一度改訂があるものの、50年以上前の翻訳で表現がわかりにくかった。リウーやタルー、グランなどの行動を描く目線と、著者目線で語られる箇所があり、特に後者の部分が難解。光文社古典文庫の新訳で読み直してみたい。
本作の文体はきわめて簡潔であり、時としてすっと理解できないところもあるが、抑制のきいた客観的な記述は『異邦人』とも共通する。フランス語原文を参照しながら読み進めたが、宮崎訳は原文にかなり忠実で、それでいて直訳っぽさを感じさせない、すぐれた訳だ。(誤訳らしきところが2箇所あるが)
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