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大江 健三郎(20)プルースト(5)高橋 哲哉(3)朝比奈 秋(2)井戸川 射子(2)町屋 良平(2)橋本 陽介(2)ハン・ガン(2)北見 秀司(2)向井 雅明(2)47%大江 健三郎11%プルースト7%高橋 哲哉4%朝比奈 秋4%井戸川 射子4%町屋 良平4%橋本 陽介4%ハン・ガン4%北見 秀司4%向井 雅明著者グラフ上位10名
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ileisolee
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作品を書くため以上に、生きるために書き、書くことによって生かされるということの好例。終始現在形で書かれることもあって、言葉と感情の湧き上がる現場に立ち会っているかのような心地で読む。今は食うに困るほど貧しくはないけれど、生活のために働き、生きるために書いては読む、芙美子の気持ちに共振するところもあった。「一文にもならぬ事が、ふしあわせでもなければ、運の悪い者ときめてかかる事もない。希望のない航海のようなものだけれども、どこかに浮島がみえはしないかとあせるだけだ」
0255文字
ileisolee
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個が個でありながら、つまり一つの意識、肉体、感情、考え方、生活環境、社会階層に閉じ込められていながら、別の誰かと(見知らぬ誰かとさえ)繋がっていることを、小説以外では不可能な仕方で体験させる。これを読む私は1923年6月のロンドンにいる。いやロンドンである。ある文章ではクラリッサの思考となり、感情となり、耳となり、視線となる。別の文章ではロンドンの陽光、時計塔や救急車の鐘の音になり、誰かの眼に入り鼓膜を震わす。意識と意識の間を絶えず移動する何かとなる。全ての瞬間、全ての孤独を祝福する、奇跡のような小説。
0255文字
ileisolee
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差別について糾弾すれば、「正当な区別だ」「あれだって差別だろ」「お前らの方が差別だ」といったように糾弾を無効化・相対化しようとする人が現れがちだ。皆どうやら「差別」が悪いことだとは認識しているらしい。だからこそ、何が差別なのか、差別の何が悪いのか、を一旦クリアに整理して考えさせるこうした本が重要で、本来なら初等教育から少しずつ学んでいくべきことだと思う。物足りない部分もあるが類書があまりないようだし、実際他に読んだこともなかったのでとても良かった。どうしたら差別をなくせるのか、まで踏み込んでいて誠実な本だ
ileisolee

個人的には「確かに差別かもしれないが、事実なので仕方ない」とするよくある居直りに対する反論が明確で良かった。差別以外の解決策を検討することが必須。

02/26 11:25
ileisolee

差別される苦しみを吐露されたときにも、善意や慰めなどの意図で差別を相対化してしまいがち。気をつけよう。

02/26 14:00
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0255文字
ileisolee
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日記は日々の目まぐるしさそのままの文章で、何倍速かに圧縮されたような感じがある一方、エッセイは等倍速で印象が異なる。前者はスナップショット的、後者は映像的、とすれば著者の本領は前者にありそうなものだけど、エッセイの方からも確かな魅力が感じられる。長い時間をかけて堆積した、拭い去ることの困難な感情が書きつけられているような。植本さんが撮った写真をはじめてちゃんと見た。あたりまえと言えばそうなのかも知れないけれど、撮影者と被写体の関係も映し出す、いい写真だと思った。
ileisolee

それにしても、ECDがこの文章から遠からずこの世を去ることを知っているのに、もしかしたら意外と長生きするんじゃないか、とか読みながら思ったりしてしまうのは不思議だ。別のところではもうすぐ死んじゃうんだな、と涙ぐんだりする。植本さんの情緒不安定さがうつってしまったかのようでもある。

02/12 11:11
0255文字
ileisolee
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書店ではじめて見かけたとき、まず「どっちだろう」と思った。叶わない、なのか、敵わない、なのか。ネタバレになるのでここに書くことはしないけれど、表題作に描かれたECDの姿は、きっと街を歩いているときに幾度も思い出すことになると思う。どんなことが書かれているのか、ぼんやりとは知っていて、ECDのような人とどうして、どんな風にそんなことになるのか知りたかったことと、尊敬するひとが著者のファンであると公言していたことが読む動機だった。果たして植本さんの眼を通したECDは私の印象とまるで違うところなく、(続
ileisolee

どこか結末だけ知っているミステリのように読み進めていった。ECDを実際に目にしたのはおそらく一度だけ、それも遠くからの後ろ姿だった。その日はたぶん都知事選前最後の日曜日で、新宿の歩行者天国で候補者の応援イベントが行われていた。群衆の後方にプラカードを地面に突き立て、仁王立ちしていたのがECDだった。この人があのECDか、と畏れにも似た感情とともに得心したのを覚えている。一瞬写真を撮ろうと思ったものの、畏敬の念がそれを押し留めた。ただ立っているだけなのに、自分が一生かけても敵いそうにない人なのは明らかだった

02/05 13:43
ileisolee

前著の元々のタイトルが『働けECD』だったように、植本さんは一般的に、そういうECDのパートナー、という位置付けだったのだろう。私にとってもそうだった。けれどこの日記はなんだろう?これほど明け透けに、虚飾も感じさせることなく、自分の生を描き公開した文章があっただろうか。植本さん自身に対しては、読む人によって反感も共感もありうるはずだ。植本さんの病はある意味ありふれたものだろうから。けれど、これを読む経験は、まるで類のなかったもので、多分他の少なくない人にとってもそうなのだろう。俄然日記に興味が湧いてきた。

02/05 13:54
0255文字
ileisolee
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「私」とひとたび書きつけるや否や、そのように書く「私」と言葉の乖離は広がりはじめ、虚構の「私」が生じてしまう。さらにはテクストが書く実在の「私」の手を離れれば、もはや書かれた「私」の方が実在を主張しはじめてしまう。「岬」は、書くことの本質でもある奇妙な経験を見事に作品へと昇華しているが、これは同時代の多くの書き手たちに共有された主題だったのだろう。とても質の高い作品だが、たとえば岩波文庫などに入らないだろう理由もよくわかる気がする。
0255文字
ileisolee
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自分が別々に考えてきた2つのことが、最終章で結びつけられて論じられていて、自分の伴走者(というのはおこがましくもあるが)に出会えたような心持ちになり、本当に勇気づけられた。とくにここ数年はずっと一人で走っているような気持ちだったから特に嬉しい。書かれたものとしての見かけはまるで違うものになろうとも、なんとか応答したいと思う。もちろん生活の中の毎日の実践においてもちゃんと引き継げるように。具体的な本の内容はできればあとでメモする。しかし書物って素晴らしいな。会ったこともない人の存在がこんなにも心強いなんて。
0255文字

読んだ本
636

読んでる本
2

読みたい本
6

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/07/28(3535日経過)
記録初日
2015/08/08(3524日経過)
読んだ本
636冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
191760ページ(1日平均54ページ)
感想・レビュー
93件(投稿率14.6%)
本棚
1棚
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