形式:コミック
出版社:講談社
形式:Kindle版
何て哀しく 重い十字架を背に負って あなた達はー 唯 大人しくて 演劇の好きな 三人姉妹 また私達の生活を始めるのだわ 生きて行かなければ… やる気 ? /
持って生まれた者と、持てずに生まれた者がこの世にはいる。容姿や環境、運命。人格の形成が生まれついてのものでなくとも、生まれながらにして持つ物は違うのだ。五十嵐幾は容姿を、累は才能を背負う運命を。だから五十嵐幾は残酷だ。解釈が複数あるのも、正義が普遍的でない事も、理解していながらわかっていない。誰かの望みを勝手に汲み取り施そうとする。この行為自体に善悪の概念は無くとも、そうしてしまう事に躊躇いがないのが、残酷なのだ。
ただ醜悪な面立ちから逃れ舞台に立つ為に顔を奪ってきた累は、都合の良い傀儡を作り上げ、騙し、陥れ、望みをなす為に運命に飛び込んだ。それが幸福かなどと、考えてはいけなかった。なぜならその手は血に染まり、決して立ち止まる事など許されなかったからだ。歩き始めた道は、二度と引き返す事など出来なかったからだ。ここから幸せな物語に向かう事などただ欺瞞だ。虚構以上の嘘。運命に決着をつけるとき、再び累が誘われるのはどこか。もしかしたらこの運命の終幕を演出するのに、天ヶ崎は相応しいのかな、と思うようになってきた。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます