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ジュディス・バトラー 生と哲学を賭けた闘い

感想・レビュー
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brzbb
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バトラーの最初の論文から順を追うように思想の軌跡を解説し論じてくれる本なんだけど、『精神現象学』も『性の歴史』もなによりバトラーの著作も読んでないのでほとんどわからないところだらけだった。でも序論の内容やときどき刺さるところがあって、とりあえず『ジェンダー・トラブル』読まないととあらためて思った。もうすぐ同じ著者で『バトラー入門』っていう親書が出るんだけど、そちらはもっとわかりやすいはず
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yu-onore
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バトラーのヘーゲル読解が印象深い。教養小説ではなく『ゴドー』や同じ人物が同じことを繰り返して笑いを取るコメディドラマの路線に例えられる。理性への到達の枷となるのが身体であって、さらには性という他者へのかかわりもあって。規範に対する不完全な分身となって性というものの本質的に構成的な部分を露呈させるジェンダーパロディ。
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素人
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メモ。バトラーのスピノザ論に関心があって読んだ。興味のあったバトラーの論文("The Desire to Live: Spinoza's Ethics under Pressure")に1章を充てて解説しており(第9章)、参考になった。
素人

「スピノザにとって、自らの存在に固執しようと努める自己は必ずしも単一の自己ではない。またそうした自己は、自分と同じく他者の生を向上させない場合、自らの生を増進し向上させることができるとは限らない」(上記論文の冒頭部分)とするバトラーの議論は魅力的だが、スピノザ自身の書いたものに照らしてどれだけ裏付けできるのかが依然として疑問だった。

09/15 08:00
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Cell 44
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良い本だった。スピノザの「コナトゥス」とヘーゲルの「承認」の概念が本書の底流を流れており、ヘーゲル-スピノザの系譜の上でのバトラー論となっていて非常に面白い。フーコーの系譜学や精神分析批判、フェミニズム理論に対してヘーゲルないしスピノザ的観点が出てくるのは私にとって素直に刺激的だった。そして、田中美津の「とり乱し」の語彙を継承しながら、エーデルマンのような「否定」としての「クィア」と対比させつつ、バトラーの哲学=翻訳=要請を「私たち」の複数形の可能性のもとに結ばせる「結論に代えて」の文章は感動的でさえある
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あくせるがつきー
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文句なくお薦めです。
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ileisolee
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正直なところ、物足りなかった。バトラーが『ジェンダー・トラブル』において、ボーヴォワールの現象学とフーコーの系譜学をともに乗り越えられたのは、デリダの「起源の代補」や精神分析の「事後性」の議論あってこそだろうに、ただフーコーの系譜学を徹底した、という議論になってしまって、なぜその「徹底」ができたのかについて説得力が弱いと感じてしまった。また、バトラーの思想全体を一種の承認論として描いていながら、ヘーゲル『イエーナ哲学草稿』からハーバーマス、さらにはホネットまで至る議論の蓄積がまったく参照されていなかった。
ileisolee

もちろん著者の真摯さを疑うわけではないし、勉強になったところも多かったのだけど、期待値が高すぎたのかもしれない。今後も研究は追っていこうとは思う。

10/05 16:59
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茅野
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2/3くらいヘーゲルやスピノザなどのばちばちの哲学の話だったのでそんなに理解できている気はしないが、パフォーマティヴィティ/パフォーマンスに関しては納得のいく整理がされていた。バトラーの思想そのものにももちろん解説はあるが、彼女の思想の背景や周辺に多くの説明が割かれている印象。概説書としてはサラ・サリーの『ジュディス・バトラー』の方がわかりやすかった。(もちろんこの本は「概説書」を目指したわけではないだろうけれど)
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まあい
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図書館本。バトラーの「パフォーマティヴィティ」には、言語哲学だけでなく人類学のパフォーマンス研究も混ぜ込まれている。またバトラーの言う「存在論」は「生存」論である。バトラーに関する疑問がいくつか解決すると同時に、自分が思っていた以上にバトラーから影響を受けていたことを再確認した。
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