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シークレット・ペイン: 夜去医療刑務所・南病舎

感想・レビュー
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藤枝梅安
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ネタバレ東北地方の医療刑務所に外勤を命ぜられた精神科医・工藤守。犯罪者がすべて税金で生かされていることに納得がいかないまま、担当する受刑者の罪に意識を問い続ける。受刑者の中に幼い頃の知り合い・滝沢真也がいた。滝沢との思い出は悪いものではなかったが、工藤の幼少の頃の忌まわしい思い出は、父親が飲酒運転で人を撥ねた所から止まっていた。医療刑務所での暗く重い日々を重ねることが贖罪になるのか判らぬまま、工藤は受刑者たちに贖罪の意味を問い続ける。受刑者、刑務官、矯正医官、痛みを抱えながら生きていく人々は塀の内外に存在する。
0255文字
あんコ
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ネタバレ★★★☆☆期間限定で医療刑務所の勤務になった精神科医の工藤守。犯した罪には正義の矯正をと考えていて正直、国民の税金で緩和ケアまでやってることに納得がいかない…が、 受刑者の中に小学生の時の親友・滝沢がいた…。ラストは良かったけどそれまでずっとヒリヒリする読書だった、工藤の頑な態度・言動が医者とは思えずちょっとそれはどうなの?って感じで読んでてキツイと言うかなんと言うか…でも工藤自身色々と抱えてる人だったんだね。また工藤だけじゃなく 神崎先生も滝沢も色々とあって…難しいね。ただ、今回のことで工藤は一皮むけた
0255文字
K.H.
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ネタバレなかなか苦しい読書だった。望まずして医療刑務所の矯正医官になった精神科医工藤守は、夜去医療刑務所への初登庁の日、収監された「患者」たちの中に、かつての友人滝沢の姿を見出す…。罪を犯した受刑者に医療を提供することへの葛藤の手前で立ち止まる守のあり方に少しいらいらしてしまい、前半で何度か頁を閉じた。そんな問題提起をしておいて、結局子供時代の甘い情緒に逃げるのは少々どうかと思うものの、後半はかなりはらはらさせられた。感動作。
0255文字
にゃにゃころ
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ネタバレ犯罪者に医療の提供は必要なのか?(しかも税金で) という難題。個人的には犯罪者であってもひとりの人間なので、人権という観点からも必要だと思う。ただ、自分が被害者の家族だったらどうだろう。それにしても工藤の当初の頑なさは酷いかった。もし滝沢に再会していなければあの頑ななままだったのだろうか。当時幼かったのに、父親の罪をそこまで大きく背負っているのも極端で、工藤自身も生きにくい特性を持っていそうだ。貧困は犯罪を招く。まず何よりこの背景をなくすことが必要だと思う。格差社会は何ひとついいことがない。
0255文字
かいゆう
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ネタバレ医療刑務所の精神病棟に出向する事になった医師の物語。贖罪の気持ちはあるのか問いかける工藤医師。罪を犯した人間に、医療を受けさせる必要があるのかと態度を露わにする。医師とも言えど、人間なのだ。被害者やその家族、加害者の家族の苦しみからすれば、一生苦しめばいい、被害者以上に苦しむべきだ、と思うだろう。罪を反省し、社会復帰を目指すのが刑務所。差別する事無く患者を診るのが医者。人の気持ちは理念通りにはいかない。複雑で難しい。
0255文字
よしりん
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ネタバレ前に読んだ『跡を消す』がすごく良かったので読んでみたこれもまた良かった。医療刑務所というものの存在は知っていたけど詳しく知っていたわけではなかったからとても興味深かった。
0255文字
kitapon1221
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ネタバレ医療刑務所の嘱託医となった工藤と、かつての友人で今は受刑者である滝沢。罪を憎んで人を憎まず…とはいってもやっぱり、贖罪の意識がない相手にまで医療を施す必要があるのか? 反省したふりなんていくらでもできるし、その人が本当に更正に向かっているとどうやって判断できる? ーー読んでいる間ずっと葛藤し続けていて、読み終わった今も、心の底にザラザラとしたものが残っている。ずしーんと重苦しい読後感。だけど、そうやって気持ちが揺れ動くこと、それ自体が誠実さの現れなのかもしれない、と思った。同著者の他の作品も読んでみたい!
じょんじょん

重かったですねえ。とっても。いろいろなテーマを散逸させないで、重く引きずっていくような作品でした。重いけれど、吸い込まれるように読み進んでいました。

09/03 16:09
0255文字
飲も飲も
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ネタバレ医療刑務所の話。精神科医・工藤守が赴任。そこにはかつての友人滝沢が受刑者として収容されていた。反省をしてない受刑者への税金を使った治療。被害者側からすると複雑。
0255文字
n
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ネタバレ前川さんの本は何度か読了済み。図書館休館直前に棚で見つけて借りました。今回は医療刑務所の外勤精神科医が主人公。少々こだわりの強いくせのある人だなと思ったけど、彼は彼なりに屈折しちゃってたのね。受刑者の1人がかつての友人で、そこから話が。いつも精神的な疾患や死についてのポリシーがある程度一貫していて、この作品からも窺える。受刑者と向き合うという特殊な環境を差し引いても主人公やな奴!と思ってたのに意外とあっさり改心して、最後はあんな風に友人として接する事ができたのはよかった。眠い。
0255文字
よつば
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ネタバレ医療刑務所で働く精神科医。彼もまた心に傷を持つ。そこで思わぬ再会をし心が揺れる。ずっと昔、少年だった頃の束の間のきらめく夏。そして予感どおりのエピローグ。そんな話に私は弱い。
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ユウキ
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ネタバレセゾンサンカンシオンを読み、こちらも購入。知り合いが医療刑務所で看護師をしているのを思い出す。 作中で描かれれる通り、自閉症スペクトラムや、IQのボーダーの人たちが多いことは繰り返しいろんな本で描かれる(『ケーキのきれない非行少年』など)。主人公のランチに関するこだわりや、厳しすぎるほどルールを守ろうとする姿勢には、父親からの教えだけではない自閉的または非定型発達な何かを感じる。作中で塀の中と外の違いをことさら強調していたけど、それって本当はすごく些細なきっかけで入れ替わりうるのでは…と思わされた作品。
ユウキ

今更ながらタイトルに思いをはせる。秘密の痛み、隠された痛み、秘められた痛み、どう訳すのがいいだろう。それぞれが痛みを抱えている。そして、それは人からは見えない。

07/11 10:30
0255文字
あさみ
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ネタバレ医療刑務所で働く精神科医工藤の過去と成長の話。うーん、ちょっと出来過ぎてる感が否めない。受刑者はともかく刑務所の職員が全員トラウマ持ってるってなんだかなぁ。やっぱり刑務所の話はノンフィクションの方が好きかも…
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ガーネット
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ネタバレその罪を問うのは、その死を看取るのは、「友としてか?医師としてか?」そんな二者択一で語れるほど、人間のこころは簡単ではない。医療刑務所に勤務する若手精神科医の主人公は「中途半端な自分」と評する。それは中途半端なのではなく、友としても、医師としても、その罪と死を「他人事」には出来ない苦しみ。友でなければ、医師になり得なかった。医師でなければ、友として向き合えなかった。これまでの二人の分かち難い歴史は、形を変えて、この先へ続いていく。
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アボカド
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ネタバレ医療刑務所が舞台だが、単なる町の精神科病棟でもよい話であり、せっかくの舞台を生かし切れていないと感じる。主人公の子どもの頃の経験がベースにあり、たまたまその時の経験を共有した知人と再会することで・・・・・・というストーリーだが、少々ご都合主義的。 個人的には、主人公自身が虐待被害者という設定は不要に感じた。いろいろなことを盛り込み過ぎている。
0255文字
♪ぶるぼん
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ネタバレ個人の意見はともかくとして、医師と言う立場なのにそれを超えて受刑者に随分な物言いをするなぁ、職業倫理はどこに?と思ってしまったほど、態度が医者とは思えない。だから前半はてなかなか進みませんでしたが、そんな守も医療刑務所で様々な出来事にぶつかり、少しずつ変化していきます。3章まで耐えれば後半はとてもよかったし、後半を読めば前半の守の行動も理解できます。 テーマは重いし、主人公も重荷を背負っています。苦しみもがきながら、何が正解かはっきりしないテーマではありますが、途中で投げ出さず読めてよかった物語でした。
0255文字
myon
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ネタバレ犯罪者の治療をする医療刑務所が舞台。 犯罪者に対して治療を施すことに批判的である主人公の医師のジレンマは理解しやすいです。 しかし、罪を犯した幼なじみとの刑務所での邂逅と、周りの医師たちによって、徐々に考えを深めていきます。治療は被害者の苦しみを考える機会が病で塗りつぶされないようにするために必要なのであると気づくまでの過程が、医師の人間としての成長とともに心に染みこんできます。 夜の真っ暗な海の波の音が読後も聞こえてくるようです。
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オリーブ
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ネタバレ医療刑務所矯正医官として勤務することになった精神科医工藤守は殺人等の凶悪犯罪を犯していながら贖罪の意識のない受刑者を患者ではなく罪人としか観ることが出来ず嫌悪し税金による緩和ケアに不快感しか抱けない。入所者の中には辛い子ども時代救ってくれた滝沢真也もいたが工藤は加害者として彼を憎む気持ちしか持てない。一方、対照的に冷静に患者として接する医師の神崎と愛内の存在が読者に被害者と加害者、双方の気持ちを考える機会を与えてくれる。自分自身の傷に向き合い自身の人権を回復することで被害者の痛みを理解するという言葉が重い
0255文字
ら゛
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ネタバレ本日2冊目。図書館本。刑に服している人達のための医療、税金を使ってまで行うべきなのか?そこに従事する医師はどう考えて勤めているのか?正直、全く考えたことすらなかった。意識しないまま生きてきた。被害者にも加害者にもなったことがないとはいえ、余りに知識も意識もなかった自分をちょっと反省。先に書いたことは、最後まで読んでも自分の中で答えは出なかった。出なかったから、また新しいストーリーで、この続きを読んでみたいと思いました。シリーズ化されるかな?いい意味でシリーズ化しやすいキャラが多かったと思うんだが。
のりこ

「跡を消す」で前川氏のファンになり、今、読み始めたところです。 世去市は架空の市ですか? 精神科医で小説家と言えば、帚木蓬生をずっと読んできましたが、 前川氏の登場で、異なり視点からの切込みに期待です。 読み終えましたら、私も感想を載せたいと思います。

12/31 22:35
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ともパパ
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ネタバレ医局人事によりしかたなく医療刑務所に勤務することになった精神科医が主人公。医療刑務所の実態を知るだけでなく、加害者家族の問題、被害者家族の人権、受刑者の人権、精神疾患を有する者が置かれる状況、そして人の生と死等々、様々な問題を考えさせられる。何が正解かは、立場によって変わるし、一概に答が出る者でもない。それでも考えること自体に意味があるのだろう。
0255文字
vinvin
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ネタバレ2017年「跡を消す」第7回ポプラ社小説新人賞受賞後第一作。医療刑務所へ6か月間限定配属となった精神科医の工藤守は、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちに複雑な感情(罪を償う気持ちになる矯正施設であり緩和ケアに貴重な税金を使うべきではない、被害者心理を考えろ)を抱く。さらに、医師を志望するきっかけを作った男・滝沢真也(幼少期に2人きりで遊んだ)と鉄格子を挟んで邂逅。頑なな気持ちが、刑務所でも医療を施すべきという信念を持つ、内科医愛内凛と精神科医神崎に、寄り添えるようになっていく。
vinvin

【刑務所職員】相沢:所長・内科医、〇愛内凛:内科医、◎工藤守:精神科医32歳・海東大学病院・飼育魚ベタハーフムーン・小暮守・父正(双極性障害)、〇神崎:精神科医・矯正医官、〇西川:刑務官・処遇部、【受刑者】◎滝沢信也:208室・殺人罪・自殺企図・守の幼少期友人、佐々木:201室・電波訴え、大島隆:202室・囚人93・ウィルス訴え、加藤治郎:北室・胆管癌・献香式、佐久間博:北室・末期癌・放火罪、世良拓海:205室・囚人220・総合失調症・スパイ訴え・アカンジア症状、榊:北室・車椅子・小百合、

11/20 01:25
vinvin

水戸:自閉症スペクトラム、小林:コラージュカレンダー、【その他】清水:公衆電話から連絡・父正の交通事故被害者、山崎:守の幼少期のガキ大将、【情報】P級:内科疾患・北病舎、M級:精神疾患・南病舎、治療班・リハビリ班・作業班

11/20 01:26
0255文字
ma-bo
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ネタバレ医療刑務所に配属された精神科医工藤は、罪を犯した受刑者が税金で医療を受けれる事に複雑な感情を抱く。罪の意識が薄い受刑者を救う行為と医師しての使命に葛藤を抱く。 そこでかつての友人滝沢と再会。彼も犯罪をおかしていた。工藤自身の過去や、同僚医師、刑務官のそれぞれの思い、非常に考えさせられる内容だった。 タイトルのペインは病気の痛みだけでなく、誰もが心の奥に抱える心の痛みであろうか。正解は無いのでその痛みに意味を見出すのは人それぞれかもしれない。
0255文字
そなそな
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ネタバレ★★★☆☆医療刑務所に派遣された精神科医の工藤。そこで受刑者となったかつての友人・滝沢と再会し・・・。自分の知らない、触れることのないであろう世界。受刑者である前に患者、被害者家族からしたらやり切れないでしょう。登場人物それぞれ抱える過去も重くなかなか読み進められず。最後に光が見えて良かったです。
0255文字
のんぴ
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ネタバレ#NetGalleyJP 胸の中に重い石をどーんと投げ込まれた感じ。当たり前と思っていた常識を揺さぶられる。ひたすら重苦しくつらい読書ながら、少しだけ息が楽になる最期。犯罪は悪だし、被害者の家族の痛みが言えることは永遠にない。しかし加害者も自らの痛みに向き合い健康を取り戻さなければ真の贖罪はできない。衝動をコントロールする機能を阻害されている精神疾患や知的障害者には、犯罪を犯す前に、正しい医療やソーシャルスキルトレーニングなど、少しでも社会で生きやすくなる工夫が望まれる。
0255文字
武藤吐夢
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ネタバレ医療刑務所というのは知らなかった。そこでは罪を犯していても無料で医療が受けられるのだ。そこにやってきた新人精神科医の視点で、入院する精神を病んだ患者、背景のある病気の囚人たち、彼自身の過去などが複雑に絡み合い、色んなことを考えさせられる作品となっている。贖罪の意識を求める工藤医師は、そういう意識の希薄な囚人たちに落胆するが、かつての友人が入所しており、その男と深く関わっていくうちに、彼もまた成長していくという話しだった。
0255文字
みーちゃん
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ネタバレあまり馴染みのない医療刑務所の話だったため、興味深く読みました。登場人物それぞれの背景が描かれており、人に対する接し方はその背景があっての対応と思われる。税金を使っての医療行為に関しては賛否両論あると思うが、個人的には自分は反対であった。が、しかし、考えるべき余地はあるなと改めて感じた。
0255文字
びびん
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ネタバレ自らの意志ではなく、医療刑務所に派遣された精神科医の工藤。受刑者たちに抱く頑なな感情が、出会った人々により心揺り動かされ変化していく。徐々に見えてくる、登場人物、それぞれの抱える葛藤が大きすぎて深く胸に突き刺さる。工藤の過去に何があったのか。後悔だけでなく、度々甦る友と過ごしたあたたかな過去の時間の光景は、優しく、切なすぎて、何度も涙が溢れた。受刑者の障害、病、医療、被害者に対する心情。とても重いテーマだが、答えというものはないのかもしれない。読後も様々な思いがこみ上げてきて、しばらく涙が止まらなかった。
0255文字
dolce vita
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ネタバレ医療刑務所に関するものを初めて読んだ。罪を犯した人に医療は必要か。加害者なのに、税金が使われるのにそこまでする必要があるのかと、担当になったことに嫌悪を抱いているかのような医者。なぜここまで頑ななのかと思っていた生い立ちと、ゆるいと思っていた神崎の過去を知るとその頑なさも納得できる。他人の見方を知ることで幅が広がり、過去と向き合えた工藤、まだまだ危ういけれどいいお医者さんになりそうな予感がする。罪と医療の間の知らなかった世界を見た。#NetGalleyJP
0255文字
capital
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ネタバレ大学病院から半年間だけ【夜去医療刑務所】に行くように言われた精神科医の工藤。そこは普通の患者は居ない全員が犯罪者で精神的に問題のある人間の集まりだった。犯罪者でも患者ではあるが、工藤は「市民は医療費を払い、その人達が払う税金で刑務所の犯罪者達はで無償で治療を受けられる」そんな事が許されるのか、治療するべきなのか悩む。ある日工藤の担当になった滝沢という男が同級生だと知る。戸惑いながら徐々に距離を縮め昔話をするようになるが、ある日滝沢に異変が…私も工藤と同じ考えを持ちますが、最後はしんみりしました。オススメ
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