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思考と意味の取扱いガイド

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mayarutu
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ネタバレ知的好奇心を刺激する一冊。内省や無意識を感じようとすることが多い私にとって意識を考えることは軽んじられていたが、傾倒しやすそうな一つの仮説を頭に入れられたので固執しないようすぐに別の仮説を書いた本も読みたくなった。日常的文体で書かれている。無意識や直感こそが心や行動を作っていると思う自分が論理的に話したりしようと心掛けている幽かな違和感を、この二項対立の否定によって相反ではないとしか結していなかった、些細な、最後のピースが浮いてしまっているパズルを一先ず完成させてくれるような安心が与えられた。
0255文字
田氏
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ようやく読了、言語と意味と認知を叩きなおす頭のブートキャンプ。ものを見るとか思考するとか、意味のある言葉を発するとか、そういう活動の根本を「認知的視点」で考えてみたらどうなるか。「これ」という語のはたらきを言葉で説明することはできても、「これ」自体は見たり感じたりすることはできない。ウィトゲンシュタインも悩んだ、「知っているが語れない」もの。それら困難なものを、われわれはどのようにして認知するのか。"取扱いガイド"であるから、取り扱う必要に迫られなければ読む必要もない。でも、そういうのが面白かったりする。
0255文字
Yoshi
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ネタバレこの本は、言語学の本ですが、ジャッケンドフは意識の理論でも有名です。言語学の立場から、意味や思考が意識から隠れていることを論じています。思考ではなく音韻が意識に上るという考えは、実は、フロイトも同様のことを書いています。
0255文字
anaggma
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何となく分かったけど、説明できるほどは分からない。
0255文字
kamanaka_gani
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ジャッケンドフさんすごいなあやっぱ。 訳ですが、前半がすばらしく読みやすいのに比べて、後半はちょっとわかりにくく感じました。原著の英語が全体わりと口語に近くて非常に読みやすいのを考えると、ちょっともったいないかなという印象。
0255文字
borisbear
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本書は言語的「意味」について、日常的視点と認知的視点の区別をまず明示している点が良い。意味の問いは、日常的視点では「この文の意味が分からないので説明して下さい」のように基本的に具体的でしかありえない。一方「意味とは何か」という一般形の問いは、認知研究の問いで、理論概念としての「意味」の要求仕様策定から始まる。この区別をいつの間にか曖昧にすることが混乱の元になるし、著者が揶揄する「偶像破壊的な言い方」(XXは存在しない、という形の反常識的哲学説)は、その混乱の悪用と思える。
borisbear

著者による認知的視点では「意味」は心の中の無意識の領域に位置付けられる。「同義の文が共に結びついている"意味"とは何か明示的に述べることは容易でない」確かに。ただし著者は「意味」の意識に関与する側面も「ハンドル」(取っ手)という概念できちんと説明している。ちなみに哲学でよくある「命題」という答えについては、混乱を招く専門用語として批判されている。

08/25 11:49
borisbear

個人的には(当然ながら)どういう意味概念が理論的に有益かはその理論に何を期待するか次第だし、「意味の本質」に関する存在論的?論争は時間の無駄だと思います。例えば文の意味に関しては、サールの志向性理論の中での「充足条件」とか、ミリカンの一般記号理論の中での「意味論的写像関数」とか、それぞれに有益な答えです。ジャッケンドフの認知的視点からの「意味の無意識仮説」も同様で、(例えばクオリアみたいなものは当面無視して)言語も含む人間の能力構造そのものに焦点を合わせる観点という印象です。

08/25 11:52
0255文字
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