。隣には一人用の明るい部屋が。観察している誰かが存在しているようだが、明かされない。なぜ?は解明されることない。が、ラストの一章、そんなことはどうでもよくなる。『私にとって、私が余所者なのだ。』それで腑に落ちる。
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刳森伸一
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目が覚めると自分が見知らぬ小部屋にいることに気づく、という誰しもが一度は考えたことがあるような出だしだが、その後の展開が非常に面白い。悪夢のような幻想的な語りには陥らず、頽廃的でありながら、あくまでの写実的であり、それでいて不可解さは増していく物語は唯一無二ともいえると思う。
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Gael
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解説によるとカフカ、安部公房に通じるらしい。個人的には村上春樹を思い出しながら読んだ。
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くじらい
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3部構成の1部は『CUBE』的な不条理で大好きなのだが、2部以降は外に出るし内輪揉めはするしで趣が大きく異なり、どうにも評価しづらい。ウルグアイの安部公房的作家らしいが、もう何冊か読んでみないとよく分からんな……と思ったら、邦訳はこれだけだった。無念
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宮永沙織
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目が覚めるとそこは別の場所だった。 集団無意識に触発されたウルグアイ作家の作品。 孤独を紛らわすために、内側から自分を憎み、内なる私に反抗するためだけに、今まで出会った人たちを利用したのではないか。奇妙な事に手が勝手に文章を書き、答えのない問を問い続けている。
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きゅー
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意識が戻ると自分が暗い小部屋にいることに気づく。記憶を呼び戻すと、自分はバス待ちの列に並んでいたはずなのに、なぜこんな所へ。悪夢の様な世界の描写が続く。物語は二つの可能性を内包しつつ進む。この監獄は世界そのものを意味している。或いは、この監獄は自分そのものを意味している。世界が狂ったのか、彼が狂ったのか判然としないが、いずれにせよここに見つかるのは救いではない。決して抽象的な物語ではなく、場面場面のイメージが鮮烈だ。論理的な世界ではないため、次に何が起こるのか予想できない。引き込まれるように読み進めた。
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balanco
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ネタバレ好き
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ぴょん浜
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カフカでも安部公房でもなく、ウルグアイのモンテビデオという土地で形をとる集合的無意識。
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のせなーだ
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場所を求めてドアからドアへ、その背中を追うように引き込まれる。「何を根拠にここが未知らぬ場所だと判断するんだい?自分が残してきた生活かい?」フランス人のように見える出口を選択する人。ドアを開け続けるのとは対象的だ。自分が自分であり、自分の意思で生活できる場所とは。どこにいても余所者か。ひきこもりドアを閉ざす人。人格ある人間として安全な居場所がないのを苦に自死する人。無意識、不条理、夢か何が現実世界か。身体と場所、暫く考え余韻が残る。所詮仮の身分と場所。耳には疲れた空気Hotel California♬
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nightowl
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ドアを開けても開けてもそれぞれ違った部屋。おまけに今開けたドアは開くことはない。漸く話の通じる人々と出会うが...奇妙な状況が気になりあっという間に読了。結末から察するに他者との断絶を感じながら彷徨い生き続ける主人公をただ書きたかっただけ(のはず)なのに、見せ方がねじくれているせいで文学というより奇妙譚になっている不思議。同様の作風でこの無駄の無さならもっと読みたい。
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かもめ通信
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ある日目覚めると、彼は暗闇の中にいた。そこは自分の寝室ではなく、見知らぬ部屋でマットレスも毛布もないフローリングの上に外出用のコートを着たまま寝ていたのだ。手探りで部屋をさぐり、ドアノブを見つけてありったけの勇気を振り絞ってドアを開けてみると、そこにもまた同じような真っ暗な部屋があり、さらにまた手探りで探り出した次のドアを開けると、ドアの先にはまた見知らぬ部屋があるばかりだった。ウルグアイの作家が描くのはいわゆる“不条理”ものだが、難解なことはなく読みやすくさえある。面白かった。
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TKK
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ネタバレ初のウルグアイ作家。映画「CUBE」のような出だし。見知らぬ部屋で目覚め、部屋から脱出しようと扉を開けるも次々と同じような部屋が続き、いつしか時空の捻じれに心身が荒廃していく。。男はこの「場所」から抜け出せるのか?第1章はハラハラドキドキ非常に面白かったのですが、第2章第3章と進むにつれ冴えがしぼんでしまうように感じ、もったいないなと思います。翻訳作品に多く感じる違和感はなく、とても読みやすい本でした。
nobi

大丈夫です。消えてます。ネタバレにするとコメントも”コメント”をクリックしないと表示されないようです。

01/21 07:38
TKK

nobiさま、ありがとうございます!不安に思っていたところです。コメントもそうなんですね。nobiさまのお優しさに感謝します(^^)/

01/21 10:01
3件のコメントを全て見る
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Armadillo Hidaka
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★★★★☆ 不条理ホラーミステリーのような出だしから、日常ということと生きるということと生きていくということ…などいろいろ考えさせられる。なんだろう、この目の前に次々浮かんでは消える風景は。しばらくしたら再読したい。素敵な小説。 この作家の他の本も読みたい!
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ヘンリー八世が馬上試合で死んだことは内緒
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すっごい良かった
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qbc
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インポート
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だまお
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ダンジョンクロゥラァアア。文学というよりはCUBEやリミットあたりの密室映画に近いノリだから気軽に楽しめた。
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mejiro
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気がつくと、男は部屋が延々と連なる場所に閉じ込められていた。出口を探す途中で、彼は同じ境遇の人々に助けられる。彼らは奇妙な状況に順応するが、男は留まるのを拒み、親しくなった女性と子どもを連れ脱出しようとする。進み続け、最後に辿りついた場所で、彼の心に去来した想いが印象深い。何度か留まる機会があった。だが、内なる衝動に駆られて、彼は進むことを選んだのだ。本書を読みながら、ディーノ・ブッツァーティを思い出した。
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かわうそ
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映画「CUBE」のような導入部からはじまる主人公の探索はエンタテイメント的要素が強く、不条理な作品とはいえさほど難解ではない。結末は落としどころに困ったようにも感じられたけれど全体的には楽しく読めたし、三部作の残り2作も翻訳を期待しております。
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HANA
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目覚めるとそこは見も知らぬ部屋、閉じ込められた場所からの脱出を試みるというのは不条理劇でよくあるシチュエーションだが、本作はそういった通り一遍のサスペンスではなく何となく全編夢の中を彷徨しているような印象を受ける。それは出口を求めて行動する部分や建物内部で出会う奇怪な人々だけではなく、第二部の共同生活や第三部にも共通しているような。特に第三部での謝肉祭的狂騒は悪夢が行き詰っての破綻を思わされるし。カフカが引き合いに出されてるけど、ああいう不条理そのものではなく霧を通して世界を見ているようなイメージだった。
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雲水峡
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平日休み気分で一気読み。久々だな不条理ものにハメられる感覚、映画でこういうのあったような…でも文章で追う方が明らかに面白い。リャマサーレスによる帯文の「窒息寸前のカフカ的雰囲気」というのが気が利いていると思うが、ならばカフカをもっと掘るべきかとも。「余所者は私だったのだ」という最後の最後の独白がしびれる。「意図せぬ三部作」と作者が呼んでいるという、他二作もぜひ読みたい。
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seiji
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不思議な感覚。
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niam
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当初はベケット風かなとも思ったが、SFのようでもあり、不条理な空間をどこまで押し拡げられるのか、不安の感情をどこまで読者の内に持続させることができるか探究するかのような作品だった。作者自身は必ずしも満足のいく展開ではなかったらしいが、名付けようもない様々な場所を彷徨うことと書くことを結びつける終結部のカタルシスはなかなかのもの。濃密な夢にどっぷり浸かり切ったような読後感。
niam

この手の作風は久方ぶりに読んだので、何だか嬉しくさえある。

05/03 19:48
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denden_fish
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寺尾隆吉氏はあとがきの中で安部公房との親近性を指摘しているが、結末に近づくにつれて色濃くなる残酷さや、この小説が書かれた80年代という時代を考えるなら、むしろポール・オースターの「ニューヨーク三部作」とのシンクロニシティについて考えたくなる。それにしてもラテンアメリカ文学には、「もっと読みたい」と思わせる未知の作家があと何人いるのだろう。ひとまずは「意図せざる三部作」の残り二作の邦訳を待望する。
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