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陸奥宗光-「日本外交の祖」の生涯 (中公新書 2509)

感想・レビュー
49

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健
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やっぱり明治維新前後の伝記は面白い。陸奥宗光についてはほとんど知らなかったが、本書では、その「カミソリ」のような才能を駆使して外交・政局を切り開いていく様が描かれていて、明治初期における熱い志士の思いが伝わって来るようだった。あの頃の政治家は凄かったんだなぁ、と改めて感じ入ってしまった。頭の回転が速いために策を弄過ぎるきらいがあって、敵も多かったみたいだけど、長生きしていれば他の明治の元勲同様、更に活躍していたことだろう。肺病で54歳で亡くなってしまったのがつくづく残念に思える読後感だった。
健

「外交の要素に三あり、一は国民自然の位置也。二は武力の強弱也。三は外交に関する国民智識の多少、是也。<略> 論者多く云う、外交家背後の大勢力は武力にありと。然れども我輩は云わんとす、国民外交上の智識にありと」(雑誌『世界之日本』第一号巻頭論説より)

02/10 22:52
健

<コメント>の引用は、明治時代にこのように言い切ったのは凄いなと思った次第。このように考えて外交を担当している政治家が、現代においてもどれほどいるか怪しい限りです。

02/11 12:48
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預かりマウス
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日本外交の泰斗とされる人物の伝記。海援隊、大蔵官僚、西南戦争後の投獄、欧州遊学、入閣、条約改正、日清戦争、自由党への肩入れと、榎本武揚ほどではなかろうが非藩閥故の激動の生涯である。ただ大変な努力家ながら、打算的で、他人に厳しいところが多く、余り人には好かれないタイプ。薩長に対するルサンチマンがその強い権勢欲の原動力となり、反藩閥から自由民権運動に接近するという経歴も、陸奥に比べれば本流に近いが肥前の大隈、土佐の板垣に似た所がある。長生きしていれば彼子飼いの原敬の先駆者として政党内閣を率いたかもしれない。
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Noribo
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条約改正や日清戦争後の交渉に貢献し「日本外交の祖」と言われる陸奥宗光について本書で初めて知ったエピソード。①陸奥は海援隊時代に坂本龍馬から高く評価されていた。②明治政府に出仕したのちは藩閥でない陸奥は伊藤博文や井上馨とは良好な関係を保ちながらも藩閥と戦い続けた。③政府転覆計画に関与して4年収監され明治帝から信用されなかった。④小村寿太郎や後の首相原敬は陸奥の影響下にあった。⑤条約改正は陸奥の条約改正戦略に負う所が大きいが、反対論を抑えこんだ伊藤内閣や英国との交渉窓口を務めた青木周蔵の貢献度も低くない。
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TSUYOSHI
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陸奥宗光といえば、不平等条約の改正と日清戦争期の外相としての業績が後世に名高い。しかし筆者はより広く「政治家」としての陸奥に着目し、むしろその本領は国内の政治・政局においてこそ発揮されたと見る。陸奥は幕末に坂本龍馬と行動を共にした経験等から、出身藩や門地によらず才ある者がその能力に応じて登用される「自由」な世界を欲した。それは明治維新をもたらした精神性の一つであるとともに、才気煥発な自分は藩閥の壁に阻まれず然るべき地位で遇されるべきではないか、という陸奥自身の強烈な上昇志向の反映でもあった。⇒(1/3)
TSUYOSHI

⇒陸奥は形成期の近代日本に起こる様々な政治変動に、自分自身の影響力をいかに高められるか、という視点で向き合った。立憲政治や議会政治も、陸奥にとっては自身の影響力を政界に扶植するためのいわば足掛かりで、特定の勢力に過度に与することなく、政府と議会の間を巧みに立ち回りながら勢力の拡大に余念がなかった。「抑も政治なる者は術なり、学にあらず」という陸奥自身の言がそうした姿勢を端的に物語っている。頭脳は間違いなく明晰だが、「剃刀」のような切れ者というより、策士としての側面が強い人物だった。⇒(2/3)

05/06 15:34
TSUYOSHI

⇒他方、条約改正事業にあたっては、議会や政党に対して交渉経過に関する情報を徹底的に秘匿しつつ、相手国との「対等」の原則を前面に押し出して閣内の意思統一に成功した。筆者はこの点における陸奥の貢献を評価すると同時に、デモクラシーの普及を主張しながらも秘密主義的で、かつ平凡な人々との政治談議を好まない貴族主義的な傾向のあった陸奥の政治姿勢を彼の欠点と指摘する。陸奥らしいといえばそうだが、もし彼が長命で、大正14年の男子普通選挙法の実現を見届けていたらどう反応しただろうかと、些か気になるところである。⇒(3/3)

05/06 15:57
0255文字
バルジ
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再読。外政家としての印象の強い陸奥宗光を政治家として捉え直しその真価を炙り出す一冊。挫折も多く激動の人生を歩んだ一政治家しての陸奥の姿が浮かび上がる。「研究と準備こそが陸奥の真骨頂」と本書で語られる通り、陸奥は勉強を怠らずその「剃刀」を研ぎ続けた。獄に繋がれ政治生命が断たれ掛けた時にも研鑽は止めない。強い自負と上昇欲を懐き政治の世界を遊弋する。条約改正は陸奥の研鑽と政治家としてのセンスが最も発揮された場面である。政治は術であって科学ではない。陸奥の言葉は政治とは何かを現代に問うものであろう。
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大福
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ネタバレ不平等条約改正に活躍した凄腕外交官?…というぐらいの認識だったのだが、とんでもなく、近代日本外交の祖でした…すみません。薩長の藩閥から外れていたことが、全ての源流となっているように思いました。 ◆日清戦争について概要をなぞることができ、その後の日露戦争へのつながりも含め、浅はかながらも腑に落ちた。
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しゅん
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不平等条約の改正という日本の自立において重要な役割を果たしたのに、どうして陸奥宗光は(坂本龍馬のように)英雄視されないのか?という疑問が浮かんで興味を持つ。徳川ゆかりの紀州出身であり薩長の藩閥政治と相性が悪かったが、竜馬の側近として頭角を現す。知覚に冴えるが、分断をあおることで自らの立場を上げる手法をとったがために敵を作りやすかったという評価。面白かったのが、条約改正の敵が諸外国よりも日本世論という認識であったこと。内側の説得こそが外交の場でより重要であるという話は普遍性があると思った。
しゅん

外交に関して穏健な立場だった伊藤博文の首相時代に日清戦争に突入したこと、その伊藤が(本書には記されていない場面だが)挑戦で暗殺されたことは歴史の皮肉だと思う。陸奥は先達坂本龍馬と後進原敬の間にいたという点で、幕末から戦前にかけての政治史において重要な位置にいたことがよくわかる。用意周到であったがために、かえって国賊に乗る立場になって逮捕・収監されたというのは面白い。英雄視されてもおかしくない資質はあると思うが、自分の出世のために手段を択ばず敵を作りやすい点は、物語的には悪役が似合うタイプだなとも思う。

04/11 16:37
しゅん

日清戦争が、朝鮮の民衆反乱(東学党の乱)の鎮圧のために出兵したものの出番ないまま沈静化して、引くに引けなくなったから理由こじつけて清に戦争ふっかけたというかなりグダグダな始まり方をしていたのは、この本を読んではじめて認識した。そして、陸奥こそが「もう兵だしちゃったから戦争して成果だすしかねーじゃん」という主張で動いた張本人であることもはじめて知った。著者の佐々木氏が刊行時(今も)30代でびびった!私より年下だ。

04/11 16:42
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watarum
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大河ドラマは『陸奥宗光』でやってくれ!!すっごい面白い。やっぱり話題になった新書は面白いね。評判になった新書はちゃんと読まないとダメだね。外交官としての陸奥とういのは、いろんな著作で知っていたけれども。外務大臣以前の陸奥が何をしていたのかはポイントポイントでしか知らなかったから、どういう経緯で外交の陸奥になっていったのかを知ることができたのが素晴らしく良かった。幕末・明治初期の段階で、いかにいろんな重要人物が既に知り合いだったのかがわかって、明治大正の政治の見方がちょっと変わったかな
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鐵太郎
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孤高にして狷介と評され、剃刀陸奥と畏怖された日本外交の父の一代記。単に理想の政治・外交術を求めて生きたのではなく、明治の藩閥政治の中で立身出世を志し、あるべき理想の日本を築くためにあらゆる手練手管を用いて奮闘した一人の熱情家・努力家の物語。即断即決の切れ者という世評の中で、「決してそんな当たって砕ける主義の野猪漢ではない。彼は如何なる場合にでも、出来得る限りの考慮を回らして、為し得る限りの準備を怠らなかった(P197)」と評された人物の生き方は面白い。あと10年の寿命があったら、時代に何を残しただろう。
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行商人
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日本がなぜ帝国主義思想をもってアジア諸国を侵略したのか、その理由を知りたいという流れで、日本外交の代表者である陸奥氏に興味を持った。陸奥氏が立憲政治を、本来の目的である政治権力の抑止や人権や自由の守護に力点を置かず、政治(権力闘争)の手段と見做していた点は興味深い。非藩閥の出自では実力主義を透徹せざるを得なかったか。そのような人物だから、対等外交の基盤を築けたのだろうか。また、明治初の衆議院選挙で、すでに現代に通じるような選挙対策(票集め)を行っていたことにも凄みを感じた。著作である「蹇蹇録」は読みたい。
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LUNE MER
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面白かった。自分の中の陸奥宗光は海援隊にて坂本龍馬に師事し、龍馬の報復のために天満屋騒動の際には血気盛んに斬り込んだ若かりし頃のイメージが強く、むしろ一般的なカミソリ外相としてのイメージには明るくなかった。本書を読めば、上記のイメージ群がどうも実像とは異なるらしいという点も含め、陸奥宗光という明治の男の生き様を堪能できる。半沢直樹のスタッフでドラマ化したら非常にしっくりきそうな人生。ハイライトは条約改正と日清戦争だが、教科書の記述の行間に彼の熱さや絶妙手あり!と読んでいて爽快だった。
LUNE MER

ちなみに大津事件のときは下手人の津田を暗殺すべしと伊藤博文に進言していたりもするので、決して高潔なだけの人物でもない。幕末の若者って結構そういう人多そうではあるけど。

09/15 15:56
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Guro326
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★★★★⭐︎。記載事項調査のため岡崎久彦氏著の「陸奥宗光」上下巻を借りてたが、通読するつもりはなかった。もしもまず読むならば、近代史学上定説と思われる伝記から読んで、周辺の評伝はそのあとに読まないと、視点が偏ってしまう。それを避けたかった。図書館の同一の棚に、この中公新書それも近年の刊とあって、こちらから手に取った。これがまさしく最新の陸奥宗光研究の集大成かつコンパクト版とあって、抜群の評伝であった。 また巻末の参考文献も新書にしては大変充実しており、足掛かりにも充分。
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Tomoichi
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明治の大外交官、陸奥宗光の評伝。幼少期や坂本龍馬との関係なども面白いが、この時代人特有の変人ぶりである。それでも伊藤博文や山県有朋ともうまくやっていたのだから中々仕事はできたからだろう。変人偉人から学ぶって無理があるのかな?
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カロライナタカハシ
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今まで海援隊にいたことや外務大臣であったくらいのことしか知らなかったが、政治活動を積極的しており、陸奥宗光のイメージが変わった。原敬や青木周蔵、伊藤博文についての本が読みたくなった。また、時折出てくる木戸孝允や三井についても読みたくなった。
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本まーちゃん
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そうなんだワード:浜口梧陵とも交流があった。伊藤博文、西園寺公望、原敬と深くかかわった。才と智を何よりも重視する政治家。
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本命@ふまにたす
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陸奥宗光の評伝。「条約改正」を中心としつつも、幕末から日清戦争期まで、近代日本政治史のなかで陸奥がどのような役割を果たしたかが明らかにされる。年上世代のみならず、原敬など陸奥以後に活躍する人物との関係性などにも触れられており、興味深かった。
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OKB
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著者は陸奥について「研究と準備」にこその真骨頂があったとし、本書の意図を従来の「快刀乱麻」イメージを刷新することにおいている。だが本書が重視する国内政局における躍動も含め、読後も陸奥の「剃刀」としての像は残り続けた。それは本書の叙述が陸奥宗光の評伝というよりも陸奥を介した著者なりの明治政治史になっており、陸奥に視点をおくことで浮かびあがる時代像がいまいち見えてこないことにも関係しているように思えた。
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Pyonkichi
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陸奥宗光と言うと外交家としてのイメージが強いし、それはもちろん間違いではないが、本書ではある種の立憲政治、デモクラシーを目指した政治家としての陸奥の姿が浮かび上がる。その意味で原敬こそが正統の後継者だというのも説得力がある。
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ジュンジュン
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新進気鋭の学者(なんと87年生まれ!)が描く陸奥像は、「カミソリ」の異名どおりキレる頭脳とそれにふさわしい野心に溢れた姿。ハイライトと言える不平等条約改正と日清戦争は、自身がイニシアティブを取ったというより激動する時流についていった感じだ。出身が龍馬や海援隊との関係から土佐とばかり思っていたが、紀州和歌山とは知らなかった。
0255文字
tom
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頭のキレが恐ろしい。
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ばたやん@かみがた
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教科書的な知識に基づけば、不平等条約改正に成功し日清戦争の仕掛けと戦後交渉に敏腕を振るった外交官と言う所か。本書もその2つを陸奥の最大の業績と捉えている。但し、彼の果たした役割や彼個人の意図等について相当独自の分析・解釈があり、そこが本書の読み所だ。/陸奥個人の政治的志向を読み解くに当たって、前半生についての一次史料に基づく丹念な掘り起こしが大きな意味を持っている。それによれば、その才覚により紀州藩で異常な栄逹を遂げた父(後、権力交代に伴い失脚。)と暗殺を目前にし薩長盟約等大車輪の活躍をしていた(続
ばたやん@かみがた

人物であり、その権力志向故に明治天皇から絶えず警戒の目で見られていたというのは、宜なるかなと思わせられる。/陸奥の独自性は外交において、政策の中身よりもそのディスプレイの仕方に発揮された。例えば、条約改正に当たっては、前代の井上外交や大隈外交に比べ内容で目新しいものはなかった、と言う。前任者達は段階を踏んで対等性を勝ち取って行くことを示したが、陸奥は細かな交渉内容は徹底して秘密にし最初から「対等性」を全面に押し出すことによって国内の議会や有力政治家から不満の声が起こるのを防いだ。陸奥の本領は(続

07/07 22:09
ばたやん@かみがた

外交その物ではなく国内対策の場で発揮されたと言える。/この様な陸奥の議会対策は議員や彼らを選出した国民を舐めた振る舞いであり、彼が終生口にしていた「デモクラシイ」の内容がどの様なものであるかを言わずして物語っている。時代はかけ離れた感はあるが、財務省が声高に昨今キャンペーンする「財政危機」とやらに同じ国民に対する目線を感じるのは穿ち過ぎだろうか。後、日清戦後の対韓対応について閔妃殺害等拙劣を極め、為に韓国政府をしてロシアに走らせてしまったが、この事の陸奥や外務省の責任を検討する記述が欲しい。(了)

07/07 22:10
3件のコメントを全て見る
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古谷任三郎
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ネタバレ徳富蘇峰は陸奥宗光の人生を「小説より奇なる生涯」と称した。紀州時代、海援隊時代、獄中時代そして政治家時代、その逆転人生はドラマティックだ。陸奥というと「不平等条約を改正した完全無欠の外務大臣」というイメージが先行していたが、筆者は「有能であり、周到に策をめぐらすわりに、それで成功を収めることもあれば失敗したり空回りしたりすることもある(p.289)」という新たな陸奥像を見事に描き出している。反藩閥からなる異常な権力意志と実力主義は、その後の政党政治へと大きな流れを作った。隠れた陸奥の功績であろう。
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PETE
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条約改正に対する陸奥の貢献が実はあまり大きくないこと、政治の世界で生き抜くための精力的な活動と知力が素晴らしかったことを示す著作。能力がありすぎながら、門地のために相応な仕事を与えられなかった人間が、政治の世界で生きていこうとすると、自分の地位を保つための活動が中心になって、世界を見通すビジョンを示す暇がなくなるのか?肺の弱さを抱えながら、忙しく活動しすぎたのが惜しまれる。
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竹の子
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陸奥宗光と言えば条約改正と議会における和歌山派くらいしか知識がなかったのでとても勉強になった。
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Splash
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才が過ぎるため、人生で浮沈を繰り返すが、最終的には、見事に歴史に名を残した陸奥。好かれるタイブではなかったのだろうが、日本にとって必要な人物だった。特に国づくりの時期に求められるように思う。
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AKa
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明治11年の入獄から出獄即留学を経て帰国の途に着く7年余りで、英語や英独の政治学を学び身につけて行く姿に、足利尊氏、というか亀田俊和『観応の擾乱』のあとがきと重なるものを感じた。その反面最期まで策謀家であり、そりゃ明治天皇も信用しないよなあ、とも。
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ワッキー提督
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陸奥に詳しくなかったのと、著者は外交史専門の方だと思っていたため、外交よりは国内政治で広く立ち回る陸奥像は新鮮だった。外交交渉における国内要因に力を発揮する政治家像といのは大変興味深い。 また外国語を十分に学び始めたのがかなり遅い陸奥がそれでも外交でも一定の役割を果たせたというのは、外国語に真面目に取り組むのが遅くなった自分にとって励みになる。
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terve
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本書における陸奥宗光は「才気煥発」「用意周到」そして、「権力志向」とでもいえるでしょうか。不平等条約改正、日清戦争処理は陸奥外交の金字塔でありますが、本来は政党政治が陸奥の本領だったようです。しかし、陸奥が登用した人物が明治の外交をリードする様は、藩閥政治を超えた陸奥ならではの手腕ではないでしょうか。
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穀雨
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陸奥宗光というと「明治時代の偉い人」という漠然としたイメージしかなかったが、本書を読んで、カミソリ大臣というあだ名の通り、大胆かつ用意周到で、非常に頭が切れる人物であったことがわかった。紀州の出身で、藩閥の後ろ楯を持たない彼にとって、そうしたスマートさは、中央政界で活動する上で不可欠のものだったのだろうなと思った。
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Pi-ta2
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素晴らしい坂本龍馬の箴言を知ったこと、陸奥宗光が愛されるべき人物であったこと、その時代の政に関わる人々の勤勉さに感動。
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spanasu
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本書では、基層として陸奥宗光の異常なまでの権力欲と人脈が描かれる。それを背景に、陸奥の条約改正交渉での国内での合意形成への働きかけや、日清戦争時の状況の変化に対応した様を描く。政党政治という観点からは、陸奥の限界を示唆する。 まだ若い(30強)著者には、他の人物の評伝もいつか書いてほしい。
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PRAGUE
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条約改正と下関講和会議で有名な陸奥宗光についての評伝。論理的で能力が高いのはよくわかるのだが、前半ではそこまで鼻にかけなくても、と感じたのも事実。後半は条約改正と下関講和会議の話しになるのだが、そこで描かれる陸奥の姿は派手な外交交渉よりも、むしろ地道に国内での合意形成を重視する姿で描かれている。陸奥以前に条約改正を試みた井上、大隈、青木らが列国との交渉以前に国内の合意形成を得られることなく失敗に終わったことと好対照をなしている。
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さとうしん
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土佐立志社系の政府転覆計画に関与して投獄されるまでの自信過剰が目立つ前半生が印象的。外交官としては「剃刀大臣」(これは農商務大臣を務めた時からのあだ名ということだが)として、大国を相手に策を駆使したというイメージが持たれているが、実のところ条約改正ではもっと地味な役回りだったようだ。同じく外交官として活躍した青木周蔵との対比や、伊藤博文・西園寺公望・原敬らとの交わり、「美人」として知られる亮子夫人についても紙幅が割かれている。
0255文字
セパック ボラ
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龍馬も大いに評価した「カミソリ大臣」。不平等条約改正、普通選挙導入など、明治維新後の不安定な時代にに彼がいてくれて本当によかった。
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Kentaro
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陸奥宗光と言えば、条約改正や日清戦争において日本外交を導いた外務大臣として知られる。おそらく日本史上、最も有名な外務大臣だ。何を成したかという点から見ると、外相時代、とりわけ条約改正と日清戦争が、陸奥生涯最大の山場だ。しかし、陸奥の人生全体を振り返ってみれば、終生関心を向けていたのは日本の政治体制の変革であった。後の陸奥外相期の条約改正事業において根幹となる考えは、法権の完全回復を軸として「対等条約」の締結を図ること、そしてその際の根拠を日本の変化や進歩に求めること。「対等」というのが最大のキーワードだ。
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politics
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陸奥というと条約改正や日清戦争で活躍したということが主に指摘されてきたが、本書では陸奥の幕末、明治初年での活躍や政党や議会をいかにうまく利用して政治運営していくのかということにも大きく内容が割かれていて面白かった。原敬や西園寺公望との関わりなど近代日本の政治に携わる人脈を多く持っていた彼がもう少し長生きしていたらと思うとまた少し違った近代日本になったのかなと思わせられるほど魅力的な人物に感じた。
0255文字
tadanori
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陸奥宗光の評伝。外交官としての活躍は知っていたが、その生涯については詳しく知らなかったので、勉強になった。
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skunk_c
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藩閥から離れている分、例え海援隊にいたとしても維新史には殆ど名前が出ない人で、外交官として日英通商航海条約、日清戦争に登場、しかしその仕事ぶりへの評価が高い人だった。今回このコンパクトながらかなり詳細な評伝により、その心理的側面や、政治家としての指向性や資質を知ることができた。かなりの策士であり、議席を持つ閣僚でありながら、既成の政党とは距離を置くスタンスは、その「政治好き」な生き方とともに、この希有な人物を際立たせているようだ。著者は若い研究者だが、読みやすくまとまりのいい著作で、今後が楽しみだ。
曲月斎

「蹇々録」。岩波文庫で★1つだったような……。気になります。

11/22 18:28
0255文字
Ra
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教科書的には、日清戦争前後にポッと現れ大事を成し、サッと消えるヒーローみたいな陸奥宗光。その実像は非藩閥から鼻息荒く躍り出て、投獄もされ、政略にも両足を突っ込み、むしろこれからという時に病魔に襲われた波乱万丈の人生だった。特に、条約改正交渉はあくまで外相であっただけで直接交渉したわけではないというのは新鮮。次は腹心の原敬の評伝が読みたい。
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陸奥宗光-「日本外交の祖」の生涯 (中公新書 2509)評価64感想・レビュー49