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藤原定家全歌集 上 (ちくま学芸文庫 コ 10-11)

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みあ
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上巻に収録されているのは『拾遺愚草』の正編2791首である。数もそうだが、緊張感にみなぎる言の葉に圧倒されてしまった。散文なら主語と述語を中心に読んでいけばいいが、和歌はそうはいかない。一つ一つの言葉に生命が宿り、それに注意して読む必要がある。式子内親王の時もそうだったが、言葉の繊細さと華麗さを丹念に味わうことが出来た。四季の和歌を読んでいると視覚的な描写が美しい。しかし彼の本領は恋歌である。『拾遺愚草』下巻の恋の部だけでも読んでほしい。円熟した才能には畏怖の念すら抱いてしまい、和歌の洗練の極地を感じる。
みあ

名歌しかないと言っても過言ではないが、特に秀逸な恋歌を二首。「こぬ人を松帆の浦のゆふなぎにやくや藻塩の身もこがれつつ」。「かきやりしその黒髪のすぢごとに打ちふすほどは俤ぞたつ」。

07/16 12:53
0255文字
LUNE MER
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心酔する定家の全集である。ベスト盤ではないので、当然収録されている和歌の出来不出来や作風にもある程度幅があり、ひたすら定家を堪能できる。新古今とか読んでるとついつい贔屓目にどの歌も高評価してしまうのだけど、本全集は定家100%なので純粋に定家の中での好き嫌いを味わい尽くせる。勅撰和歌集に選出されていない歌の中でも立ち止まって何度も復唱してしまう歌あり、源氏読んだお陰で「これ源氏にインスパイアされてる?きっとそう♫」という楽しみ方も出来る様になったり、まだ下巻もあるけど💦やはり定家はいい✨
0255文字
ロビン
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一年以上毎日2ページずつ読み進め、ようやく上巻を読了した。言うまでもないことだが定家さんの歌は掛詞や縁語、本歌取りなどの該博な知識に基づいて技巧を凝らしており、優美かつ繊細な硝子細工のようで、着想やイメージも素晴らしいものが多い。春夏秋冬の季節を詠んだ歌、花鳥風月を詠んだ歌、忍ぶ恋や待つ恋など恋愛の歌、法華経の経典をテーマにした歌、帝の御代を寿ぐ歌、旅先で景色を詠んだ歌、死者を悼む歌、昇進できないのを嘆く歌、昇進を喜ぶ歌、老いを見つめる歌など様々な歌が収められている。心血を注いだ歌の花々の百花繚乱を見よ。
0255文字
すいれん
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待望の文庫化!ずっと絶版で図書館で借りてたからあまりに嬉しくてもう1冊ずつ購入。1冊は手持ち用、もう1冊は本棚に鎮座用。 右のページに和歌、左のページに訳や注釈。巻末に補注。上巻は拾遺愚草(上中下)2791首。岩波文庫の藤原定家全歌集を外出用本にしてたから、本歌や訳注が一気に読めるのが幸せすぎる。ちょっと重たいけど、携帯できる喜びにくらべたら! それにしても定家、◯◯百首好きだよなぁ。初学、花月、内裏等々。アンソロジー編むの得意なの、よく分かる(笑)隙がない。
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藤原定家全歌集 上 (ちくま学芸文庫 コ 10-11)評価53感想・レビュー4