形式:新書
出版社:筑摩書房
形式:Kindle版
著者曰く、ここで言われている論理は、指導要領の論理国語「性格」の項目から切り出すと「①課題発見能力、②情報の信頼性の見極め、③論拠に基づいて構築」らしい。ここで重要になるのは、②その情報がどうやって作られたか読み解くことと、③正しい論拠に基づいて構築できることである。著者の言葉で納得したのは「論理ではなく、論拠を探せ」というものだった。つまり、論理は「「なぜ?」に答えられる論拠を出せ。その論拠・根拠は確固たるものでないとダメだ」である。個人的に課題発見能力は論理なのかな、と思った。
自分の感想。改めて、「国語」という教科を考えると確かに不思議な教科だ。方程式が解けるようになる数学力が上がったと言える。英語が読めるようになるは英語力が上がったと言える。じゃあ、国語力が上がったってどういう状態なのか?日本語はすでに読めるし、小説に対して深い読みができるようになるって言っても、国語で教えている内容は深い読みか?また、テストや入試問題と普段の授業が乖離しているという点も非常に頷けた。
小説の授業は「素晴らしい作品だから学ぶ」と素朴に思われてしまうが、そうではない。『羅生門』『舞姫』にはツッコミどころ満載だし、正直つまらない。という話は、理屈では分かるのだが、教師が「つまらない」と思っている作品で魅力的な授業ができるのだろうか…。作品そのものではなく“読み解く技術”に、こだわればいいのだろうか。悩ましく思った。
既存の授業がつまらないのはそうかもしれないが、「物語論」を意識すれば面白い授業になるのかと言うと、そうでもなさそうなんだよな。
僕自身の関心のせいだろうけど、所々現象学の匂いがした。
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