形式:文庫
出版社:KADOKAWA
出版社:角川書店
形式:Kindle版
形式:その他
出版社:情報なし
元々『妖の忍法帖』というタイトル。思いつきで何でも書けるタイトル、という名付けだったらしい。改題して現在のタイトルとなるが、それは根来の若き忍び「城助・漣四郎」が主人公であることから。二人一組のコンビ技を使い、毎回くじをひいて双方別の勢力から藩の内情と真相を探る…という熱い出だしだが、その設定はすぐに形骸化し、終盤を除いて効果的ではない。その骨格よりも「正義を成したはずなのに、誰も得しない」やるせなさを描く方に力点が移っていき、手癖で書かれた感は滲んでいる。さらに
主人公であり、やがてあることから葛藤を生む城助・漣四郎もキャラクターと呼べるほどの深掘りはなく「どっちも勝ってほしい」ではなく「どっちでもいい」としか言えない。他の根来衆の先輩たち、立ちはだかる伊賀者もご都合モブで、個性と呼べるものはなく、特に伊賀者は弱すぎる…と満点からはほど遠い。しかし手癖であろうと表出される表現は上手く、毎藩奇抜なエンタメもやってくれるので、なんだかんだ楽しめてしまうのは地力の成す技。最初に泥象嵌で無辜の村娘二人を殺めるところだけは、ノリで手綱を放してしまった重大な瑕疵だろう。
続き よりによって出来の悪い本書を原作にするってセンスは如何なものか。もっとも原作なんてどうでもいいって企画が巷に氾濫しているわけで、今回もその類かと思うばかり。
H30/090 携帯電話の無い時代の脅威の連絡方法。
忍法相伝73は一応2013年にミステリ珍本全集という企画で復刊されてますよ。ただ、3000円という高値ですが…
あ、あれはまだ新刊で購入可能だったのですね。すでに品切れしているものかとばかり……。しかし、ネットで読んだ方の感想を見るに、3000円出すのはだいぶ冒険だな……という気持ちはあります。
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