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藤原定家全歌集 下 (ちくま学芸文庫 コ 10-12)

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みあ
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上巻の才気溢れる華麗な詠みぶりは少し抑え気味で寂寥が全面に出ている感じがする。それでも他者の和歌と比べればひときわ美しい。源氏物語の巻名にちなんだ和歌が一番の楽しみだったのだが、どうやら紫式部に位負けしている様子。豪華絢爛な王朝に憧れて酔いしれている。上巻の生命力は息を潜め技巧が先走った感が否めない。ただ、ふっと息を抜いた贈答歌などはさりげなくて情感が溢れている。洗練された美意識の持ち主だったのは確かである。ただ個人的には式子内親王の方が好き。「人はいさ昨日の雲の跡もなく今朝はきえぬの夢もはかなし」。
0255文字
LUNE MER
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上巻に比べると面白い趣向が目立つ印象の下巻。源氏物語全54帖の各タイトルを詠み込むという縛りの下での54首などは源氏物語愛好家なら見落とすわけにはいかないのではなかろうか。西行の一周忌の折に「願わくは」を踏まえて詠んだ歌なども目を閉じて復唱したくなる。いずれの歌についても本歌取りの元となった歌や参考とした歌などについてもコンパクトに解説が付いており、これで二千円しないなんて安い安い。
0255文字
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藤原定家全歌集 下 (ちくま学芸文庫 コ 10-12)評価36感想・レビュー2