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戦国大名の危機管理 (角川ソフィア文庫)

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オルレアンの聖たぬき
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漠然と『優れた民政を行った北条氏』というイメージで何が優れていたのかよくわかっていなかったが、この本を読んで腑に落ちた。本の中には北条氏の成り立ちと治世の様子だけでなく、『戦国大名の本質』、何故、戦国大名は合戦を繰り広げたのか、徳政令とは何か、その答えがこの本の中に書かれている。何度でも読み直したい本です。
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碧雲-  lukeminen
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後北条氏三代目当主・氏康
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nagoyan
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優。本書は、2005年に吉川弘文館から同名で出版されたものに7編の増補を加え角川ソフィア文庫から再刊されたもの。話題は史料上の制約があり伊勢・北条氏に限定される。(滅んだ北条氏に関する文書がこれだけ残っているという事の方が奇跡的なのかも。)大名に対峙する存在は「村」である。「村」は民衆の生存の基盤。北条氏は「村の成り立ち」を図るために、領国危機の度に、税制改革、不服審査・訴訟制度を整備していった。また、武田、豊臣との対決では「御国」のためとして、新規負担の同意を引き出そうとした。一方的な支配ではなかった。
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m__akiyoshi
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北条氏康を題材に北条家と村の関係が描かれている。教科書に出てきたような江戸時代や明治以降の視点だと、大名と農民との間に明確な上下関係を感じるが、氏康の時代はまだ明確な上下関係というより、お互い「Give&Take」の関係だったものから、後の上下関係への過渡期のように思える。北条家は村を守る代わりに、村は税や労働といった負担を北条家に対して負う。なるべく農作業に影響させないよう負担を軽くさせようとする村と、きちんと取ろうとする北条家で綱引きが行われてた。この頃の村は諾々と税を搾り取られてたのではなかった。
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matypoyo
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戦国時代の北条氏の話を例にしての飢饉と、外部からの侵攻(上杉、武田)からの話。飢饉が起きた場合は、戦争を起こして相手から食料を奪うか、人を減らす。そういうことが起こっている事例を見せられると、飢饉がないようにいろいろと対応して技術をあげていくのも大事だったのでは?とも思えるが、石高の高い土地は格好の場所となり狙われますしね。そういうのを考えると、遅かれ早かれ戦争のない世の中になっていくしか平穏な日々がこなかったのかなとも。領国経営って非常に難しいものの上に成り立っているのかが垣間見えた気がします。
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BIN
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タイトル的に一般的なことが書かれているようにも見えるけど、黒田氏なので案の定、北条氏特に北条氏康の民政のことでした。上杉謙信が侵攻してきた頃なんかは連年のように飢饉が発生し、それに対する政治改革のことが書かれている。村が基本単位。民政のことが書かれることなんて、論文はともかく他書では見受けられないでしょう。違った視点で見れる点でよい一作。
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hakka4me
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『戦国大名の危機管理』と題してはいるけど、様々な戦国大名が出てくるわけではなく、実際は「後北条氏の支配制度」がメイン。 内政が良かったとよく言われる後北条氏だけど、その細かい中身まで知っている人は多くはないんじゃなかろうか。 これを読めばその実態が少し掴めてくる。 後北条氏は民の人権を守ろう!とかを前提に考えていたわけではなく、彼らが安定して支配するために次々行動していったのだと。 ただその安定支配のための施策が結果として民の暮らしやすさにも繋がったのだなぁ。
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getsuki
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戦国北条家の民政に関する考察をまとめた一冊。自分の領地支配をいかに確立させるかに苦心している様子がうかがえる。思ったよりも村の人々がたくましく生きているのが記録から読み取れて興味深い。
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Kanbukyoukou
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例によって戦国北条氏の書。民政に定評のある北条氏だが、そもそも度重なる天災・戦災に喘ぐ関東の民(村が基盤)の声を聞いていかないと支配もへったくれも無く大名として立ち行かない訳で、北条家代々の当主が真摯に取り組んでいったのは民への憐憫の情とかそういう甘いものではなく(氏康さんはアピールしてるけど)、怜悧な政治論理であった訳だ。それにしても、ただでさえ凶作の年の端境期に上杉武田が略奪目的で襲ってくるわけで、時はまさに世紀末(1550年前後)、関東平野は核の炎(乱暴狼藉)に包まれてヒャッハーだった?
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roatsu
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戦国時代と大名に目を向ける上で前提になる知識や考え方が得られ文庫サイズながら読み応え十分。比較的公正で安定した治世が知られる後北条氏の政策も、本書で説かれる村の成り立ちを始めとする困難な課題に直面し、領国経営のため懸命に考え抜いて実施されたものだと知れば大変感慨深い。まさに大名という事業継続のためのBCPと言え、粛々と対応した当主や幕僚達の知恵や胆力に敬服する。何を以て名君とするかの基準が見える。文中の民衆にとり権力は外在的に存在するものではなくむしろ生み出すものであるという洞察は核心をついていると思う。
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YONDA
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主に北条家(氏康時代)を例に、この時代の国家経営について書かれています。年貢と言っても種類は様々で、村単位で納めていた事が良くわかります。また、飢饉など災害のあったときには減免したり、逃散した百姓を戻すために減免したりと色々大変だったんだと同情してしまいます。戦時は派手で取り上げられやすいですが、平時の時こそ国主の力量が試されるのだと思います。しかし、北条家は初代宗瑞から氏綱、氏康と民百姓を大事にしていましたね。
YONDA

宗瑞・氏綱・氏康の北条三代でやればドラマ性が出てくるとは思いますが…。「北条三代」是非やってもらいたいです❗

12/10 18:05
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showono
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もとの単行本(2005)に増補原稿を附収。そこで2009年の論稿の趣旨については、本論から続けて読むと、実のところ終始一貫していないようにも思えるんだが。
showono

かつて小泉政権の時期に、酒席で著者が近世史研究の全体について詰った挙句、「政策基調の規定を重視するなんていうやつらが小泉を支持する風潮になるんだ」などと放言するのに接した機会があった(もちろん安良城説批判を含意している)。がしかし、本書で重視されているのがなんと、戦国大名領国における「構造改革」である。これあるいは、黒田はひょっとすると、間が抜けているのではあるまいか。

12/04 18:13
showono

もちろん構造改革とは、グローバライザーが主導した構造調整プログラムの、日本版の謂である。少なくとも21世紀日本の構造改革政治とは、そのようなものであった。だが本書あとがきで「戦国大名の政策は、将来を見通した計画性に基づいたものではなく、その時々の状況への対応の積み重ねによって展開された」ともいわれるのだから、ここではもはや構造改革のアナロジーなど全く無効である。一般向けとはいいながら、ターミノロジーについては無神経にも程があろう。

12/04 18:18
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