前の2巻もそうだけど、紙を黒くしたり、行間をやたらと空けたり、すごい、嫌。小説なら文章で勝負してほしいし、そういう空気もちゃんと文章で作ってほしかった。紙面を活用して視覚に訴えるのは小説でもなんでもないと思う。
ヴァイオレットへのプラトニックな片思いも、それが叶わぬ思いであっても、読み手としてはなんだかしんみりしてくるのである。
サルヴァトーレ社での戦闘を経てデート仕様だったヴァイオレットの衣装はボロボロになってしまうが、これまで戦場で散々少女兵の血生臭い姿を見てきたギルベルトが、今更それしきで幻滅するはずもないんですよね。いつの間にか2階級昇進して大佐の地位に。2人だけのときに「少佐」呼びしてるのかとばかり思ったら単に混同していただけのヴァイオレット嬢、すっかり人間臭くなってて微笑ましい。増えることはあっても減ることはないギルベルトの愛。雪のように降り積もり、雪のように解けはしない温かな感情に辿り着いたヴァイオレット。お幸せに。
274頁、「ブーゲンビリアの鏡」は模範的存在の意味なら正しくは「鑑」だろうが、期待されるブーゲンビリア家の人間としての振る舞いをギルベルトがそっくりトレースしているという意味でなら「鏡」でも誤りではないのかもしれない。ただまあ、次の行の「更正」は「更生」で間違いなかろう。
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