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帳簿の世界史 (文春文庫 S 22-1)

感想・レビュー
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タイガーとらじろう
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この本を読むとAccountabilityという言葉の含意がよく分かる。帳簿、会計の歴史は今でも積み上げられ続け、人間の生き様をめぐる戦いの歴史と言える。
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293
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自分には難しかったぜ。簿記を勉強してから再挑戦したいですな。
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おんだい
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会計の歴史は知識や重要性の認識が社会に根付いていく歴史であるが、同時に粉飾、ごまかしの歴史でもある。その理由について疑問を持ちながら読み進めたが、おそらく、帳簿が明らかにする冷徹な現実、己自身の無能さを直視して悔い改められるほど人間は強くないからだ、という結論に(自分の中で)至った。フランスのルイ14世のエピソードなど、その最たるものである。だから都合の悪い数字は無視しようとするし、会計を外部に明らかにすることが制度化されれば改ざんしようとする。人間の業なのかもしれない。
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霞
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会計の発展には、最初に目覚ましい成果を上げたかと思うといつのまにかあやしい闇の中に引っ込んでしまうという1つのパターンがある。何世紀にもわたって会計システムを確立しようとしてきたがグローバル的な広がりもあって基本的な原則を理解するのでさえ高度な知識を必要とするため政府も会計士も追いつけなくなっているという現状。
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konomichi
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タイトルから、帳簿の世界、つまり、『会計』がどのように発達してきて今に至ったか、の歴史だと思ってたんだが、『世界史のあの出来事の裏には、帳簿を使いこなしたあいつがいたから』的な話だった。なので、思ってたのとは違うんだが、世界史好きならいつもと違う史観が味わえるんじゃね?
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雪空55
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中世イタリアの商人たちが開発した複式簿記。この複式簿記はこの後の数世紀で強力な経営のツールとして経済社会を動かすことになる。アメリカ独立戦争、フランス革命、大恐慌、リーマンショックにおいても会計の透明性が歴史を動かす決定的な役割を果たした。本書から学べることは、正確な会計説明責任が浸透した社会は繁栄し、逆の場合その社会は没落する、ということだ。会計を軸に世界史を紐解くとまた別な社会が見えてくる。日経平均やニューヨーク市場の株価の高騰が続く昨今、まさに読んでおきたい書物であった。超絶面白かった!
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Shinichi Tañiguchi
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「なんでこんなやり方するんだろう」と思ってた複式簿記の底にある哲学かちょっと掴めた気がした。 当たり前だけど帳簿って、正確・誠実に記録した上で「それをもってして何を為すか」がないとダメなんだな、と実感。係がチマチマつけた帳簿を、会計を理解できない上の人が一瞥してハンコ/サインしてるだけでは何の意味もない。
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muraka_system_office
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組織の経済活動が順調かをみるのは困難なこと
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shuhey
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会計=帳簿が元でバスティーユ・デイに繋がったというのは面白かった。「いろいろあったけど人類は会計を健全に使ってみんな幸せになりましたとさ」という終わり方じゃなくてよかった。(よかった?)人類の文化、政治、経済の歴史は帳簿の歴史であり、高度に発展した現代でも人はその帳簿の力を使い切れていないのだ。★4.0/5.0
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Hiroshi
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会計責任を果たすことが如何に難しいかを知るために、700年におよぶ財務会計の歴史を辿る本。厳正な会計は良き事業、良き統治に欠かせないが、会計責任の維持が難しい。古代メソポタミアの時代より帳簿はつけられていた。単式簿記で在庫管理をしていた。地中海貿易が盛んなイタリアでは11世紀にアラビア数字が使われ出して算術が行われるようになり、14世紀に複式簿記が誕生した。現金で資産を買う場合に「現金の出金」と「資産の増加」を記載するものだ。これにより「資産=負債+資本」となり、資産全体とその流れが上手く掴める様になる。
Hiroshi

コジモ・デ・メディチは銀行を国際事業に発展させてヨーロッパ最高の富豪となった。複式簿記を理解して監査できたからだ。コジモは新プラトン主義にはまる。だがそれは商業を軽視する。長男に簿記を教えず簿記を習った二男が早死にしてメディチ家に簿記を理解する者がいなくなり、孫のロレンツォの時代に銀行は傾く。15世紀末に『スマム』という複式簿記の教科書が刊行されたが、時代の流れで軽視された。16世紀にアメリカ進出で栄えたスペインは、植民地のコストが把握できずに衰退する。複式簿記が盛んなオランダでは商業が盛んで富んでいく。

05/22 17:11
Hiroshi

ルイ14世の会計顧問コルベール、英国初代首相のウォルポール、孫にダーウィンがいるウェッジウッド、ルイ16世のネッケルが、アメリカのハミルトンが会計を発展させる。19世紀に鉄道の時代、帝国主義と資本主義の時代となる。鉄道会社では粉飾決算が横行していた。政府に直接の監督を避ける方法として公認会計士が生まれた。だが大恐慌、エンロン事件・リーマンショックと大事件が起こるが、原因は粉飾決算だった。取得評価から時価評価と代わるとその隙を狙う者が出てくる。会計事務所のコンサルタント業の兼任は義務の対立を生んだのでは。

05/22 17:11
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TS
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すでに会計は人智を超えてるし、破綻が運命付けられている。文化的に根付くと繁栄する。が、世代を超えると忘れる。
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トーマス
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ネタバレ前半は自分があまり把握感のない時代だったため、読むのに時間がかかった。ベンサムが幸福度を複式簿記方式で評価しようとしていたことは、おもしろい。ブックキーパー紙の、会計士は刑事であり検査官であり解剖学者であり探偵である、という言葉に心躍った。当時の人々も同じだったようで、会計士に興味を持ったようなので、このフレーズはパワーがあったのだろう。夢のある言葉は残っていく。ウェッジウッドを学びたいと思った。
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大先生
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なかなかのボリュームで、読み応えあり。世界史を会計という視点から読み解く本です。どこの国でも会計が文化の中に組み込まれた社会は繁栄するものの、長続きはしない。会計には見たくないものまで見えてしまう性質があるからでしょうね。ところで、バスチーユ襲撃の知らせを聞いたルイ16世が「暴動か」と訊ねた際のラ・ロシュフコーの回答がカッコイイ。「いいえ陛下、これは革命です」と。
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あったろう
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とてもマニアックな分野でとっつきにくいところはあったが、会計が果たす役割とここに至るまでの軌跡を感じることができた。 とても重要だが、今の日本も年金や医療などおよそ持続可能性があるとは思えず、ぼんやりとした不安がある。だからタンス貯金になるのだろうが、じゃどうすればいいのかも分からない。 監査とコンサルが重複しておこなわれているのも事実で、これではきちんとした監査は難しいですな。
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つーこ
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面白い!こういう歴史の紐解き方って初めてで、そこと歴史の動きなんて考えたこともなかったけど、お金や経済があればもちろん会計も歴史があるよね。メディチ家とかフランス王朝とか、そしてリーマンショックとか。とても興味深かった。
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魔威駆
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日商簿記を受けたくなった。
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じめじめ
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人類の歴史において、会計・帳簿は正しき資産の把握と予算配分の意思決定を行うツールとして国家繁栄の裏方の役割を担ってきた。「会計責任」の言葉通りそれは為政者の義務であり、疎かにしたものたち(ルイ16世など)には冷酷な最期が与えられた。また経済活動が複雑化するにつれ、正しき資産や損益の把握には複式簿記が必要となるようだ。ある区間における損益判断には資産の減価償却などの考え方が必須になるためと受け止める。現代の経営・為政者も必須とされる会計スキルには人類発展の歴史の重みがある。
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Sam
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最近会計の勉強をしているのだが、たまにはテクニカルなお勉強から離れて地理的・時間的に広い視野で学びたい!ということで本書。ルネサンス期のイタリアやスペイン、フランスといった王国からオランダ、イギリス、アメリカなどの商業国家に至るまで、会計がいかに重要な役割を演じてきたかが多くの実例とともに描かれておりとても興味深い一冊だった。現代においてもいまだになくならない会計不正をどうやって根絶するのか、また、そもそも「会計責任を果たさない超大国」である中国の存在をどう扱うべきなのかという点がこれからの課題であろう。
Sam

解説によれば「帳簿が乗っかっている貨幣」=ブロックチェーンは今後の帳簿の歴史を変えていくことになるかもしれないという。帳簿とはお金とは別々に記録するものという大前提が技術革新によって変わり得るということだが、それがどこまで現実的な話なのかは別としても、非常に興味深い指摘だと思った。

06/28 14:04
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さいと
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会計を通して世界の歴史を見ると、見え方が変わってくる。例えば、王室の財政が明らかになったからフランス革命につながった、というのもなるほどという感じ。ただ、帳簿というのはどうにも地味な話だ。
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KS20
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116Pまで。再読したい。 会計・監査の歴史について。
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●●
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ネタバレ2018年の本。再読。凄い。こういう違う視点の歴史をもっと知りたい。色々な視点が、まだまだ使える可能性を残しているんだなぁと。感動。帳簿の日本史が面白い。ストンと腑に落ちた。25:アウグストゥスの透明性の高い精密な会計。ローマ数字の表記法では、エラーが宿命なのは笑えてしまう。アラビア数字の御蔭は大きい。72:イル・ヴェッキオは面白くて好きだ。が息子たちに会計を教えないで、没落の運命。「冷」の字とセットな会計。
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ネイティブ・バイオあざらし
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なかなか読みごたえのある本だった。世界史の知識が頭に入っていれば、より理解できただろう。中でも、第6章が印象に残った。ルイ14世のように現実から目を背けて破滅を招かないよう、自戒を込めて家計簿に向き合おう。放り出していた簿記3級のテキストブックも久々に本棚から取り出してみようと思った。
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tsuyu1222
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「会計を杜撰に扱う者」には必ず最後に「精算の日」が訪れることを教えてくれる本。ルイ14世が会計を雑にしたことでルイ16世が断頭台送りになったのはその典型例と言えるだろう。最近では某一般社団法人を中心とした杜撰な会計や行政がネット上で話題になっている。この「非営利団体」を中心にした騒動は「帳簿の世界史」の新たな1ページになるだろう。
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午後
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複式簿記などの帳簿・会計システムの発達、およびその政治・文化への影響という観点から世界史を捉え直した本。古代メソポタミアの単式簿記による会計計算、在庫管理の手法、古代ローマのオイコノミアに始まり、14世紀イタリアにおける複式簿記の発明、都市国家の台頭、メディチ家の繁栄、オランダの黄金時代、コルベールの会計改革、ウォルポールの政治手腕、ウェッジウッドやフランクリンを支えたプロテスタンティズムな倫理と資本主義の精神、フランス革命に火をつけたネッケルの『会計報告』、リーマンショック等が、縦横無尽に語られる。
午後

徴税人であった聖マタイを題材にした絵画や、ルネサンス期の画家とパトロンの関係、会計を風刺したオランダの風俗画など、美術作品についての言及が随所にあるのも嬉しい。カスティリオーネの『宮廷人』に代表されるような貴族主義的な価値観や、会計不正で私腹を肥やす有力者達からその都度激しい抵抗を受け、正確な監査に基づく透明な会計制度はなかなか生まれず、また長続きしないということが歴史から窺える。

01/21 14:28
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銘紗
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仕事と自分の研究分野をつないでくれる数少ない本です。 ローマ帝国やルネサンス期イタリア、産業革命時代など、自分がよく知っている歴史に、複式簿記と商業の視点の知識がどんどん書き込まれていく感覚でとても充実した内容でした。 とくに、中世では商人たちは総じて敬虔なカトリックであり、一方キリスト教の中で金儲けや簿記が罪の意識と隣り合わせであり、商人たちがどのように解釈して自身の富を正当化していたのかについての記述が興味深かったです。
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あらあらら
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簿記の資格を取ろうと思って何度も挫折する会計にはセンスがない自分でもよくわかった。
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nd
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「帳簿」(=会計システム)に焦点を当て、単式簿記だった古代メソポタミアから中世イタリアにおける複式簿記の発明、更に時代を進んで大恐慌やリーマンショックまで幅広く歴史に触れる1冊。何よりも嬉しいのは、巻末に編集部が「帳簿の日本史」を付録してくれていること。本文中では日本にはほぼ触れられないことと、そこまで読んでいる中で会計の重要性について散々理解させられたあとで、身近な日本の話をされるのはとにもかくにも腑に落ちる。本文もさることながら、付録も含めて素晴らしい一冊だった
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deerglove
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これはスゴイ本でした。「帳簿の」とつけなくてもギリシャ、ローマから中世イタリア、スペイン、フランスの王朝や現代のアメリカまで、財政とその記録である会計がいかに国家を揺るがせてきたか、それぞれの時代のキーマンに焦点をあてて鮮やかに描き出しています。同じ西欧社会でも議会民主主義で先行していたはずのイギリスが国家の会計は長らく開示できなかった話なども興味深く、改めてじっくり読み直したい気持ちになりました。
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ダックだ
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ヨーロッパを中心とした簿記の発展史としては、非常に読み応えがあります。「簿記」の知識がなくても読めるのは、歴史的な変遷に焦点をあてているからかもしれませんが簿記の歴史を知るには、丁度いいかもしれません。ただ、やはり研究書としての性格があるため途中で中だるみするのは仕方のないことかもしれません。もう少しドラマティックな話があれば、テンポよく読めるかもしれませんが「簿記」「帳簿」でドラマティックというのは、なかなか難しいかもしれません。政治の道具としても使われたのは、非常に興味深かったです。
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花梨
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帳簿の観点から歴史を見た非常に壮大な本。複式簿記の発明は本当に凄いと思っているけれど、どうやら名もなきイタリア商人達が発明したらしい。特別付録も良かった。あと解説の「帳簿の未来」にブロックチェーンの話が出てきて、もはや国という枠組みはいらないのではという思いに駆られる。ちなみに考古学者が「トークン仮説」というのを出したのを思い出す。文字や数字も無かった時代に会計はあったという事は人類にとって帳簿は切っても切り離せない事なのだと改めて再確認した。簿記用語が分かるともっと楽しめると思う。
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しおり
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「○○の世界史」的な本はけっこうあるけど、帳簿はいぶし銀だなと感じた。思いつかなかった視点だけにタイトルだけでワクワクする。もちろんローマ帝国にも帳簿はあったけど、複式簿記の登場ははルネサンス期のイタリアまで待たなければならない。あの大帝国を単式簿記で管理してたって逆にすごい。複式簿記が発明されてもコンプライアンス意識は中々生まれない。近世の王は自国の財務状況を知らないなんてこともしばしば。簿記は大事だけど難解で疎ましい。文系からすればITみたいなポジションだ。繁栄にも改革にも金融危機にも簿記の姿はあった
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かも
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★★★★☆タイトルが簿記や会計ではなく「帳簿の世界史」である点が特徴。会計と世界史を繋げる本は数多くあるが、本書は帳簿の正確さが国の興亡に直結している点を指摘している。つまり、国のトップが帳簿の大切さを理解していて、国家予算を正確に管理する誠実な知識層がいて、国民に会計が文化として根付いていれば国が繁栄し、そうでなくなったら衰退する。現在の世界は、帳簿を理解する知識層がコンサルや株ディーラーになっており、著者は暴落が経済システムに組み込まれていると主張する。文化的な高い意識と意思を取り戻すべきとのこと。
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まさにい
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司馬遼太郎のこの国のかたちを読んでいたら、戦国時代、石田三成は複式簿記に近い形の会計をしていたと書いてあった。また、島津征伐後、領地の少なくなった島津家の会計の仕方として、複式簿記を教えたと書いたあった。そんなこんなで、複式簿記の歴史とはどんなものなのか興味があり、丁度この本を見つけて買ったのが相当前(文庫本ではなく単行本で購入)であったのだが、やっと読む時間ができ読了。いや~いい本ですね。複式簿記と資本主義の相互関係が理解できた。
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びす男
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「金勘定」をさげすむ風潮はどこから来たのだろう。嫌味な金持ちが登場する小説や絵画に刷り込まれたのだろうか?■歴史をひもとき、政治や人間と「会計」の関係を考える一冊。かつて「罪」と思われた会計が社会に受容される過程が面白い■会計は、国家や一族の隆盛を築き、文化の繁栄のさなかで軽視もされやすかった。会計上の数々の失敗が、「説明責任」「透明性」といった教訓を生んでいる■金勘定をおろそかにすると痛い目に遭う――。フィレンツェやフランス絶対王制、スペイン帝国の浮沈をなぞって感じたのは、そんな痛烈なメッセージだった。
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ゲオルギオ・ハーン
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欧米における帳簿の歴史をまとめた一冊。複数の商人が合同で営む貿易事業が盛んだったイタリアの海洋都市国家で私たちが知る複式簿記の原型が出来たところが興味深い。というのも利益を分配する際に公平に利益を配らないといけない(当時の貿易事業はリスクが高いので1回ごとに清算していた)ので詳細な説明が要求された。それ以外の商売をしている商人は帳簿をつけて経営しているものもいたが多数派ではなかった。それは損失などいくら商人でも眼を背けたい情報が問答無用で記されるからだった。
paluko

だからアカウンタビリティって言うんですか!(詳細な説明)なんか目からウロコでした。ありがとうございます。

09/14 18:33
ゲオルギオ・ハーン

palukoさん、コメントありがとうございます。お役に立てたようで嬉しいです! 改めて今の感覚で考えると税金をとっておいて何一つ報告しない専制君主って不思議な存在だと思いました。当時の人々はどう使われているか興味がなかったかといえばそうではなくてルイ16世時代に発行されたネッケル財務大臣の財務報告はベストセラーになりフランス革命の発端の一つとも言えるそうです。

09/14 20:13
3件のコメントを全て見る
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ZaZa
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★★★
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ひよこ皇太子
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会計の歴史はとても面白かったが、会計そのものの概要や意義を知れたことが良かった。なんせ会計に関する知識はゼロと言ってもいいぐらいまったく知らなかったので。
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ふたば
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複式簿記は遠く、古代にまでさかのぼってその源流があり、中世の頃にはほぼ今の形が成立したのだという。中世の頃には教会(カトリック)との対立が、近世には専制君主との対立が会計士たちを苦しめ、また、不正も蔓延っていた。たびたび反旗を翻したり、不正をただそうと立ち上がる者が出てはつぶされる歴史をたどった。現代にいたっても不正はなくならず、数字(経済)を制する者は財と闇の世界に君臨できる。正しい商取引と経済の透明化が、最終的に豊かな社会を作り上げるであろうことは明白なのだが、人間とは残念な生き物なのだな。
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syuu0822
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題名の通り、世界史を帳簿の歴史という観点から通して見た一冊。複式簿記という世紀の大発明を生み出しながらも現代に至るまで不正を根絶することができないでいる人間。世界史って、砂糖にせよ何にせよ人間の愚かさの記述だよなぁ…としみじみ思いました。
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qwer0987
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帳簿から世界史をとらえ直すという点はユニークな切り口だった。まとめるなら、帳簿を通じて財務状況を正確に把握することが政権や商売の安定につながり、それを公開することで自身の正当性を証明できるといったところか。帳簿を理解したコジモ・デ・メディチと商売を軽視した子孫のせいでメディチ家が没落していく話や、フランス革命前のネッケルの会計報告が革命の遠因になったという話、リーマンショックの要因の解説は実に興味深い。そういった数々の因果や隠された視点には知らないことも多く大いに勉強になった
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