まずは幕末の佐賀藩の話から始まる本書。牟田口廉也は佐賀の人なのだ。学歴社会だった佐賀藩特有のセコさと、『葉隠』が与えたであろう人命軽視。そして薩長土肥と言われながら、勝ち組内負け組だった佐賀と土佐。長州の天下である陸軍に入り、二・二六事件の将校同様の皇道派に属する。写真を見ると、どぶろっくの江口さんみたいな甘い顔なのだが、怒るとヒステリックだったらしい。盧溝橋、シンガポール、そしてインパール。日中戦争のきっかけは自分が作ったという責任感か自負かよくわからないものを抱きながら失敗する戦歴。1966年没とは。
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