形式:単行本
出版社:河出書房新社
形式:Kindle版
しかし「重く」なってはいけない、主人公は「重さ」にとらわれている。しかし軽はずみに為した行為が、ある人の心にしっかりとした光をもたらすこともある、人生というものはそういうもので、自分というものを「強く・重く」捉えることに意味はない、主人公はそう思ったのかもしれない。「軽く」はあっても自棄ではない、軽薄でもない、その微妙な心理は……「旅」とどこか似ているような気がした。海の見える街へ旅する時に、手元にこんな本があると嬉しいなと思った。切なくて、穏やかで、言葉にならない大切なことを教えてくれる一冊。
“時計やカレンダーの数字にだまされては駄目、押し付けられた時間のなかにちぢこまっていては駄目、もし過ぎていく一瞬一瞬がけっして揺らがない、確かなものの連続だとしたら、あなたが生きた時間は、だれも住まないガラスのお城のようになってしまいます”
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