形式:文庫
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版
圧倒的なクラス内権力を持っている曽山に、主人公は簡単に捻られクラス内で孤立し虐められる。いじめられることに慣れている主人公がなんというかもう、痛々しくて、目が離せない。キラキラした明るいアオハルではなく、学校という固定された空間ならではの嫌なところが前面に出ている。自意識過剰で自尊心ズタズタの思春期小説だわ。
と書くと非常に王道で爽やかな感じがしそうですが、最初の春日イメチェンまでは楽しいものの、中盤から一気に重く、「当たり前の事に気づくのにこんなに傷つくの」と作中ありますが本当にそれ、加えて主人公に擁護も共感もあまり出来ないのもあってただしんどい、このしんどさも青春だと作者さんは言いたいのかもしれませんが、うーん。
学校の屋上に忍び込んでの花火とか夜の公園での未成年飲酒とか、インモラルで退廃的な青春のシチュエーションは危うい美しさを孕んでいるし、価値を数値化できない瞬間としてテーマとも結びついてて良かったんだけど、どうしてもストーリーの全体像が好きになれなかった。
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