形式:単行本
出版社:光文社
形式:文庫
形式:Kindle版
出版社:情報なし
いちゃもんと無理難題を押しつけて、戦いを決断させると容赦なく叩き潰す。家康の老練な戦いの真骨頂が描かれている。若い頃から支えてきてくれた名臣たちはすでに亡く、若い連中は無能であるか経験がない。仮に有能であっても槍を振るう場所はなく、政治で目立てば潰される。いや、そんな突出した個のない世の中こそ、家康がもたらしたかったものなのであるが、一抹の哀しさもある。家康の力を出し切った充実感と、戦国の完全な終息をその目で見たという哀しみが、ない交ぜになったようなラストだった。作品の評価においては、家康の晩年の完成した
政治力を描くというモチーフは良かったものの、そのモチーフに引っ張られ過ぎてドラマ性が無くなっていること、物語の筋がゼロで、ただの報告書のようになってしまっていることは、もったいなく、もう少し読者の印象について考察してほしかったところだ。「これは物語ではない、歴史書だ」と言われても仕方のない内容であるが、歴史書にしたとしても、体系的にもなっていないし物語風にもなっていない。やはりテーマがないのが良くない。どこまでがフィクションなのかもわからないまま。やはりただの情報の垂れ流しになったという印象。
面白そうなので、読みたい本に登録させてもらいました。
Bibliobibuliさん、幕府黎明期のアナログな外交問題なんかも幕末と比較したりして結構興味深いです。
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いちゃもんと無理難題を押しつけて、戦いを決断させると容赦なく叩き潰す。家康の老練な戦いの真骨頂が描かれている。若い頃から支えてきてくれた名臣たちはすでに亡く、若い連中は無能であるか経験がない。仮に有能であっても槍を振るう場所はなく、政治で目立てば潰される。いや、そんな突出した個のない世の中こそ、家康がもたらしたかったものなのであるが、一抹の哀しさもある。家康の力を出し切った充実感と、戦国の完全な終息をその目で見たという哀しみが、ない交ぜになったようなラストだった。作品の評価においては、家康の晩年の完成した
政治力を描くというモチーフは良かったものの、そのモチーフに引っ張られ過ぎてドラマ性が無くなっていること、物語の筋がゼロで、ただの報告書のようになってしまっていることは、もったいなく、もう少し読者の印象について考察してほしかったところだ。「これは物語ではない、歴史書だ」と言われても仕方のない内容であるが、歴史書にしたとしても、体系的にもなっていないし物語風にもなっていない。やはりテーマがないのが良くない。どこまでがフィクションなのかもわからないまま。やはりただの情報の垂れ流しになったという印象。