読書メーター KADOKAWA Group

家康の遠き道

感想・レビュー
37

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
Fumoh
新着
関ケ原の勝利の後、家康が江戸にて幕府を開いてから、最後の戦いである大坂の陣までの経緯をこと細かく描いている。普通の戦国ドラマではまず描かれない地味な物語であるが、大名同士のパワーバランスを考えたり、スペイン・ポルトガル・オランダといったヨーロッパ諸国との貿易について思案したり、なんといってもキリシタン対策を考えたりと、家康は忙しくて仕方がない。間諜を放ち、謀反の企てがないかいちいち調べ、また豊臣の動向を細かく予想し、折衝をくり返して関係の維持を模索する。徳川の権威が十分高まったことを確認すると、豊臣方に
Fumoh

いちゃもんと無理難題を押しつけて、戦いを決断させると容赦なく叩き潰す。家康の老練な戦いの真骨頂が描かれている。若い頃から支えてきてくれた名臣たちはすでに亡く、若い連中は無能であるか経験がない。仮に有能であっても槍を振るう場所はなく、政治で目立てば潰される。いや、そんな突出した個のない世の中こそ、家康がもたらしたかったものなのであるが、一抹の哀しさもある。家康の力を出し切った充実感と、戦国の完全な終息をその目で見たという哀しみが、ない交ぜになったようなラストだった。作品の評価においては、家康の晩年の完成した

05/16 23:45
Fumoh

政治力を描くというモチーフは良かったものの、そのモチーフに引っ張られ過ぎてドラマ性が無くなっていること、物語の筋がゼロで、ただの報告書のようになってしまっていることは、もったいなく、もう少し読者の印象について考察してほしかったところだ。「これは物語ではない、歴史書だ」と言われても仕方のない内容であるが、歴史書にしたとしても、体系的にもなっていないし物語風にもなっていない。やはりテーマがないのが良くない。どこまでがフィクションなのかもわからないまま。やはりただの情報の垂れ流しになったという印象。

05/16 23:47
0255文字
糜竺(びじく)
新着
1609年から亡1616年まで亡くなるまでの徳川家康の動きがよく分かった。岩井三四ニ作品は読んでいていつも面白いけど、この作品はぼちぼちという感じだった。
0255文字
グランくん
新着
関ヶ原から9年後の慶長14年から死すまでの、晩年の家康を描いた物。 4年前に将軍を2年前には江戸城を秀忠に譲り、駿府へ隠居し大御所となった後が綴られております。 守成は、草創より難しいがテーマで、獲った天下をいかにして子々孫々まで保つかに腐心した、家康の姿が描かれております。
0255文字
みゆう
新着
家康に興味ないが岩井三四二の描いた本は面白いし感動するので読んでみるがやはり興味もてなかった。 家康の関ヶ原の戦い以降はどんな事をしていたのか知らなかったので知識は増えた。
0255文字
さつき
新着
駿府に移り大御所となってからの家康を描く作品。必要以上に主人公に肩入れすることもなく、かといって狸親父らしい腹黒さを強調もしない。そこには自分の死後の世の中を見据え、子孫のために万全な体制を作ろうと心を砕く家康の姿がありました。隙を見せれば侵略の足掛かりを掴もうとするスペインやポルトガル。その二国を出し抜こうと機会を窺うオランダにイギリス。異国との関わりをどうするか。国内で力を持ち始めたキリシタンの動向、頼りない息子達…次々に持ち上がる課題を家康がどう捉えていたのか。想像が広がり面白かったです。
0255文字
チャーリー
新着
あまりかかれない関ケ原から大阪の陣までの家康について。スペインやイギリスなどとの交渉も面白く読めた。サイコパスの話には首をかしげる。
0255文字
ディーノ
新着
大御所・家康の徳川幕府の基礎固めの政務の日々を淡々と綴る作品。あまり動きがないので、活劇を期待する人には不満かもしれません。最後に家康のことをサイコパスと評していますが、彼がサイコパスなら信長はなんというのか疑問に感じました。
0255文字
アニータ
新着
題名から、子供時代から天下を手中にするまでの遠い道のりを描いているのかと思いきや、関ヶ原の合戦以降、駿河に隠居して後、いかに子孫のために徳川の世を磐石にしていくかの道のりでした。興味深かったです。
0255文字
ぴさるく
新着
将軍職を秀忠に譲り、駿府に隠居した家康の「守成」への道のりを描く。天下を手に入れた家康だったが、子孫がこれを保っていくためにはどうすればいいのか。いまだ大坂には豊臣家があり、キリシタンの勢力は侮れず、戦国の世を知らない子や孫、家臣は心許無い。それまで律義さ・忍耐強さを見せていた家康が、天下人になった途端、目的のためには手段を選ばず、子や功臣といえども容赦なく潰していく。すべては徳川の世のため。淡々と天下を固めていく描写にはあまり家康の苦悩が感じられず、スピード感がなく盛り上がりに欠ける印象だった。
0255文字
Book Lover Mr.Garakuta
新着
図書館本:速読、読了済み。面白かった。家康の苦悩がよく覗える。「徳川の敵は豊臣だけではないのだ」
0255文字
洋梨いちご
新着
最近はどちらかというと有名どこではない戦人の小説を読むことが多かったので久しぶりに王道の家康。幕府を打ち立てて、老人となった家康が何を考えて動いたか。人間性はよくわからないけど、健康、知力、武勇とすべてに秀でていた人ですね。昨年訪れたきらびやかな日光東照宮を家康がみたらなんというか聞いてみたい。
0255文字
naka
新着
戦国小説好きにはお勧めの一冊。信長、豊臣と時代を生き抜き天下をとった後の家康の苦悩が綴られている。大阪冬の陣夏の陣を徹底的に家康目線で書かれているので、他の豊臣目線や真田目線の小説を読んでいる人ほど本書は楽しめると思う。
0255文字
おぎわら
新着
歴史または伝記小説。関ヶ原戦後将軍職を秀忠に譲り駿府に隠居しているところから始まり、大坂の陣、死去までの江戸幕府の礎を固める時期を「守成」という言葉で綴っていく。史実に沿って淡々と話が進むが、外交政策やキリシタン問題、大坂との交渉など、若干食い足りない印象。ラスト、通常、歴史小説には出てこない言葉で著者の家康観が明かされる。作中にもその見方はちらほらと垣間見えるのだが、面白い見方ではあるので、いっそのこと最初からそれで押し切れば一風変わった個性のある家康伝になったのではないか。
0255文字
ナイスネイチャ
新着
図書館本。関ヶ原直後から晩年までの家康。とにかく最後の脅威となりうるものの排除が目的。キリスト教などの外威、豊臣家と恩恵武将、武闘派などの取り締まりなど死後徳川長期政権に向けて邁進してました。織田、武田、上杉など凋落ぶりをみているだけに慎重に事を進めていく様を面白く描いてました。
0255文字
とん大西
新着
これは面白かったです。家康晩年、幕府は既に二代秀忠の治世。徳川家も安泰かと思いきや豊臣家の残存勢力、キリシタン絡みの国防問題、頼りない息子達と家臣ら等々、楽隠居出来ない日々を送る家康。内憂外患でひたすら守成の為に政治を司る。老いた創業者の悩みボヤキが人間臭くて面白い。250年後、西郷が解体し大久保が基礎から建直した世は政治家・行政家・軍人というマルチタレントの家康が己れ一人で構築した(極端な言い方だが)治世。時を超え英傑達は繋がる。「翔ぶが如く」との併読、わりと感慨深かったです。(最後2頁は要らんが…)
Bibliobibuli

面白そうなので、読みたい本に登録させてもらいました。

11/26 18:22
とん大西

Bibliobibuliさん、幕府黎明期のアナログな外交問題なんかも幕末と比較したりして結構興味深いです。

11/26 19:00
0255文字
Ryuji
新着
★★★★★徳川家康の最晩年(書出しは慶長14年:1609年)を描いた小説。秀忠に将軍を譲った後も、徳川の時代をどうやって盤石にして後世に続くものにしていくか、いくつかの問題点をピックアップして展開していく。「大阪の豊臣家の問題」「キリシタンと諸外国との交易の問題」「徳川譜代の武断派と言われる臣下達の処遇の問題」等々、一般的には関ヶ原で勝利し直ぐに安定した徳川時代を迎えたと考えられがちだが、実際にはこれだけの問題を抱え解決していかなければならない晩年だったことがよく分かる。面白かったです。
0255文字
パスカル
新着
家康はサイコパス。サイコパス?んー、その発想はなかったわ。
0255文字
やっくん
新着
岩井さんの小説って読ませるよね。いつの間にか引き込まれてしまします。家康の苦難苦行がよく分かりました。 面白く読めた。
0255文字
ハッピー
新着
【図書館】ダ・ヴィンチの新刊情報で気になった初読みの作家さん.秀忠に将軍の座を譲った家康が駿府にて手に入れた天下を無事に保ち続けるための「守成」を考え続ける1冊.キリシタンを追い出し,豊臣家を滅ぼし,僧侶,公家や内裏,大名や旗本が従うべき法を定め,そして日光山で神になった.これらの努力が15代約250年続いたと思うと家康凄すぎです.家康目線の小説は新鮮でした.
0255文字
onasu
新着
将軍職を辞し、駿府でいわゆる大御所となった家康公。老齢になっても体力維持は欠かさず、度々泊まり掛けで鷹狩りにも。  そういった隠居暮らしの傍ら、徳川の世を続かせるため、豊臣家の処遇、海外交易とキリシタン、武家を始めとした諸勢力への対処といった諸懸案に取り組んでもいた。  前政権と同じ轍は踏むまいと、諸事にあたったことは丁寧に描かれていておもしろかったが、家康公以外はせいぜいが凡人との描き方は、やや一方的に過ぎるか。  でも、戦国期の武将ではなく、統治者として読むには好著だと思います。
0255文字
rosetta
新着
★★★★☆
0255文字
雪野
新着
★3+ 関ヶ原以降のすでに天下人して認知されている家康、ただひたすら『守成』に苦心する。ここまで、細かくさきを考えているならば、つらいし理解されない。とにかく細かい! のちの史実をしる読者にとって、徳川家は15代続いても、政治は、4代~は老中や用人にとってかわられ、お飾りて徳川家もなってしまう。『貞観政要』はするどいなー
0255文字
あここ
新着
隠居してからの家康さん。やたら鷹狩りはしてるけどどこが隠居なん?ってくらい忙しい。重要案件を決めるのはまだまだ家康。細々したことから対外国の交渉もしてるし。息子の立場はどうなんや・・って気になる。オランダ・ポルトガル・・鎖国する前?結構交流あったんや。力関係が理解できひんかったけど。ここから250年もよう占拠されへんかったなぁ。何で攻めてきぃひんかったんやろう。にしても徳川家頑張ったな。3代どころじゃないで。日光で家康さんウホウホなんちゃう(笑)サイコパスの印象はないなぁ。緻密な計算してそうな感じがする。
0255文字
as
新着
現代人とはメンタルも価値観も違うのだから、この時代の武将達は全員サイコパスの気がします。そうでなければ生き残れません。
0255文字
Totchang
新着
内政として豊臣大阪城問題、外交としてスペイン、ポルトガル、オランダ問題、他にも宗教問題を抱えながら、たった一人で処理を進めようとした姿が浮き彫りになっています。家康=狸親父の印象が薄くなりました。(笑) 現代に日本の執行部にも、しっかりしてもらいたいものです。ところで、イギリス人を部下に持ちながら、イギリスとの交易がならなかったのは何故だったかしら?
0255文字
黒豆
新着
ネタバレ家康晩年の豊臣家を潰すまでの数々の有名な史実に基づく物語。何ら真新しさはなかった。視点を変える、何かに特化した物語を創って欲しい。話の中で気になったのは、金の精錬法、佐渡から年間どれだけの金を産出したのか?大筒の価格や内製化の可能性、絹取引の儲けなどなど、ついでに気になり1両の価値の変遷を調べてみると江戸時代初期の13万円から中期8万円後期5万円、そして富くじの当たりは3億円、スイカ660円。
0255文字
ぱぐびぃ
新着
この作品は、徳川家康が関ヶ原の戦いで勝利し実質的に天下を手中に収めたと自負していた頃からキリシタン禁制を経て、喉に刺さった棘のような存在だった豊臣家を大坂の冬夏の陣で完全に滅亡させ徳川政権の礎を盤石にし、自ら神となって死出の旅路に旅立つまでを家康の視線から語られている。真田幸村(信繁)など敗者側の視点で描かれることの方が多い大坂の陣も、勝者側から描かれると新鮮にも感じた。最後に家康が成功したサイコパスだったのではないかという結論はこの小説を読んですんなり胸に落ちた。
0255文字
しぇるぱ
新着
徳川家康の、関ケ原以後、江戸幕府を開いて以降、大坂冬の陣夏の陣までの物語です。最初は、ポルトガル、イスパニア、オランダ、イギリスなどの商船のお話しです。おや、貿易のお話し、キリシタン問題のお話しか、と読み始めますが、そこは長いマクラでした。そこからはよく知ったお話しが繰り出されるが、マクラのほうがはるかに面白い。イギリス船から艦載の大砲を買うことに集約します。これが大阪城に遠距離から撃ち込む城崩しの大砲です。豊臣家が屈して、臣下に直るならそれもよし、あえて楯突くなら滅ぼすまでよ。家康の寿命との競争です。
0255文字
ハッチ
新着
★★★★☆関ヶ原以降での、家康が徳川の天下を盤石にする為の苦心を描いた歴史小説。ここらへんを描いた小説は多くないので面白かった。
0255文字
バンスライク
新着
ネタバレ☆☆☆☆ 天下統一を果たした家康は如何に子や孫に権力を継承させるか悩んでいた。大御所として徳川家内外の問題を処理し権力基盤を盤石にするため老骨にムチを打つ。関ヶ原以降の家康の治世を淡々と独特の視点で語られるのが筆者らしい。徳川家のため非情な采配を見せる反面、孫にはメロメロなのが面白い。キリスト教を始めとする外国との交渉や使者とのやり取りは興味深く、中途半端で切られてしまったのが残念。ラストの家康評も筆者らしいが、それを匂わせる作中の描写はなく唐突な感じも。それを言ったら戦国武将で当てはまる人は多そうな。
0255文字
kawa
新着
ネタバレ物語は関ヶ原の戦いから9年後に始まる 。手に入れた天下を無事に保ちつづけ、徳川の世を磐石にすべく「守成」に力を注ぐ家康の晩年を描く。派手な展開があるわけではないけれど、知らなかった当時の様々な事件や人間模様が興味深い。最期に、家康を「日本で最も成功したサイコパス」と称する。成る程とは思うが、それならそれで、もう少し描きかたを考えて欲しかったかな・・・。
0255文字
baba
新着
ネタバレ晩年の家康が幕府を盤石にするため、大阪城を滅ぼし、大権現として神となって見守るための謀をめぐらす。あるじシリーズの飄々とした面白さや「異国合戦」の様な衝撃もなく、知っていることが淡々と綴られ、最後に作者は家康サイコパス説を唱えるが唐突な感じがした。スペイン、ポルトガル間の暗黙の了解事やオランダとの関係、マードレ・デ・デウス号焼き討ち事件など学んだこともあった。
0255文字
ペロ
新着
岩井先生の最新作。駿府に隠居した家康には大事な仕事が残っている。徳川幕府を永続させるための総仕上げです。これでもかと言わんばかりの用意周到さで終活をこなしてゆく様子はさすが家康。ただ,岩井先生の作品にしてはストーリー性に乏しいのが残念。主人公は家康自身だし,展開も普通に時系列的でした。家康サイコパス説についても,信長や秀吉のキャラが強烈すぎて私には今一つピントきません。確かにその傾向はあるとは思います。でも「学習能力と自制心がずば抜けて高い人物」という印象は読後も変わりませんでした。
0255文字
藤枝梅安
新着
ネタバレ江戸に幕府を開いた家康が大坂城を攻め滅ぼし、自らを「大権現」とするまでの過程を描く。この作家の特徴である、主人公の周り、あるいは下の者たちの苦労を滑稽に描くことで、主人公の残虐性を浮き彫りにしている。末尾で筆者は「サイコパスは・・・他者への共感性や痛みに対する感度が鈍く・・・恐れを知らず勇敢なだけでなく、口が達者でうまくうそをつき、人を魅了したりもする」とした上で、家康を「成功したサイコパス」と評している。現代の世界でも同様の指導者が複数存在していることを改めて思い知らされる。
0255文字
雅
新着
ある意味教科書
0255文字
Jackie
新着
学生の頃の日本史では年号と出来事を丸覚えした。その当時は、ある時点から日本中のルールが急に切り替わったように理解していたけど、実際にはいろんなことの積み重ねで大きな流れができてたんだなと再確認。そういう系統だと『夜明け前』もおもしろかったけど、この本も面白かった!他に似たようなテーマの本ないかな…
0255文字
全37件中 1-37 件を表示
家康の遠き道評価90感想・レビュー37