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J・G・バラード短編全集5 近未来の神話

感想・レビュー
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迦陵頻之急
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「ウオー・フィーバー」「近未来の神話」など後期短編集の収録作を集成。個人的には、超現実的風景の中で登場人物たちの自我が溶解していくような初期作品群を熱愛してきた一方、現代テクノロジーの暴力性やら、極端な幻視性を帯びた世界やらを描いた中期以降の作品群には少々、距離を感じてきたが、短編をまとめて読んでみると、矢張バラードのバラードたるゆえんは一貫して健在だった。初期作品と変わらぬ作風のもの、宇宙時代の黄昏をシニカルに描いたもの、絢爛たる世界変容を描いたもの。これを機に積読状態の後期長編にも取り掛かろうか…。
迦陵頻之急

ウイリアム・ギブスンの後書きより 「最近ますます、バラードは予言者でもあったのではないかと思いはじめている。亡くなる前の最後のいくつかのインタビューで、未来について訊ねられたバラードは、我々はやがてサイコパスに支配されるだろう、と述べているのだ。」

11/12 23:25
0255文字
gu
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また精神分析かと思わなくもないが気の利いた小品が多くて楽しめた。やっぱり時間と視覚化の作家なのだなとも(化学物質で怪物化したジャングルでもやることは「時間感覚の拡張」なのがちょっと笑えた)。宇宙時代の終焉三部作は必読。
0255文字
いなだ豆乃助
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最近〈内宇宙〉についてよく考える。「世界最大のテーマパーク」「巨大な空間」「火星からのメッセージ」などどれも好きだ。
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roughfractus02
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最終巻の本巻は1970年代中盤-90年代の24の短編を収め、ウィリアム・ギブスンのエッセイを巻末に置く。インナースペースの破滅の意志がサイバースペースの希望に転換するのは、人と技術の一体化の度合が変わるだけで十分なのだ。作者の作品ではマスメディアの批判と信仰は紙一重だ。それを信じれば、インナースペースはVR空間を予感させる無限の広がりに変容する。批判すれば、死につつある大統領の容体報道が第三次大戦勃発の報道を覆い隠し、元宇宙飛行士へのカルト的信仰を煽る世界が、薬品汚染で狂騒する熱帯の島のように描写される。
0255文字
sugsyu
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こうして年代順に並べると、同じテーマの繰り返しが顕著だが、マニア的には細部の比較に楽しみは見いだせる。ベストは究極の引き籠り小説「巨大な空間」と、果てしなく膨張していく宇宙ステーションを彷徨い歩く「未確認宇宙ステーションに関する報告書」。これも自宅と宇宙ステーションをそれぞれ舞台にしながら、実質同一の小説であり、そのこと自体が面白い。
0255文字
a.k.a.Jay-V
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小説の体(てい)を持たないヴァーチャルな死へのガイドのメシマズ感。バ***の安定感!
0255文字
みいくん
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J.G.バラード流のディストピアとインナースペースが堪能できます。中に翻訳調の文章が気になるものがありますが、これもバラード独特の世界観を表現するための作法なのかなと思ったりもします。
0255文字
あべっち
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メタメタにおもしろいやんけ。バラードを読むと毎日がバラードになる。
0255文字
にゃごー
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短編全集も読み進めて5まできた。内容は結構難解なものもあり、正直これまでの巻より読むのに時間がかかった。「月の上を歩いた男」は個人的にこれまで読んできた短編小説の中でも上位に入る名作。この作品を読めただけでもこの本を手にした価値はありました。
0255文字
rinakko
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最後までみっちり楽しめて、大変満足な最終巻だった。とりわけお気に入りは、「暴走する妄想の物語」や「太陽からの知らせ」「宇宙時代の記憶」「巨大な空間」「世界最大のテーマパーク」「戦争熱」「死の墜落」。「未確認宇宙ステーションに関する報告書」や「ヴァーチャルな死へのガイド」の乾いた作風も好きだ。
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水月
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バラードの70年代後半から90年代の短編を収録。「太陽からの知らせ」「近未来の神話」「月の上を歩いた男」「第三次世界大戦秘史」「戦争熱」が面白かった。宇宙ものが多かった気がする。あとはメディアと戦争の関係について描いたものや時間・空間が伸縮する話とか。ウィリアム・ギブスンの寄稿文あり。
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渡邊利道
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これで完結。70年代末から90年代はじめまで。メディアと戦争・政治・性が混合したテーマのものや、宇宙時代の廃墟的記憶をめぐるものなど。例によって同時代の長編ともシンクロしつつ、さまざまな技巧を手慣れた筆さばきで描いていくエレガントな作品ばかりだが、やっぱり宇宙ものがどれも濃厚で素晴らしい。だんだんとガジェットの描写が枯れていき、語り口の洗練が増していくようにも思えた。後期の三部作もけっこう語り口の問題というのは大きいと思う。
0255文字
vonnel_g
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優れた作品は決して色あせることがない。もっと読みたかったなあ。こことここは世界が繋がってそうだな、みたいな作品がいくつかあるのが面白い。「死の墜落」になんだかユーモラスなものを感じてしまった。ウィリアム・ギブスンの寄稿文が大変美しい。
0255文字
お気楽さかい
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★★★★★ お気に入りは ◎「攻撃目標」、◎「ZODIAC 2000」、◎「太陽からの知らせ」、◎「宇宙時代の記憶」、◎「近未来の神話」、◎「未確認宇宙ステーションに関する報告書」、◎「世界最大のテーマパーク」
0255文字
マーブル
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ネタバレ全裸で行動する男。セックスへの執着、あるいは忌避。 世間からの逃避。引きこもり、邪魔する者の排除。 妄想。妄執。。。殺す。 幻視者。妄想家。あるいはサイコパス。 何と呼ぶのがふさわしいのか。  抽象画より、具象絵画を好む私には、なかなかに飲み下すのが一苦労の作品が24作。  が、最後の方にはその世界にも馴染みを覚え、登場人物にも共感の気持ちが芽生え、次の作品をさらに求めてしまうようになってきた。  変わった味だが、癖になる味。
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澤水月
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今巻は精神の「遁走」と異次元への飛翔を絡めた「太陽からの知らせ」、孤独な変人と宇宙への偏執に共鳴「月の上を歩いた男」、本邦初訳「火星からのメッセージ」(ラスト一文が最高!)など絶品だらけ。「第三次世界戦争秘史」は天皇退位話題の今新訳で改めて既視感に戦慄。1988年発表!何月執筆だろう。基本発表順、で初期から晩年近くまで飛行・渇いたプール・遺棄された巨大施設、自然に飲まれる人工物、超現実主義絵画など繰り返されていたこと、人物の名付けも意味ある事多いと改めて知る。16年9月からの叢書完結、関係者に感謝(コメ続
澤水月

発表順重視の元本訳で短編全部読めたかと思ったら、晩年近くまで作品キャラ同様の変人と思われていた自分(本当は陽気で愛妻急死後3児イクメン、割と能天気なタイプだったようだ)を、思い切り「ドラえもん」的に戯画化してふざけた「J・G・バ***の秘められた自叙伝」が発表年代少し順番違うと気づく。濃縮小説を主にした80年工作舎刊『残虐行為展覧会』に収められた何篇か、特にその名も「クラッシュ!」などがない。実験的「索引」は入っている。バラード自身にとっての短編小説の定義が何だったのか考えたく残虐…も再読したい(続

03/03 22:18
澤水月

ところで著名人、特にレーガン、ケネディなど大統領や超セレブとメディア、大衆との関係にはずっと固執があったバラードは今もしトランプ政権やEU激震を見たらどう思うか(ユーロ導入のずっと前、1989に帰りたくないリゾート民らによる欧州巨大コミュニティの悲喜劇描く)。安易に予言的といいたくないがしかし… さらに「戦争熱」がある日本超有名SFがまんまオマージュ…てかパク…と知り驚愕。前の絶版文庫で初読した際戦争とウイルスの類似性描く鋭さに唸ったがまさか…。元ネタはこっちよと若人に教えたいもんです

03/03 22:18
0255文字
vaudou
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全集も最終巻。長編の前にまず骨子となる短編を書いていたバラードなだけに、こうして柳下さんの解説込みで、バラードの内宇宙における恒星たる長編と、周囲を構成する惑星ともいえる短編を耽読し続けた期間は、実に楽しく有意義な時間であった。第三次大戦の予感に充ちた数編や「コカイン・ナイト」の助走的短編に続いては、宇宙を志向する人間の限界を描出する。第5巻の読みどころはまさにそこで、ポスト宇宙時代小説の三部作は、その最深部に到達する。80年代にここまで・・永遠の光輝に包まれる「近未来の神話」は、溜息の出るような傑作だ。
0255文字
ろびん
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「楽しい時間を」が好きです。あと、J・Gバ***の秘められた自叙伝の悪ふざけっぷりも。
0255文字
月世界旅行したい
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ギブスンの寄稿あり。
月世界旅行したい

あと、やっぱり『残虐行為博覧会』が一番好き。

03/03 05:01
月世界旅行したい

しかし、久々に読むと「バラードってSFの王道だよなぁ」っていう感想が出てくる。

03/03 22:40
0255文字
シロビ
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終わってしまった…。記録をみると、一巻を読了したのが2016/12/26。定期的にバラードの文章を摂取する生活。楽しかったなぁ。何より、バラードの書く物語が与えてくれるイメージが好きだった。鳥・飛行機・生命力のある植物・炎・水のないプール・割れたサングラス・宇宙飛行士・音響彫刻・感受性を持つ家、服・宝石のような昆虫・砂鱏…強迫観念・抽象化・観察される急速な生態系の進化・無時間・マスメディア・JFK……。読んでいる、というよりは、絵画を観たときの考える楽しさ。
シロビ

「時間」に関する物語が特に好き。そこに当たり前にあるものを消して、新しい世界の扉を開くのに、何れだけの儀式めいた手順が必要なことか。命の全てを燃やして考えて考えて、初めて出会える世界の数々。短編全集の後編は戦争のイメージがつきまとったので、何故無くてもよいのにと思うことを軽々と消し去ってしまえないのだろう?それがないと本当に世界はバランスが保てないのだろうか?など考えた。自分と世界の境界のせめぎあい。負けたくないですね。流されたしまいたくない。

03/02 20:13
シロビ

『暴走する妄想の物語』『太陽からの知らせ』『宇宙時代の記憶』『月の上を歩いた男』『第三次世界大戦史』『戦争熱』が好き。

03/02 20:13
0255文字
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J・G・バラード短編全集5 近未来の神話評価91感想・レビュー24